読んだ漫画の適当感想ブログ。現在2011年1月以降発行タイトル対象。
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この人類域のゼルフィー 塩野干支郎次
2017年03月30日 (木) | 編集 |


宇宙が統一された世界。お尋ね者の海賊として追われる少年の目的とは。本格スペースオペラストーリー。
宇宙が統一されているものの強者が大きな権力を持つ社会構成のよう。主人公の幼そうな少年は、お尋ね者。どうも少年は統一前の王国の王子で、彼を中心に新しい秩序を作るみたいなのが目的のよう。詰まるところ現状の世界を作り替えようとする革命の話、でいいのかな。小規模団体ではじめるテロという体だけども。
超シリアスな話、なんだけどあいかわらずの著者らしい砕けたノリやシーンも多々あり。この題材ならユーベルフラッドくらいの硬派さでいいと思うけどレーベル的にライトなノリが望まれていたのだろうか。いまどき珍しい本格スペ-スオペラなのでジャンルが好きな人には楽しめると思う。SF的舞台描写は秀逸。あとタイトルも妙に印象に残る文言で好み。


<しおのえとろうじ>塩野干支郎次
ヤングキングコミックス / 少年画報社
ジャンル:青年・SF / 好み度:★★★☆☆
監禁嬢 河野那歩也
2017年03月02日 (木) | 編集 |


男性は気がつくと見知らぬ女性に監禁されていた。女性は自分は誰だと男性に問う。平凡だった男性の日常は崩されていく。男性と男性を取り巻く女性たちによるサイコパスクライムサスペンス。
主人公であろう男性が冒頭から全裸にされ監禁された状態からはじまる。監禁したのは見知らぬ女性で、彼女は主人公を陵辱していき、自分が誰かわかるかと問う。男性は全く覚えがないのだが、女性が男性にとって誰なのかが物語の肝のよう。
主人公は教諭で、妻子が居る。主人公はその後、自分に好意を寄せるアグレッシブなタイプの女子生徒に、監禁状態から助けられるがその見返りとして関係を迫られるわ、自分を監禁した女性が自分の妻子と知り合い状態だわでしっちゃかめっちゃかというか、じわじわと退路を断たれた針のむしろ状態。謎の女性の狡猾かつ異様な行動も怖いが、自身が置かれた歪な状況からか主人公の心情のベクトルが危ない方向にズレてきているのも怖い。謎の女性以外の主人公の周囲の女性も突き抜けてるし。
オカルト的な要素が(たぶん)ないタイプのサスペンス構成も常軌を逸した人間描写のリアルさも秀逸。怖いけどどう話を収束させるのかとても気になる作品。物理的な監禁はわりとすぐ解けているけど精神面での監禁は続けてるからこの題名なのかな。関係ないけど謎の女性が時折見せる黒目が多い表情は青鬼を思い出す。


<こうのなほや>河野那歩也
アクションコミックス1~ / 双葉社
ジャンル:青年・サスペンス / 好み度:★★★☆☆
恋は人の外 南マキ
2017年02月07日 (火) | 編集 |


幼少期妖怪と出会いある約束を交わしていたヒロイン。しかし当の本人はそれを忘れており音沙汰のないヒロインにしびれを切らした妖怪はヒロインの前に現れる。妖怪は自分の名を呼ぶよう告げるが・・・。
ヒロインは強くなることを望み空手大会でも優勝するほど。そんな彼女が勝利の証を飾るのは病弱で入院中の兄弟。そんな彼女の前に妖怪の青年が現れる。実は、ヒロインは幼少期にある男子とある約束を交わしており、その男子が目の前の妖怪。ヒロインがその約束をすっかり忘れていたため音沙汰のない彼女にしびれを切らして自分からやってきたらしい。
ヒロインが自分に惚れきっていると思い込みそのまま押せ押せな妖怪と、その気はないし腕ずくでは反撃できるほど強いヒロインというバランスからはじまる。あと惚れているから喰らうという妖怪独特の恋愛観?が特徴の1つかな。
妖怪男子とヒロインのラブコメ、のようだが背景も展開も多分にシリアスが含まれている模様。このレーベルらしく異種族すれ違い恋愛だけにおわらないようだ。一巻目は二人の邂逅と双方の状況が馴染むまでが描かれており、2巻以降に双方のシリアスな背景や伏線が出てくる模様。絵は綺麗で人物描写も快活で読みやすい。

南マキ
花とゆめコミックス全3巻 / 白泉社
ジャンル:少女・ドラマ・ラブコメ / 好み度:★★★☆☆
クズの本懐 横槍メンゴ
2017年02月04日 (土) | 編集 |
Post DATE: 2017/02/04
価格:¥ 607
発売日:2013-02-19


学校でも有名な美男美女カップル。しかしそのカップルの男子も女子も別に思う相手がおり、それが叶わぬ者同士が依存しているようなものだった。ままならぬ、歪んだ情愛のただ中に身をおく青春群像劇。
傍目には他者がうらやむほどの美男美女カップルなのだが、実は両思いでなく他にいる片思いの相手の代替でしかないという状況の二人から物語ははじまる。ふたりのつきあう上での条件もシビアつーかやるせないつーか。後々、このふだりに限らず双方の思い人や関連する人物もなかなかに歪んだ心の内と行動が描写されていく。良くも悪くもドロドロ展開だが、気持ちが沈むから読みたくないタイプではなく、気持ちのいいものじゃないけどどう話が転ぶのか気になって仕方が無いタイプのお話。
包み隠さないというか綺麗事なんかなんぼのもんじゃ(古)ってかんじで赤裸々に、時にはせつなく時には情熱的に時には突き抜けた登場人物の心情描写が鮮烈に描かれている。題名通りに登場人物はほとんどクズと言っても過言ではないのだが同時にいとおしさを感じてしまうのだ。既作品でも思ったけど著者のキャラ描写は見事だよなあと思う。

<よこやりめんご>横槍 メンゴ
ビッグガンガンコミックス  / スクウェアコミックス
ジャンル:青年・青春・ドラマ / 好み度:★★★☆☆
ゴールデンカムイ 野田サトル
2017年01月20日 (金) | 編集 |


日露戦争直後。戦地で不死身と称された青年は、在る目的のために大金を求め北海道・小樽の山奥へ向かう。アイヌの少女をはじめとした出会い、北海道の驚異的な自然環境と死刑囚との対峙などを経て始まるアイヌの隠し埋蔵金を巡る冒険。

主人公は日露戦争で死線を越えた青年兵士。ある理由で大金を求めゴールドラッシュに沸いた北海道へ赴くも、現在は砂金もそうそうにとれなくなっていた。が、過去潤沢に金が採れたころにアイヌが日本人に対抗するための隠し埋蔵金があるという話を聞く。
で、ある一人の男がアイヌを殺してそれを奪い隠した後に捕まり、同房になった死刑囚の身体に埋蔵金の在りかを記した記号を入れ墨に掘ったという。主人公は、件の入れ墨を持つ人間を見つけその話に信憑性が出たところで熊と遭遇し自分を助けたアイヌの少女とともに近海を探す旅をするという展開に。
基本は宝探しというかトレジャー系の話。違う目的を持ち違う環境下で生きてきた主人公と少女のバディものな面、政府とか軍とか大きな組織とかも絡むハードボイルド的な面、北海道を部隊にしたサバイバルものな面と、多彩な要素が巧く組み込まれた構成で読み応えのある内容となっている。
ある意味、フィクションにあるあるな大仰な設定がちりばめられているが、これくらい突き抜けてこそこの種の物語は盛り上がりを見せるのだろう。うん、いろんな方面で度肝を抜かされる(笑)

<のださとる>野田サトル
ヤングジャンプコミックス / 集英社
ジャンル:青年・アクションドラマ / 好み度:★★★☆☆
この○○がエロい!シリーズ 金平守人
2017年01月05日 (木) | 編集 |


ちんのつく果物やお菓子、生ビールを頼む女性の言葉・地図など、ごく普通の事物や言葉や現象や形状や状況に対しエロスを感じるという研究発表を行うというコンセプトのエロネタ下ネタコメディオムニパス。
幼少期とかにこういう発想というかちょっと思ったことあるある的な内容だった。昭和の頃、漫画雑誌だったか子供が対象だけど週刊誌並みの下世話な書籍の読者投稿とかでこういう話題があったような気がする。
1エピソード数枚なのだがあいかわらずハイテンションなキャラによる解説など情報量がものすごくてみっちみちな内容。著者はこういう研究発表的な構成の話が巧いよなあ。
コスパの良さは確かにあるのだが、雑誌で読むのと違ってコミックスになるとちょっと疲れてしまうかも。じっくりゆっくりと読むことをおすすめします。

金平守人
この○○がエロい!! / 満腹!この○○がエロい!!
ヤングチャンピオンコミックス各1巻 / 秋田書店
小森さんは断れない! クール教信者
2016年12月30日 (金) | 編集 |


頼まれると断れない女子を主人公にした4コマ漫画。
題名通り、頼まれるとノーと言えない女子の4コマ。といっても頼まれたら断れずいやいや手伝う、ではなく頼りにされるとうれしいタイプのよう。様々な頼み事をこなすうちにスペックが高くなっているという設定。スペックの高いのに加え前に出ない性格はどことなくほっこりとする。
それだけでは話は回らないので主人公のふたりの友人はキャラがかなり立っている。友人たちとのやりとりが大半、キャラの魅力で話を動かす構成なのに退屈しない動かし方は秀逸だと感じる。

<くーるきょうしんじゃ>クール教信者
まんがタイムコミックス  / 芳文社
ジャンル:4コマ / 好み度:★★★★☆
火線上のハテルマ せきやてつじ
2016年11月28日 (月) | 編集 |


通り魔殺人犯と対峙したが自身は刺され被害者も出たことでほとぼりを冷ますため、ロサンゼルスに渡った警察官の日本人青年は、偶然遭遇したギャング抗争で父親を殺された少年を保護する。が危機に陥った彼らを助けたのはプロのガーディアンチームに所属する日本人波照間だった。

ある日本人青年がロスに渡る。彼は警察官なのだが、通り魔殺人犯と対峙したにも関わらず犯人を抑止できず自身は刺され、一般人が犠牲となってしまい、警察の幹部の父親たちからほとぼりを冷ますために渡米したという経緯。
警察官になった経緯や事件の悔恨などからぐるぐると停滞する青年は、町中で青年の事件を知る日本人青年・波照間猛と出会い、波照間に、羊のいる街ではないと告げられる。その後、偶然出くわした発砲事件で父親を殺された少年を保護することになったことから、波照間と再び出会い、その後主人公は波照間の所属するガーディアンチームに入ることに、という展開。
題名から波照間が主役なのかなと思ったが、警官青年のある種の物語であり、戦闘に関しては心身ともに「羊」の警官の青年の視点から波照間を描くのが主題なのかなと想像。序盤は少々読みづらかったが波照間が何者か、なぜ主人公を助けたのか(関わろうとしたのか)がぼんやりとわかってくるとだんだんと面白くなっていった。
アクション描写は秀逸だが人間描写は少々くどい印象。闇社会においてのリアルなやるせない要素が苦手でなければ読み応えはありそう。

せきやてつじ
ビッグコミックス / 小学館
ジャンル:青年・ハードボイルド・アクション / 好み度:★★★☆☆