読んだ漫画の適当感想ブログ。現在2011年1月以降発行タイトル対象。
感想はブログにある記事以外にも、タイトル・作者順の目次のある本舎の漫画感想にも多数あります
ストラヴァガンツァ-異彩の姫- 冨明仁
2017年07月21日 (金) | 編集 |


公式の場には常にフルフェイスの仮面をつける王女は、偽名を使い仮面を外し城下に降り野を森を駆けるお転婆姫。彼女の日常と戦いを描いたファンタジー活劇絵巻。
艶やかな女に収録された短編に登場した王女ビビアンの連載版。短編の時はコメディ一色だったがこちらの1巻目は短編のようなお気楽コメディ、危険な活劇、遠山の金さんぽいエピソード、と多彩。
通常、王女としてはフルフェイスの仮面をつけているが、お忍びで城下に降りて町に遊びに行ったりするときは素顔を晒しているよう。もちろん偽名を使って身分を隠しているが。
冒頭のエピソードでは、森に棲む凶暴な肉食の獣と遭遇、トカゲ種族の人間に助けられ倒すエピソードが展開されるが、その後は臣下に本物は誰だゲームを行ったり、臣民のいる場でポカをやったり身近に感じる交流をしたり、酒場で一暴れしたりとコメディで気楽な明るいエピソードが描かれている。王女様、情が深くて明るい気質でちょっと脳筋っぽい(笑)
バトル描写、状況描写など1コマ1コマ丁寧に描かれていて見応えがある。著者らしい健康的なというかグラマラス系お色気シチュエーションもあいかわらず秀逸。
2巻以降は1巻の伏線よろしくシリアスかつハードな展開になっていく模様。それにしても王女がフルフェイス仮面をつけている理由って今後出てくるのかな。ちょっと気になる。

冨明仁
ビームコミックスハルタ / エンターブレイン
ジャンル:青年・ファンタジー / 好み度:★★★★☆
メイドインアビス つくしあきひと
2017年07月21日 (金) | 編集 |


深く底が知れない秘境の大穴「アビス」が在る世界。穴の周辺に形成された街の孤児院に住み、亡き母のような偉大な探検家を夢想する少女は、表層の探索の際、少年型のロボットを拾う。アビスを巡る冒険活劇譚。
ファンタジー的な要素もありげな少年少女たちによるトレジャーもの。世界最後の秘境らしい巨大な縦穴アビスが在り、巨大で危険な生物が生息すると同時に価値のある遺物が多く埋もれている。遺物を取る冒険家たちが日々穴に降りていく。ちなみに穴の深度により肉体に影響が出るので、細かく規定された資格に応じて入れる深さが決まっている仕組み。
主人公の少女は街の住む孤児で、彼女の住処の孤児院では孤児たちが冒険に出て得た成果が院の運営費となっている。そんな中、いつものように発掘をしていた主人公は、巨大生物に襲われた際何者かが発した光線に助けられる。その光線を出したのは少年型のロボットのようで・・。
亡き偉大な母が最深部に行ける資格を持っていたため自分もそうなりたいと望み、夢見がちなところもあるが前向きな主人公は、記憶がないが何かにつけて聡明な少年型のロボットをつれて資格以上の深いエリアに出る。主人公が立派な冒険家になりたい一方で少年のほうも記憶を取り戻し自分が何者なのか知りたいと思っているので持ちつ持たれつでバディを組む、という流れ。
牧歌的というか描き込みが多い絵本でも行けそうな絵柄とざっくりした筆致、少年少女達の冒険というシチュエーションも相まってわくわくする。世界観の作り込みも秀逸だしストーリーというかドラマのほうもいろいろと深く、仕掛けもある模様。

つくしあきひと
バンブーコミックス / 竹書房
ジャンル:青年・ファンタジー / 好み度:★★★★★
人類は衰退しました のんびりした報告
2017年07月21日 (金) | 編集 |


同名ラノベコミカライズ。といっても原作の世界観・登場人物を使ったアナザーストーリー的な内容。いやストーリー・・・はあるにはあるが、あの作品の世界観での登場人物のある日常を切り取ったようなショートストーリー集。
主人公のキャラデザは違うし本編にあるようなてんやわんやなこびとさん関連の事件もなく、地味にまったりとしたエピソードばかりで構成されている。
人類の緩やかな衰退とともに新人類たる小人さんがいる世界。世界全体がのんびりとした田舎という風情のまったりした世界。一見牧歌的だが端々に見せる旧文明の残骸が寂寥感というか退廃感を匂わせている。といっても原作と同じく決して昏くはない、ぽかぽか日向の縁側で茶をすする老人のようなまったりな雰囲気なのだが。
ストーリーとしては原作のほうが読み応えがあるのだが、作画といい作風といい作品の舞台設定にぴったりなのはこちらだなあと思ってしまう作品だった。紙の本では表紙が凝っている。


原作:田中ロミオ 漫画:見富拓哉
イッキコミックス全1巻 / 小学館
ジャンル:青年・コメディ / 好み度:★★★★★
ちょっと不思議な小宇宙 小田扉
2017年07月21日 (金) | 編集 |


独特の理論展開や創作ゲームで友人と楽しませる?女子、地球にじんわりと馴染むいかにもな宇宙人、マイペースおじいさんやある勤労男子の日常など、シュールですこし不思議な面々をほんわかまったりと描くショートショートギャグコメディ。
ちょっとナナメ角度で描くシュールというかショートショートっぽい短編集。平凡な日常の中で非日常な要素を目の端に捉えて二度見してしまうような感覚を味わえるタイトル。
突然!!まりちゃんシリーズは、いろんな事象を擬人化した絵でクイズにしたり思いついた疑問を唐突に切り出したりと、脈絡もなくいろんなことを始める女子まりちゃんとそれを喜んで受け入れつきあう女友達のやりとり。SFショートショートなオチがあったり、説得力があるようでハチャメチャな理論展開などが楽しめる。
トップオブザワールドは、いかにも鬼な風貌の男性の自分捜し的な半生っぽい話。
青シリーズは、なんとなくいつの間にか雑な擬態で人間社会に入った碧い色の宇宙人たちと人間達のSFチックだったり人情ものだったり、医者と患者のシュールコメディだったりなシリーズ。
夫婦ゲームは、ゲーマーの老夫婦の会話。レトロゲームあるあるなネタがいっぱい。
後は、ある青春・エアロ不良・スマホっ子・何系男子?・十徳鼻などが収録されている。
どの短編も妙に淡々としたノリで、かといって意外性だけを強調しておらずなんとなく主題がある構成なのがまた味わい深い。こういう作風は大好物。一言で述べるなら「よくできているお話」

小田扉
アクションコミックス全1巻 / 双葉社
ジャンル:青年・SF・コメディ / 好み度:★★★★★



仏像のまち 蒼木雅彦
2017年07月19日 (水) | 編集 |


天才的な仏師だった亡き父の影響で仏像の中の魂と会話できる男子高校生の元には、様々な仏像たちが頻繁にやってくるのだった。
主人公の男子高校生は、今は亡き仏師の父が掘った仏像たちに囲まれていたせいか、仏像としゃべることができる、という設定。正確には仏像の中の魂というか意識というか。父親も仏像と意思疎通ができていてあらゆる仏像たちと懇意だったのだが亡くなってさみしいので主人公のもとにやってきた、というはじまりの4コマコメディ。
仏そのものではなく、人が仏の姿を模して掘った像に宿った魂だからなのか、仏像たちのキャラはフリーダムというか俗物というか・・なかんじ。モデルの仏の特性は持ち合わせているようで、その特性を突き抜けた個性に変えているといえばいいのかな。
そんなぶっちゃけ騒々しい仏像様たちに囲まれ振り回される主人公。主人公は父の仕事ぷりが反面教師?になり堅実な道に進むため勉強に勤しみたいのだが仏像たちの茶茶入れで集中できないという構図が出来ている。
仏像になじみがある人には常識だけどなじみがない人のための仏像(というか仏様の種類というか分類というか)の蘊蓄がちゃんとあるところが個人的に良。
4コマ形式にすると若干ごちゃついた画面なのが気になるが(仏像の造形ってわりと細かいしね・・)読みにくくはない。テンションが高く一見無法地帯のようだが物語としての起承転結もきっちりされており質が高いと感じた。
他作品を引き合いに出すのはアレだが聖おにいさんが好きな人には楽しめるかと。

蒼木雅彦
コミックジーン全4巻 / メディアファクトリー
ジャンル:4コマ・コメディ / 好み度:★★★★☆