読んだ漫画の適当感想ブログ。現在2011年1月以降発行タイトル対象。
感想はブログにある記事以外にも、タイトル・作者順の目次のある本舎の漫画感想にも多数あります
亜人
2017年03月20日 (月) | 編集 |


17年前に不死の人間が確認され、以後十数人確認された未知の彼らは亜人と呼ばれるようになる。交通事故に遭うが生き返り自分が亜人と知った少年の逃避行が始まる。
亜人は死ぬ目にあうまでわからず、主人公の少年は交通事故に遭い、生き返ったことにより初めて自分が亜人と知る。亜人は政府機関に身柄を拘束されるようで、主人公はそれを拒み逃走することになる。いわゆる逃亡サスペンスで、逃げるうちに協力者も現れたり追っ手のほうも亜人専門が登場したり、話が逃亡だけにとどまらないスケールになっていく展開は王道かつ秀逸。
亜人が単なる死なない人間、でないところと、亜人を超人たらしめる存在が肝のよう。それは1巻表紙でなにげにわかる仕組み。逃亡劇ものはひやひやするので実のところ好みとは外れるのだがこちらはどう話が進むのか読まずにはいられない構成が良い。

原作:三浦追儺 漫画:桜井画門 (さくらいがもん
アフタヌーンKC / 講談社
ジャンル:青年・SFアクション / 好み度:★★★☆☆
明るいセカイ計画
2017年03月20日 (月) | 編集 |
2013-3


ギャルゲーのキャラを愛する眼鏡男子と眼鏡男子に強烈な執着と偏愛する幼馴染みの女子が通う学校に、少子化対策担当大臣補佐官を名乗る人物が現れる。補佐官は、日本の人口減少の解決策として夏休みの間に学内の人間と恋人になれ、恋人が出来なければ死を、と宣告する。
その宣告よりほとんどの生徒はカップルとなったが、死を脅されつつもかりそめでも恋人を作らなかった(作れなかった)男女9人は、補佐官により、ある閉鎖された屋敷に連れてこられるのだが。
恋人をつくらなかった生徒たちは、二次元オタの主人公、主人公にしか興味がないというか異様な執着愛を持つ幼馴染みの女子、多数の求愛を拒否した女子、金銭にしか興味のない女子、食い意地にしか興味のない男子、モテてそうで実は全然モテなかった男子など、癖のある面々ばかりであり、死が掛かっていても相手を作らないのには各々それなりに理由がある、というかんじ。
デッドオアラブ・ラブコメを加味したいわゆるデスゲームものなのだが、キャラが偏向しているせいかどこか他作品と雰囲気が違うかな。サブカルっぽいというかリアリティが薄い印象。そこが作品の特徴であり興味深くはあったのだが、1巻ラスト近くの展開でちょっとしっくりこない話になりそうな予感で続きが読みたいとまではいかなかった。突き抜けたキャラクター描写はけっこう見応えがあったんだけどね。仮面の補佐官のキャラも含めて。

原作:蒼木アキ 作画:出水高軌
ガンガンコミックスオンライン全3巻 / スクウェアエニックス
ジャンル:青年・サスペンスコメディ / 好み度:★★★☆☆
おかゆネコ 吉田戦車
2017年03月17日 (金) | 編集 |


独身一人暮らしの営業マンは、両親が託した?おかゆが得意なしゃべり猫と同居することになる。
独身一人暮らしの営業マンの主人公は仕事漬けで食生活が乱れて健康状態もよくはなかった。そんな息子を憂いた両親は、食生活改善のためおかゆを作るのが得意なツブを同居させることにした、というはじまり。
ツブはそのまんま猫。1年前に作品世界独自の病気・しゃべり病になっていた。しゃべり病とは人間の言葉を話せるだけでなく知能も人間並みになるという奇病。病というより進化っぽいけども。飼い猫と飼い主が意思疎通する漫画はわりとあるけどその設定に病を使っちゃう著者のセンスはやはりツボにはまる。
祖母仕込みのツブのおかゆ調理技術で主人公の食生活改善、が主軸のよう。著者独自のギャグ世界でおかゆに特化した料理漫画、といったところか。知識を披露、というより試行錯誤的な展開が多く一辺倒でない構成が面白い。
既作品と違い、本作品の軸であろうおかゆレシピは、好みはあるだろうが現実味があるものだった。というか著者自身実際作ってみたものばかりみたい。
ツブや主人公以外の登場人物たちは、一見普通のようで軸がズレてたり、美人だけど妖怪の域な女性もいたり、このあたりは著者の変わらぬ作風でどこかほっとする(笑)著者らしいナンセンスな設定や展開は健在ながら以前よりは落ち着いているというか読みやすくはなっている印象。私が著者の作品を読み慣れたからか年をとったからかもしれないが。
おかゆはダイエットにも使える面もあるみたいなので(普通にご飯を食べるより量が少なくて満足感があるから?)興味がある人にもおすすめかも。

ビッグスピリッツコミックス7巻 / 小学館
ジャンル:ギャグ・青年・グルメ / 好み度:★★★★★
おもいで停留所 池田邦彦
2017年03月03日 (金) | 編集 |


戦争が終わり数年経った昭和25年。戦争で父を亡くし中卒でバスの車掌をする少女の成長物語。
戦後から数年、人々の暮らしが徐々に活気を取り戻しつつもいまだ爪痕は残る時代の話。バスの車掌を仕事とする少女の視点から、戦争で家族を失った人、傷を持った人、様々な人々と彼女自身の暮らしや思うところが綴られていく。
主人公のある種の成長物語であり坦々と描かれるごく普通の人たちの日常の物語。読み物としてのドラマもきちんとあるが仰々しくはない。今では見られない当時の生活の描写も印象的だった。当時の人々の暮らしというのがなんとなく疑似体感できるような気がする秀作。
昔は路線バスでも車掌がいた、というのは知っていたけど仕事内容は初めて知った。戦争経験者は身近にいるがやっぱ自分の周囲のことしかわからんしね。今では当時を知る人もかなり減ってきてるんだろうし、このテの物語は貴重な気がするのだが。

ニチブンコミックス全1巻 / 日本文芸社
ジャンル:青年・ドラマ / 好み度:★★★☆☆
アンゴルモア 元寇合戦記 たかぎ七彦
2017年02月19日 (日) | 編集 |


罪人として対馬に流刑された元御家人は、その地で元寇と対峙することになる。
時は1274年。元御家人の青年は小舟で流刑地の島に運ばれる罪人の中にいた。元鎌倉武士の彼がその状況に置かれたのは負けた側についていて謀反人として殺されるところを島流しになったということのよう。で、悪天候がきっかけでその舟の中で罪人による反乱が起き、主人公がそれを収め、対馬にたどりつく、というはじまり。
島に着いてみれば手厚い歓迎、その後元(モンゴル軍)が攻めてくるので島の守りを固めるための兵力として囚人が連れてこられたということがわかる。いわゆる巻き込まれ型の戦争参加だが、当人は元々武士ゆえか、なんのかのと参加していくながれ。
舟の中で出会った因縁の人間とも出会っており、彼らから伝わる主人公の姿や成り立ちの描写の手法が巧い。歴史をただなぞらえず、エンタメとしての仕掛けもいろいろとあるようで興味深い作品。
題名のアンゴルモア は、モンゴルの語源が恐怖の大王の意味のアンゴルモアからきている、という俗説からのよう。元が中世欧州にも手を広げたところからきたのかな。

たかぎ七彦
角川コミックスエース / 角川書店
ジャンル:青年・歴史・活劇 / 好み度:★★★☆☆
兎が二匹 山うた
2017年02月07日 (火) | 編集 |


不老不死で死にたがりの女性のあがきと彼女を愛する男性とのこいものがたり。
古物・骨董の修復を生業とする女性の日課は自殺で同棲する青年の日課は自殺幇助。女性は不老不死でアラウンドフォーハンドレッドな年齢。青年は普通の人間で19歳。女性は過去の経験の辛い記憶から逃げたくて毎日死ぬことを望むがままならず、青年は女性にベタ惚れで本当はやりたくないけど彼女の望むまま幇助を行う。そんな中、女性は国の力を借りれば死ねるかもとテロの犯人と名乗り出る。場面は切り替わり一年後にヒロインは海岸に打ち上げられ、幸せになれと残した青年の様子を訪ねてみれば・・。
青年の状況を知った女性の場面の後、彼女の過去の出来事に焦点を当てた話になっていく。つまるところ彼女の死にたいほどに辛い記憶、ということなのだろう。
ざっくりした絵柄と切なく激しく慟哭したくなるような作風があいまって心に刻まれる内容だった。同じ時間を生きられない男女の話でありふたりのなれそめを見るに疑似家族ものであり生きるということが主題なのだろう。あとあの時代の広島の話でもあるようだ。ヒロインの表情がいちいち心に刺さる。せつなさでぎゅうってなる感覚も久方ぶりだ。
結末を先に描写しての過去話という構成はあまり好みではないしどう話を着地させるんだろうなあと思っていたら・・見事、というほかない。結末を読み手側にゆだねる手法はわりとあるがこの作品は秀逸だと感じた。題名は兎はさみしいと・・という俗説から来てるのか。

山うた
バンチコミックス全2巻 / 新潮社
ジャンル:青年・ドラマ / 好み度:★★★★★
LLLL 中てい
2017年02月04日 (土) | 編集 |


ランプを持たずに暗がりに行くと暗闇の精霊に魂を奪われるというランプ街にやってきた少女。彼女は好奇心から暗闇で灯を消したところ、暗闇の精霊とおぼしき青年が現れる。
ランプだらけの架空の街。というのも暗闇では明かりがないと暗闇の精霊に魂を奪われるという禁忌があるゆえにランプが必須だからだ。そんな街に住みランプ職人の兄の元にやってきた少女が主人公。彼女は好奇心から暗闇の中で灯を消し精霊とおぼしき青年と出会い、魂をとられそうになったところなんとか逃げ帰る。このことから主人公にランプを作るランプ屋になる素質あり、と兄の親方に認められ兄と同じくランプ屋になる修行を始めるという始まり。
で、件の精霊の青年が再び現れ主人公の魂を無邪気に求めてきて、という流れになる。主人公と精霊の青年の交流と暗闇とランプと魂の関係が描かれるファンタジー。話運びというか作風はファンタジー設定の少女漫画そのものなんだけど、なんとなく物語の骨格は絵本の「お話」ような印象を受ける。ハートフルとシビアさが良い具合にブレンドされているというべきか。
一巻完結もあってかいろいろ投げっぱなしな部分があるのは否めないが秀逸な舞台設定と柔らかな人物描写は見応えがある。

中てい
マッグガーデンコミックス アヴァルスシリーズ全1巻 / マッグガーデン
ジャンル:少女・ファンタジー / 好み度:★★★☆☆
一変世界 / 明治カナ子
2017年01月24日 (火) | 編集 |


その世界では、神の森の中心にある女神の神殿が信仰の中心であり、生活の中心であった。現在は神殿の長である大巫女がおらず、大巫女見習いの少女プーリョが修行を積んでいた。神殿の隠された真実、先代の大巫女の謎が絡んだダークファンタジー絵巻。
著者の魔法使いと弟子の話に近いなあと思った。魔法とか不思議現象が常にあるファンタジックな世界観だが、薄ら寒い展開や場面があるのも特徴。主人公は神殿の長である大巫女になるための修行中の見習いだが、なかなかに貫禄があるというか神殿の理をよく知っているかんじ。まあ適性というか素質が十二分にあるからなったっぽいのだが。
淡々と、現実では見られない現象や展開が続き、その中で物語の肝の部分が徐々にわかってくる構成。じっくり読むと味が出てくる作品というべきか。主人公が周囲に振り回されるタイプではないので彼女の付き人が驚く役どころみたい。なんというか訳知りの不可思議な人外?神?にぼーっとしてると足下を掬われちゃってそのまんま、なパターンがよくあって、虚を突かれた軽い衝撃が印象に残る。他にない不可思議な世界観の構築とキャラ設定が興味深い物語。

明治カナ子
バンチコミックス / 新潮社
ジャンル:青年・ファンタジー / 好み度:★★★★★