読んだ漫画の適当感想ブログ。現在2011年1月以降発行タイトル対象。
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千代に八千代に 大澄剛 
2017年08月21日 (月) | 編集 |


千代さんと先生は付き合って3年になる。生真面目で口うるさい言動もまとめて先生が大好きな千代さんなのだが、誕生日プレゼントが連続でかんざしなのが気になっている・・・。国語・数学・理科・英語などなど教科をモチーフにした恋愛オムニバス7篇。
成人の恋愛オムニバス作品集。表題作は、かつて教師と生徒だったカップルの話。国語教師の先生と卒業後つきあって3年目になるおっとり系ヒロインは、堅物な気質も含めて先生が大好き。だが誕生日プレゼントが連続で同じもの、しかも使い途が少ないかんざし、ということに引っかかっている、という話。ある意味表現を職業としているからか回りくどいことをやっているわけで。ほのぼのというか年の差カップルのいいとこを十二分に出したエピソードだった。
後は、親の再婚で複雑な女子と幼馴染みの年上男子の話、怪我で楽しみにしていたことができなくなりすねた少年と駄菓子屋の大人の女性の話、不倫をした女性の話などなど。主人公が違うオムニバス形式だが世界観は同じでさりげなくゆるく登場人物たちにつながりがある構成。表題作が国語絡みなように他の話も数学や理科などの教科を物語のベースというかモチーフにしている模様。最後のエピソードでそれまでの登場人物たちのその後が描かれる構成も良い。
余談だけど、1話目の国語教師が出す漢字問題は高校生でも難しすぎやしませんかね・・?読みならともかく。あとさりげなく著者の「この指とまれ」の主人公も登場している。

大澄剛
アクションコミックス全1巻 / 双葉社
ジャンル:青年・ドラマ / 好み度:★★★★☆
ポイズンガール 瀬野反人
2017年08月21日 (月) | 編集 |


毒蜘蛛に噛まれたことから毒属性・・もとい毒舌になってしまったという設定の女子とクラスメイトたちのハイスクールライフコメディ。
主人公は毒蜘蛛に噛まれてから毒舌になってしまったという体の女子。見た目は可愛く本当は心優しい優等生なのだが、気遣いや励ましなども含め語る言葉はすべて毒舌に変換される、というキャラ。
そんな主人公に加え、天真爛漫というか脳筋というかな女子、理屈系で委員長気質はキャラだけのぼっち体質眼鏡女子、名は体を表すM気質男子、コミュニケーションは接待と同義の不器用な隠れマッスル女子が周囲を固める。主人公の毒舌を浴びつつも毒舌を受けるだけに終わらず各々の個性を発揮する構成。ともすれば嫌悪を感じる設定にも関わらず、嫌味なくうまいこと中和され面白さを醸し出す作風はさすが。なんのかのと仲のよさげなノリが好き。毒舌と罵倒は違うわけで、的を射ているだけに刺さる言葉の羅列も見所かと。

瀬野反人
バンブーコミックス 4コマセレクション全3巻 /竹書房
ジャンル:4コマ・コメディ / 好み度:★★★★★
Helck 七尾ナナキ
2017年08月21日 (月) | 編集 |


魔王が倒され人間界に平和が訪れた頃、魔界では次の魔王選出のための大会が行われていた。そしてその大会に人間の「勇者」が参加していた。彼の目的は何か、大会の行方は、魔界と人間界が向かう先は?人間と魔物を巡るファンタジー活劇。

魔王が勇者によって倒された三ヶ月後、魔界では次の魔王選出のための大会が行われていた。幹部の一人である少女の姿をした魔族・ヴァミリオは副責任者から大会のルールを確認していたところ、参加者の中に人間の勇者が混じっていることを知る。
大会参加者は種族問わずとはいえ当然ヴァミリオはツッコミ・・もとい激高し、身分を隠して大会の見守り勇者の真意を探ることに・・というはじまり。
魔族側の視点で描かれるヒロイックファンタジーものなのだろうか。冒頭の主人公と大会運営側とのやりとりはコミカルだし、大会の内容も魔王選出の大会もその舞台にそぐわぬスポーツマンシップに溢れた爽やかさが漂っていて、勇者を含め参加者同士のやりとりも殺伐として居らず至極おっとりとしたもの。大会の内容も変わり種の運動会みたいなプログラムになっているという。
この話の魔族の行動原理は欲だの破壊衝動だのではなく己の生存を基盤としているからこその緩さなのかもしれない。
また人間の勇者の気質がとても牧歌的な雰囲気。人間を滅ぼすと堂々と宣言してるけど。ちなみに勇者のフォルムは地獄のミサワのキャラみたい。性格に嫌味が全くなさそうだけど。とはいえ参加している「勇者」の不穏な経緯や魔界に来た動機が気になるところ。
大会自体はそんなゆるい展開だが、魔界の情勢は翼を持った兵士に蹂躙された場所があり、大会は進み決勝戦では、その場所の敵を殲滅したものが勝者となることに。勇者を含む決勝戦参加者と身分を隠し運営スタッフとして同行する主人公たちが向かう先には何が・・という展開に。
主人公を含め、有能だったり優秀だったりするけどちょっと間抜けなところがあったり会話やモノローグのコミカルなノリというか作風がツボだった。とはいえそれだけでなく端々に不穏でシリアスな要素を組み込み、続きが気になる構成になっている。魔族を襲った翼の兵士がなんなのかは2巻以降に大まかにわかり話の全容が見えてくる模様。地味にお勧めしたいタイトル。

七尾ナナキ
裏サンデーコミックス / 小学館
ジャンル:少年・ファンタジー / 好み度:★★★★☆
青春のアフター 緑のルーペ
2017年08月20日 (日) | 編集 |


片想いで告白したが手ひどくフラれた直後文字通り目の前で消えてしまった少女が16年後に当時の姿のまま現れる。少女を忘れきれないまま16年生きた青年だが同時に同棲する彼女もいる。少女と青年とその彼女の奇妙な同居生活がはじまるが・・。

高校生のとき。主人公と少女はゲームを通して傍目からつきあっていると勘違いされるほど交流があった。事実主人公は少女が好きなのだが、少女のほうは他の快活な男子のことが好きだったのだ。それを知った主人公はそれでも少女に告白をし手ひどくフラれる。そしてその直後少女は文字通り目の前で消えてしまい行方不明となる。
それから16年たち、主人公は社会人になり出来同棲する彼女もいる。ただ今はだれも居ない少女の家の管理などをしており完全に縁を切っていないというかな状態。そして彼女と同棲を機に気持ちを切り替えようとした矢先、目の前に件の少女が当時の姿のまま現れる・・という身も蓋もない展開に。
青春の恋心が風化する前に物理的に蘇り、現在もひとりならいいんだけど同棲するほど親密な彼女もおりで、少女は身内がいないから彼女と同棲する住処に少女も住むことになるという・・。ゲームという共通の趣味があるなどさほど衝突もないが・・・。
少女のタイムスリップの妙、ADVゲームの選択肢のごとくどの選択をとるのか、生々しい人間心理描写と人間模様が描かれていくのだろう。泣き笑う登場人物の絵面にはなかなかに心を締め付けられる。苦い、どこまでも苦い。アフターと書いて後始末と意味づけるのか。良い題名。
最初のタイムスリップで再会したときの少女の台詞とそれに答える主人公の台詞の残酷さがいろんな意味でインパクトが強かった。終始こんな展開が続くのか。登場人物の行動も心理も、嫌悪は全くないが汲み取れないことばかりで多分読み進めても共感は覚えられないだろう。だが読みたくない類ではなく、未知の世界を知りたい欲求という意味で興味深い作品だった。

緑のルーペ
アクションコミックス / 双葉社
ジャンル:青年・恋愛ドラマ / 好み度:★★★☆☆
海月と私 麻生みこと
2017年08月20日 (日) | 編集 |


海が見える民宿の経営者でやもめ男に、仲居求人を見てやってきた謎の美女の話。
父が残した民宿を営んでいたが、先代から勤めていた仲居さんが亡くなり、廃業を視野に入れた男性。とはいえ予約の客がさばけるまでは営業することにしたので廃業までの間の仲居さんを募集する。その募集にやってきたのは若い美人の女性だった。
なぜこんな民宿の募集に、と思わざるを得ない美人にいろいろと勘ぐってしまう主人公。だがほぼ強引というか押しかけ女房ならぬ押しかけ仲居のように、美女は住み込みで働く事になる。
愛想がよくいろんなお客に対しても柔軟に対応、だがたまに突っ込んだ行動もする。客観的に見て有能でもっと良い職場もあるだろうにと思う人物だが、訳あり・曲者の雰囲気もある。主人公は迷いに迷って腹をくくる。
主人公の亡き父親との確執や過去、泊まり客のドラマ、同業の大手旅館の話などを重ねていく。濃いドラマ性を出さず1つのエピソードがそれなりに落ち着く分量がちょうど良い。しっとりと心に染みる雰囲気と展開が上手い。出来事の描写は淡々としているが主人公のモノローグが少々オーバーな演出なのもメリハリがあって良い。

麻生みこと
アフタヌーンコミックス全4巻 / 講談社
ジャンル:青年・ドラマ / 好み度:★★★★☆