読んだ漫画の適当感想ブログ。現在2011年1月以降発行タイトル対象。
感想はブログにある記事以外にも、タイトル・作者順の目次のある本舎の漫画感想にも多数あります
ギンダラとキンメダイ 渡辺伊織
2017年06月19日 (月) | 編集 |


美人で人当たりもよく成績優秀で人気者の姉と地味で成績もいまいちな妹。家では転じて共稼ぎの両親に変わり家事全般をこなす妹と家事下手な姉。そんな姉妹と彼女らの幼馴染み男子をはじめとした面々が織りなす日常コメディ4コマ。
姉妹だが全くベクトルが違うキャラ設定をきっちりエピソードに組み込みソツのない仕上がりのほのぼのコメディ。
こういう設定だと妹がわりを喰っちゃう系かなと思ったけどそうでもなかった。鉄板として妹が姉をうらやむエピソードや姉のファンの女子がめんどくさかったりとかある一方で、おっとり天然気質な姉は妹が大好きで頼りにしていて妹の悪口を言う人間には秘かに制裁というところとか、幼馴染み男子は妹が好きとか、という設定もあり、バランスがとれているところが良かった。なにより姉妹の仲の良さがほっこりする。

渡辺伊織
バンブーコミックス4コマセレクション / 竹書房
ジャンル:4コマ・コメディ / 好み度:★★★★☆
かすみたなびく ラズウェル細木
2017年06月16日 (金) | 編集 |
かすみたなびく 1
ラズウェル細木
2012-6



酒のほそ道の主人公の彼女の女性ひとり酒にまつわる様々な出来事や出会いを描いたスピンオフシリーズ。
酒のほそ道はちらっとしか見たことがないので本編では主人公の女性がどのようなキャラなのかわからないまま読了。
年頃の成年女性のひとり酒を描いたグルメもの、でいいのかな。女性ひとり呑みの話は興味をそそったのだが、著者が男性だからなのか、正味リアルな女性のお酒事情なのか、ヒロインがたいへんにめんどくさいキャラとして描かれているように感じた。
グルメものといってもうまい酒と肴を出す店に出会って舌鼓、というシンプルな内容ではない。ヒロインはお酒自体を愛するのではなくお酒を通しての他者とのコミュニケーションも重要視するタイプっぽい。
自分に合いそうな店選びにおいての条件の多さ、客や店主など呑み屋で出会う男性の感想・・と酒と肴以外の呑むときの環境の注文が多すぎる。いや実際の所、確かに女性一人呑みならではの注意すべき点ではあるのだ、あるのだが・・どうにももやもやしてしまう。店主はいけすかないが料理が良くて評価が上がる、飲んべえ扱いにされたくはないが持ち上げられるのもいや、といった幅の狭い微妙なマイルールというか好みのライン。特定の女性が言いそうな、面倒くさい部分を如実に出しているところがひっかかる。
まあ読者層を慮ればこっちのほうがウケるのかな。

ニチブンコミックス 全2巻/ 日本文芸社
ジャンル:青年・グルメ / 好み度:★★★☆☆
この果実は誰のもの 仙石寛子
2017年06月10日 (土) | 編集 |


野球部員の男子が告白した女子の前の恋の相手は先輩の女子生徒だった。表題作ほか12の短編を収録したセンシティブな恋愛模様を描いた四コマ短編集。
表題作のほかにはうなじ・その未来に花・ぜひ、今年の抱負に・桜の頃あなたは・ハルハル卒業・僕と君と・私のいい子達・今度、はまたいつか・明るい恋の花・お嫁さん欲しい・三日月の蜜特別編・この果実は誰のもの特別編を収録。
表題作は、野球部員男子が合唱部の女子に告白をし、玉砕覚悟だったが予想に反しOKをもらう。しかし彼女の理由は男子に好意があるからではなく、前の恋の相手だった先輩と違う性別ならうまくいくかもしれないというものだった。
男子のOKの理由の複雑な心境と彼女への恋慕で揺れ動き、彼女もまた男子への気持ちの変化と心にいまだ残る先輩の存在に揺れ、先輩は先輩で彼女に対しすっぱり切れてないみたいな・・という、もやもやっとした関係性が主軸。ドロドロってより水面をいたずらに揺らして、落ち着きだしたらまた揺らすみたいなどこか生ぬるい雰囲気が印象的。
著者の作品では心情がゆらゆら揺れすぎてつかみ所がないキャラが多いがこちらもそんなかんじ。他作品よりはわりとはっきりした結末だと思うが。
短編のほうはほんとに多種多様。個人的にはアラビア風世界観で、教え子の少年の口説き文句にときめいちゃう家庭教師の女性が良かった。口が達者な上よどみのないまっすぐな感情から出る言葉にはメロメロ(古語)にならざるを得ないでしょう(笑)

仙石寛子
まんがタイムコミックス全1巻 / 芳文社
ジャンル:四コマ・恋愛 / 好み度:★★★★☆
怪談イズデッド 飯島しんごう
2017年04月26日 (水) | 編集 |


時代の流れと共に「学校の七不思議」が語られなくなり、その存在の維持が危うくなってきた七不思議の妖怪達の生存戦略を描いたコメディ。

深夜のとある市立小学校の会議室では学校の七不思議に登場する妖怪達による話し合いが続けられていた。テケテケ、トイレの花子さん、人体模型、二宮金次郎像、プールの幽霊、骸骨模型、ヒキコさん。現代の子供達の間では七不思議は語られることが少なくなり、語られなくなった怪談の妖怪は存在が維持できず消えてしまう。自身の存在を護るためいろいろと画策するのだが・・というはじまり。
昭和の頃と違う世知辛い世相、こどもたちの七不思議に対する興味の薄さとこどもの日常にあるあるな残酷さと世間の世知辛さがの描写がいろんな意味でリアルで風刺が効いている。また妖怪達の生存戦略もてんでバラバラ、エロスの欲求に邁進してコントのようなオチをつける妖怪、幼女設定なのにスレた女性な妖怪、純真で妙に艶っぽいのが仇になる妖怪、己の置かれた状況に嗜好のベクトルが迷走する妖怪、性善説を説いたのに早々にリタイヤを余儀なくされた妖怪・・・。
生存戦略の案を出し行動するも失敗する結末しかないグダグダっぷりとやりとりが主軸に描かれる。妖怪って集団が似合わない個性の塊みたいなもんだからこの設定は絶妙だなと感心するし、キャラの作り方が秀逸。

飯島しんごう
アフタヌーンコミックス / 講談社
ジャンル:青年・コメディ / 好み度:★★★★☆
キミと話がしたいのだ。 オザキミカ
2017年04月23日 (日) | 編集 |
キミと話がしたいのだ。
オザキミカ
2012-03-16



猫の言葉がわかる青年・しんのすけさんと彼と同居する猫のくまを中心とした、ほのぼの日常ショートストーリー。
猫と人間が言語による意思疎通が出来る、という設定は猫側が人語を理解できるパターンが多いように思うが、こちらは人間の主人公が猫と意思疎通できるという設定。ちょっとめずらしいかも。
話自体は猫と人間による日常ほのぼの漫画。猫と飼い主というより同居する相手同士といった関係ぽい雰囲気がある。まあ主人公が猫を扶養してるけど。もうひとりの主人公の猫の口調が丁寧なのもある意味新鮮。
主役のふたりの話以外では猫同士のエピソードや、主人公のような猫と意思疎通できる人間がほぼいない設定を上手く活かしたエピソードもあり。
すっきりとした素朴な絵柄も主題とあっていて読みやすく、アップダウンがほとんどない至って平和な日常が描かれていくのだがものすごく和む。1エピソードあたりの頁数がいい案配なのも読みやすい要因なのかも。とにかく癒やされます。はい。

オザキミカ / イーストプレス1~巻
ジャンル:青年・日常コメディ / 好み度:★★★★☆
きょうの思春期 こだくさん
2017年04月12日 (水) | 編集 |


女子中学生たちのちょっと、いやかなりへんてこな日常を学級日誌スタイルで描いたギャグ漫画。
一條マサヒデの原作ギャグコメディ。作画はいぬぶろというひと。美少女漫画界隈では有名なひとらしい。確かに可愛いし表現力は高い。原作者のカラー健在、言葉をネタにしたちょいエロ系ギャグ展開が延々と続く。ネタと作画担当の作風がきっちりはまった印象をうけ、とても楽しく読める。一歩間違うと寒い駄洒落、異口同音を巧みに活かしたネタ、言葉のあやを現実に行うという滑稽さ。見事です。
大体1ネタ1~2ページの手軽さも気楽で良い。1ネタは短いが大体数シリーズに分けられており、ベクトルのずれた優等生、球拾い部(笑)、誤解されているがピュアな不良、恋愛に迷走する数学教諭などがある。個人的には球拾い部の話が一番好きかな。数学教諭の話は・・いろんな意味で辛い;;
学級日誌スタイルということで、上部のタイトルを入れる部分にエピソードの主役(もしくは登場人物)の氏名と「今日の目標」欄にあるキャラのコメントが、縦欄外には登場人物紹介もちょこちょこあり、どちらもなにげに奥深い。隅から隅まできっちり読むとかなり長く楽しめる構成だと思う。ばかばかしい展開がお好きな人向け。

こだくさん
イブニングKC全3巻 / 講談社
ジャンル:青年・ギャグ / 好み度:★★★★★
極黒のブリュンヒルデ 岡本倫
2017年04月10日 (月) | 編集 |


幼少時、事故で死なせた幼馴染みが忘れられず、彼女との約束のため天文部に在籍し宇宙人を探している男子高校生。彼のクラスに幼馴染みとうり二つの少女が転入してくる。浮き世離れした彼女にはある秘密があった。純愛とSFのダークファンタジー活劇。
主人公の少年が、心の大半を占める亡き幼馴染みと同じ顔の少女と出会ったことから話がはじまる。少女の秘密とは秘密裏の研究機関による超常能力の保持と、特定の薬を飲み続けなければ身体の維持ができないということで、どうも少女のほかにもうひとりの少女はその機関から逃げてきた模様。
著者らしい重い設定を背景にしたボーイミーッガールから始まる物語。生き延びる難易度がかなり高い設定と展開でせつなすぎるが、なんというか悲壮感が既作品より若干軽めな気がして読みやすい印象。既作品にくらべライトなノリが比較的多めだったからだろうか。いや・・しかしやっぱりヘビーだよね。薬飲まないと溶けるとか爆弾埋め込まれてたりとか。今後次々とサブヒロイン的な立ち位置の刺客が出てきて各々の物語における役割を担っていくんだろうか。やっぱエルフェンリートと似た感じの話みたいだなあ。限られた時間を謳歌したい少女というシチュエーションとか。今作品の主人公はなにかしら特異なものを持っているようではあるが。

岡本倫
ヤングジャンプコミックス全18巻
ジャンル:青年・SF・ドラマ / 好み度:★★★☆☆
この人類域のゼルフィー 塩野干支郎次
2017年03月30日 (木) | 編集 |


宇宙が統一された世界。お尋ね者の海賊として追われる少年の目的とは。本格スペースオペラストーリー。
宇宙が統一されているものの強者が大きな権力を持つ社会構成のよう。主人公の幼そうな少年は、お尋ね者。どうも少年は統一前の王国の王子で、彼を中心に新しい秩序を作るみたいなのが目的のよう。詰まるところ現状の世界を作り替えようとする革命の話、でいいのかな。小規模団体ではじめるテロという体だけども。
超シリアスな話、なんだけどあいかわらずの著者らしい砕けたノリやシーンも多々あり。この題材ならユーベルフラッドくらいの硬派さでいいと思うけどレーベル的にライトなノリが望まれていたのだろうか。いまどき珍しい本格スペ-スオペラなのでジャンルが好きな人には楽しめると思う。SF的舞台描写は秀逸。あとタイトルも妙に印象に残る文言で好み。


<しおのえとろうじ>塩野干支郎次
ヤングキングコミックス / 少年画報社
ジャンル:青年・SF / 好み度:★★★☆☆