読んだ漫画の適当感想ブログ。現在2011年1月以降発行タイトル対象。
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怪談イズデッド 飯島しんごう
2017年04月26日 (水) | 編集 |


時代の流れと共に「学校の七不思議」が語られなくなり、その存在の維持が危うくなってきた七不思議の妖怪達の生存戦略を描いたコメディ。

深夜のとある市立小学校の会議室では学校の七不思議に登場する妖怪達による話し合いが続けられていた。テケテケ、トイレの花子さん、人体模型、二宮金次郎像、プールの幽霊、骸骨模型、ヒキコさん。現代の子供達の間では七不思議は語られることが少なくなり、語られなくなった怪談の妖怪は存在が維持できず消えてしまう。自身の存在を護るためいろいろと画策するのだが・・というはじまり。
昭和の頃と違う世知辛い世相、こどもたちの七不思議に対する興味の薄さとこどもの日常にあるあるな残酷さと世間の世知辛さがの描写がいろんな意味でリアルで風刺が効いている。また妖怪達の生存戦略もてんでバラバラ、エロスの欲求に邁進してコントのようなオチをつける妖怪、幼女設定なのにスレた女性な妖怪、純真で妙に艶っぽいのが仇になる妖怪、己の置かれた状況に嗜好のベクトルが迷走する妖怪、性善説を説いたのに早々にリタイヤを余儀なくされた妖怪・・・。
生存戦略の案を出し行動するも失敗する結末しかないグダグダっぷりとやりとりが主軸に描かれる。妖怪って集団が似合わない個性の塊みたいなもんだからこの設定は絶妙だなと感心するし、キャラの作り方が秀逸。

飯島しんごう
アフタヌーンコミックス / 講談社
ジャンル:青年・コメディ / 好み度:★★★★☆
キミと話がしたいのだ。 オザキミカ
2017年04月23日 (日) | 編集 |
キミと話がしたいのだ。
オザキミカ
2012-03-16



猫の言葉がわかる青年・しんのすけさんと彼と同居する猫のくまを中心とした、ほのぼの日常ショートストーリー。
猫と人間が言語による意思疎通が出来る、という設定は猫側が人語を理解できるパターンが多いように思うが、こちらは人間の主人公が猫と意思疎通できるという設定。ちょっとめずらしいかも。
話自体は猫と人間による日常ほのぼの漫画。猫と飼い主というより同居する相手同士といった関係ぽい雰囲気がある。まあ主人公が猫を扶養してるけど。もうひとりの主人公の猫の口調が丁寧なのもある意味新鮮。
主役のふたりの話以外では猫同士のエピソードや、主人公のような猫と意思疎通できる人間がほぼいない設定を上手く活かしたエピソードもあり。
すっきりとした素朴な絵柄も主題とあっていて読みやすく、アップダウンがほとんどない至って平和な日常が描かれていくのだがものすごく和む。1エピソードあたりの頁数がいい案配なのも読みやすい要因なのかも。とにかく癒やされます。はい。

オザキミカ / イーストプレス1~巻
ジャンル:青年・日常コメディ / 好み度:★★★★☆
きょうの思春期 こだくさん
2017年04月12日 (水) | 編集 |


女子中学生たちのちょっと、いやかなりへんてこな日常を学級日誌スタイルで描いたギャグ漫画。
一條マサヒデの原作ギャグコメディ。作画はいぬぶろというひと。美少女漫画界隈では有名なひとらしい。確かに可愛いし表現力は高い。原作者のカラー健在、言葉をネタにしたちょいエロ系ギャグ展開が延々と続く。ネタと作画担当の作風がきっちりはまった印象をうけ、とても楽しく読める。一歩間違うと寒い駄洒落、異口同音を巧みに活かしたネタ、言葉のあやを現実に行うという滑稽さ。見事です。
大体1ネタ1~2ページの手軽さも気楽で良い。1ネタは短いが大体数シリーズに分けられており、ベクトルのずれた優等生、球拾い部(笑)、誤解されているがピュアな不良、恋愛に迷走する数学教諭などがある。個人的には球拾い部の話が一番好きかな。数学教諭の話は・・いろんな意味で辛い;;
学級日誌スタイルということで、上部のタイトルを入れる部分にエピソードの主役(もしくは登場人物)の氏名と「今日の目標」欄にあるキャラのコメントが、縦欄外には登場人物紹介もちょこちょこあり、どちらもなにげに奥深い。隅から隅まできっちり読むとかなり長く楽しめる構成だと思う。ばかばかしい展開がお好きな人向け。

こだくさん
イブニングKC全3巻 / 講談社
ジャンル:青年・ギャグ / 好み度:★★★★★
極黒のブリュンヒルデ 岡本倫
2017年04月10日 (月) | 編集 |


幼少時、事故で死なせた幼馴染みが忘れられず、彼女との約束のため天文部に在籍し宇宙人を探している男子高校生。彼のクラスに幼馴染みとうり二つの少女が転入してくる。浮き世離れした彼女にはある秘密があった。純愛とSFのダークファンタジー活劇。
主人公の少年が、心の大半を占める亡き幼馴染みと同じ顔の少女と出会ったことから話がはじまる。少女の秘密とは秘密裏の研究機関による超常能力の保持と、特定の薬を飲み続けなければ身体の維持ができないということで、どうも少女のほかにもうひとりの少女はその機関から逃げてきた模様。
著者らしい重い設定を背景にしたボーイミーッガールから始まる物語。生き延びる難易度がかなり高い設定と展開でせつなすぎるが、なんというか悲壮感が既作品より若干軽めな気がして読みやすい印象。既作品にくらべライトなノリが比較的多めだったからだろうか。いや・・しかしやっぱりヘビーだよね。薬飲まないと溶けるとか爆弾埋め込まれてたりとか。今後次々とサブヒロイン的な立ち位置の刺客が出てきて各々の物語における役割を担っていくんだろうか。やっぱエルフェンリートと似た感じの話みたいだなあ。限られた時間を謳歌したい少女というシチュエーションとか。今作品の主人公はなにかしら特異なものを持っているようではあるが。

岡本倫
ヤングジャンプコミックス全18巻
ジャンル:青年・SF・ドラマ / 好み度:★★★☆☆
この人類域のゼルフィー 塩野干支郎次
2017年03月30日 (木) | 編集 |


宇宙が統一された世界。お尋ね者の海賊として追われる少年の目的とは。本格スペースオペラストーリー。
宇宙が統一されているものの強者が大きな権力を持つ社会構成のよう。主人公の幼そうな少年は、お尋ね者。どうも少年は統一前の王国の王子で、彼を中心に新しい秩序を作るみたいなのが目的のよう。詰まるところ現状の世界を作り替えようとする革命の話、でいいのかな。小規模団体ではじめるテロという体だけども。
超シリアスな話、なんだけどあいかわらずの著者らしい砕けたノリやシーンも多々あり。この題材ならユーベルフラッドくらいの硬派さでいいと思うけどレーベル的にライトなノリが望まれていたのだろうか。いまどき珍しい本格スペ-スオペラなのでジャンルが好きな人には楽しめると思う。SF的舞台描写は秀逸。あとタイトルも妙に印象に残る文言で好み。


<しおのえとろうじ>塩野干支郎次
ヤングキングコミックス / 少年画報社
ジャンル:青年・SF / 好み度:★★★☆☆
監禁嬢 河野那歩也
2017年03月02日 (木) | 編集 |


男性は気がつくと見知らぬ女性に監禁されていた。女性は自分は誰だと男性に問う。平凡だった男性の日常は崩されていく。男性と男性を取り巻く女性たちによるサイコパスクライムサスペンス。
主人公であろう男性が冒頭から全裸にされ監禁された状態からはじまる。監禁したのは見知らぬ女性で、彼女は主人公を陵辱していき、自分が誰かわかるかと問う。男性は全く覚えがないのだが、女性が男性にとって誰なのかが物語の肝のよう。
主人公は教諭で、妻子が居る。主人公はその後、自分に好意を寄せるアグレッシブなタイプの女子生徒に、監禁状態から助けられるがその見返りとして関係を迫られるわ、自分を監禁した女性が自分の妻子と知り合い状態だわでしっちゃかめっちゃかというか、じわじわと退路を断たれた針のむしろ状態。謎の女性の狡猾かつ異様な行動も怖いが、自身が置かれた歪な状況からか主人公の心情のベクトルが危ない方向にズレてきているのも怖い。謎の女性以外の主人公の周囲の女性も突き抜けてるし。
オカルト的な要素が(たぶん)ないタイプのサスペンス構成も常軌を逸した人間描写のリアルさも秀逸。怖いけどどう話を収束させるのかとても気になる作品。物理的な監禁はわりとすぐ解けているけど精神面での監禁は続けてるからこの題名なのかな。関係ないけど謎の女性が時折見せる黒目が多い表情は青鬼を思い出す。


<こうのなほや>河野那歩也
アクションコミックス1~ / 双葉社
ジャンル:青年・サスペンス / 好み度:★★★☆☆
恋は人の外 南マキ
2017年02月07日 (火) | 編集 |


幼少期妖怪と出会いある約束を交わしていたヒロイン。しかし当の本人はそれを忘れており音沙汰のないヒロインにしびれを切らした妖怪はヒロインの前に現れる。妖怪は自分の名を呼ぶよう告げるが・・・。
ヒロインは強くなることを望み空手大会でも優勝するほど。そんな彼女が勝利の証を飾るのは病弱で入院中の兄弟。そんな彼女の前に妖怪の青年が現れる。実は、ヒロインは幼少期にある男子とある約束を交わしており、その男子が目の前の妖怪。ヒロインがその約束をすっかり忘れていたため音沙汰のない彼女にしびれを切らして自分からやってきたらしい。
ヒロインが自分に惚れきっていると思い込みそのまま押せ押せな妖怪と、その気はないし腕ずくでは反撃できるほど強いヒロインというバランスからはじまる。あと惚れているから喰らうという妖怪独特の恋愛観?が特徴の1つかな。
妖怪男子とヒロインのラブコメ、のようだが背景も展開も多分にシリアスが含まれている模様。このレーベルらしく異種族すれ違い恋愛だけにおわらないようだ。一巻目は二人の邂逅と双方の状況が馴染むまでが描かれており、2巻以降に双方のシリアスな背景や伏線が出てくる模様。絵は綺麗で人物描写も快活で読みやすい。

南マキ
花とゆめコミックス全3巻 / 白泉社
ジャンル:少女・ドラマ・ラブコメ / 好み度:★★★☆☆
クズの本懐 横槍メンゴ
2017年02月04日 (土) | 編集 |
Post DATE: 2017/02/04
価格:¥ 607
発売日:2013-02-19


学校でも有名な美男美女カップル。しかしそのカップルの男子も女子も別に思う相手がおり、それが叶わぬ者同士が依存しているようなものだった。ままならぬ、歪んだ情愛のただ中に身をおく青春群像劇。
傍目には他者がうらやむほどの美男美女カップルなのだが、実は両思いでなく他にいる片思いの相手の代替でしかないという状況の二人から物語ははじまる。ふたりのつきあう上での条件もシビアつーかやるせないつーか。後々、このふだりに限らず双方の思い人や関連する人物もなかなかに歪んだ心の内と行動が描写されていく。良くも悪くもドロドロ展開だが、気持ちが沈むから読みたくないタイプではなく、気持ちのいいものじゃないけどどう話が転ぶのか気になって仕方が無いタイプのお話。
包み隠さないというか綺麗事なんかなんぼのもんじゃ(古)ってかんじで赤裸々に、時にはせつなく時には情熱的に時には突き抜けた登場人物の心情描写が鮮烈に描かれている。題名通りに登場人物はほとんどクズと言っても過言ではないのだが同時にいとおしさを感じてしまうのだ。既作品でも思ったけど著者のキャラ描写は見事だよなあと思う。

<よこやりめんご>横槍 メンゴ
ビッグガンガンコミックス  / スクウェアコミックス
ジャンル:青年・青春・ドラマ / 好み度:★★★☆☆