読んだ漫画の適当感想ブログ。現在2011年~2016年発行タイトル対象。
2010年以前発行分の感想は本舎の漫画感想に、2017年以降分は漫画感想2017~にあります。
サイレーン 
2017年09月19日 (火) | 編集 |


県警の機動捜査隊に所属する男性刑事と女性刑事のコンビは、仕事上の相棒であり、公言していないが恋人同士。そんな彼女らは、担当する事件の変死体発見現場で、ある美人と出会う。以来その美人は何かしら二人の周囲に現れるようになるのだが・・。
機動捜査隊というのはあらゆる事件の初動捜査を行う部署らしい。恋人同士であり仕事の相棒でもある二人が関わる事件のオムニバス形式かと思ったら、1つの事件をじっくり描く構成だった。
物語の始まりとなる変死体の事件がきっかけで出会う美女の奇妙さ、そして後々読み手からは犯人がわかり、刑事側と犯人側両方の視点で物語が紡がれていく。男性刑事の視点、女性刑事の視点、犯人とその周辺の視点と客観的視点が折り重なる。刑事ふたりは犯人にたどり着けるのか、犯人はどう仕掛けるか、が見所なのかな。犯人側の意図が不明瞭で、展開の先が見えるようで見えないところが興味深かった。

山崎紗也夏
モーニングコミックス全7巻 / 講談社
ジャンル:青年・ミステリ / 好み度:★★★☆☆
斉木楠雄のサイ難 麻生周一
2017年09月13日 (水) | 編集 |


生まれながらに多彩な超能力を使える男子高校生は、その能力を隠し平凡に生活することに注進していた。が、周囲の個性豊かな面々によるもの、そしてその万能能力ゆえのトラブルも発生し、そのたびに能力を使って火消しをする日常を描いたドタバタ学園コメディ。
幼少期より多彩な超能力を開花させた男子高校生が主人公。両親はお花畑なのんき人間ゆえ大仰な状況にもならずごく普通の人生を送ってきたが、それにはそうであろうとする主人公当人のそれなりの苦労もあった。
チート並の能力を持つがゆえに周囲の裏や降りかかるトラブルを超能力でなんとか回避する、という展開が多い。
主人公が一人で考え状況に対応する様はある意味超能力者の孤独な戦いとも言えるが、内容はSF設定を加味したドタバタ学園コメディ。
基本クールキャラなはずだがけっこう抜けている主人公と、いろんな方面と意味合いで個性が強すぎる周囲の不協和音が面白い。主人公自身は放っておいて欲しいのだが空気が読めず各々の思うままに主人公に絡んでくるパターン。主人公の長文なツッコミと、主人公の周囲の対応がスムーズにいかないドタバタ展開が見所。エピソードの手数も多い。
主人公の頭についているギャグにしか見えないアレをはじめとして、無茶なギャグのようでそれなりに説得力のある設定をつけているところが好みだった。

麻生周一
ジャンプコミックス / 集英社
ジャンル:少年・コメディ / 好み度:★★★☆☆
城下町のダンデライオン 春日歩
2017年09月05日 (火) | 編集 |


特殊能力を持つ王家9人きょうだいの生活は200以上の監視カメラによって全国放送され、総選挙で次期国王が決定する。異色の大家族王室日常ドタバタ4コマ漫画。
現代社会の日本ぽいとある王政の国。その王家は9人の王子・王女がおり、各々超能力を持っている。現国王の意向から家族は庶民的な家に家族が住み、一般市民と同じ暮らしをしている。そして王室家族の生活圏内には200以上の監視カメラがつきその画像は全国放送され、兄弟達の暮らしぶりを見た国民が総選挙で次期国王が決定するという。
定期的に王族の暮らしを放送し中間順位を出すという皇室アルバムと米国の大統領選挙を足したような状況設定。
1巻目は三女の視点で始まる。彼女は極度の恥ずかしがり屋でカメラ位置を把握し極力画に映らないようにしているが裏目に出ることしばし・・みたいなかんじ。他の兄弟たちも各々の周囲や生活や選挙について思うところとか能力関連のエピソードが展開される。選挙というか王位争奪戦みたいな状況だがきょうだいたちの仲は悪くなく、ごく普通の兄弟関係といったかんじ。人数が多いとやっぱり仲の良い同士の兄弟と交流が薄い兄弟はあるようだが。
初見では、超能力と王族と大家族と王位争奪戦という組み合わせの意外さに驚いた作品。
設定だけ見るとごった煮すぎてどういう構成になるのか身構えてしまったが、思ったより読みやすかった。兄弟の多さには混乱するかとも思ったが各々の個性をしっかり分けているので混乱が少なく魅力を感じた。
ただ文化・生活様式がまんま日本なのに、本宅のお城や城内の雰囲気が西欧風でちょっとだけ違和感を覚えた。
ドタバタコメディと萌えとシリアスの配分が良い。

春日歩
まんがタイムKRコミックス / 芳文社
ジャンル:4コマ・コメディ / 好み度:★★★★☆
JUKE BOX 設楽清人作品集
2017年08月27日 (日) | 編集 |


ニコニコ・シーサー・杏とロイド・ドス・コイ・メガノッコ・タケトリオを収録した熱いアクションドラマ作品集。
ニコニコ・シーサーは、沖縄の守り神シーサーの擬人化&SF設定の熱いドラマと宇宙人相手のバトルアクション。少女とダメシーサーの疑似家族ものでもあるのか。
杏とロイドはアンドロイドと人間のコンビによるSF宇宙刑事アクションもの・・でいいのかな。コンビと因縁のある犯罪者との対峙と最後のオチの構成が巧い!
ドス・コイは相撲部の漢の話。自分の利よりも好きな相手のために動く男の中の男。しびれるっす。
メガノッコは、臆病者の眼鏡娘が、父の危機に際し奮い立つ。裏組織の暗躍と囚われた父親、父に託された眼鏡で半泣きになりながらも父を探すヒロイン。臆病者ゆえの危機回避能力を活かす設定や、敵とヒロイン側の関係の対比、眼鏡などのSF設定が秀逸。物語の主題は家族の絆、かな。最後のオチもよく効いている。涙とシリアスとコメディのノリはちょっとアメコミっぽい気もする。収録作の中で唯一の中編。
タケトリオは竹取物語SFアクションバージョン。姫の連れ戻し役は姫の幼馴染みの青年二人。舞台背景とか青年二人と姫のやりとりが印象的。姫のキャラ設定にちょっと笑った。軽快かつドラマチック。
どの話も疑似も含めて家族の絆を主としたドラマと熱いバトルアクションが融合した内容。ある種の人情ものを彷彿とさせる熱さは苦手なジャンルのはずだがこちらはじんわりと心に染みて読ませる。線が多めで見栄えのある高品質の作画によるアクションやキャラ描写は秀逸。

設楽清人
ビームコミックスハルタ全1巻 / エンターブレイン
ジャンル:青年・ドラマ・アクション / 好み度:★★★☆☆
小惑星に挑む あさりよしとお
2017年08月24日 (木) | 編集 |
小惑星に挑む (楽園コミックス)
あさりよしとお
2013-8



太陽系にやってきた異星探索調査を担うふたりの異星人は、第三惑星と交信した形跡のある小惑星の無人探査機の動向を見守ることにする、という体で描かれるサイエンス漫画。
著者のお家芸?宇宙科学を丁寧にレクチャーする内容。学習漫画・まんがサイエンスのテイストに近い。表紙を飾る、体長が地球人より小さい異星探索調査のために太陽系にやってきて無人探査機を発見した異星人の会話によって、地球から出発した無人探査機の役割と道中のトラブルや動向が説明される。
ってまあ明記してないけど話題になった「はやぶさ」の旅の顛末をフィクションぽく描く話。おそらくは膨大な知識と資料をもって要点をわかりやすくかみ砕いて凝縮した内容なんだろうなと思う。冒頭の、地球よりも遙かに文明が発達した異星人ふたりが宇宙の探索を行う意義についての会話はなんか深い。

あさりよしとお
楽園コミックス全1巻 / 白泉社
ジャンル:サイエンス・女性 / 好み度:★★★★★
桜色フレンズ 
2017年08月23日 (水) | 編集 |


父親が借金を残し失踪、残された家族3人は父親の馴染みだった金持ちに借金肩代わりの代わりに引きこもりの娘の友人になってくれと言われる。不幸少年とコミュ障女子をはじめとしたちょっとしょっぱい青春4コマ。
母は早逝、一男三女の家庭の長男が主人公。父は借金を残し家の有り金もかっさらって失踪、収入は長女の教師の職で得ていたが、父親が逃亡の際、勤め先の学校にも無体を働いたため失職という崖っぷちの状況からはじまる。
で、頼るところもないので実は父と幼馴染みの理事長に陳謝に行く一家。そこで借金肩代わりと長女の復職の交換条件として引きこもりの娘の友人になってくれと頼まれる。
広い邸内で忍者のごとく姿を隠し素早い娘を見つけるというすごいとこから始まる友達ミッション。なんのかのと心を開いてもらい、理事長の学校の特別校舎に設けられた一家とお嬢様のみの特別学級でのスクールライフがはじまる。
ヒロインの引きこもりの本当の原因の追求と彼女自身の成長、個性が強すぎる屋敷の執事とメイドと一家4人とヒロインの交流が描かれ徐々にヒロインの世界が広がっていく展開かな。主人公以外のヒロインの友人になる立ち位置の女子も登場し話の広がりも見せる。
絵柄の雰囲気的に記号ありきの萌え学園コメディかと思ったがなかなか深いドラマを含む内容になっている。身勝手な親やいじめなどシビアな要素が多々あるが、ほぼ相殺するように理解と援助と絆もあり、なにより主人公を含めヒロインの周囲の面々が、性格は様々だが芯がまっすぐなキャラばかりなのが気持ちよい。あとヒロインが本当に純粋なとこも。というかその気質だから周囲がこの対応になるんだろうと思わせる。ヒロインの隠れスキル設定や一家の達観したやりとりなどコミカルさもいい案配。屋敷スタッフの言動は若干ウザいが行動原理を鑑みるとそれも愛おしく話のスパイスになっているように思う。

佐倉色
角川コミックスエース / 角川書店
ジャンル:4コマ・コメディドラマ / 好み度:★★★★☆
青春のアフター 緑のルーペ
2017年08月20日 (日) | 編集 |


片想いで告白したが手ひどくフラれた直後文字通り目の前で消えてしまった少女が16年後に当時の姿のまま現れる。少女を忘れきれないまま16年生きた青年だが同時に同棲する彼女もいる。少女と青年とその彼女の奇妙な同居生活がはじまるが・・。

高校生のとき。主人公と少女はゲームを通して傍目からつきあっていると勘違いされるほど交流があった。事実主人公は少女が好きなのだが、少女のほうは他の快活な男子のことが好きだったのだ。それを知った主人公はそれでも少女に告白をし手ひどくフラれる。そしてその直後少女は文字通り目の前で消えてしまい行方不明となる。
それから16年たち、主人公は社会人になり出来同棲する彼女もいる。ただ今はだれも居ない少女の家の管理などをしており完全に縁を切っていないというかな状態。そして彼女と同棲を機に気持ちを切り替えようとした矢先、目の前に件の少女が当時の姿のまま現れる・・という身も蓋もない展開に。
青春の恋心が風化する前に物理的に蘇り、現在もひとりならいいんだけど同棲するほど親密な彼女もおりで、少女は身内がいないから彼女と同棲する住処に少女も住むことになるという・・。ゲームという共通の趣味があるなどさほど衝突もないが・・・。
少女のタイムスリップの妙、ADVゲームの選択肢のごとくどの選択をとるのか、生々しい人間心理描写と人間模様が描かれていくのだろう。泣き笑う登場人物の絵面にはなかなかに心を締め付けられる。苦い、どこまでも苦い。アフターと書いて後始末と意味づけるのか。良い題名。
最初のタイムスリップで再会したときの少女の台詞とそれに答える主人公の台詞の残酷さがいろんな意味でインパクトが強かった。終始こんな展開が続くのか。登場人物の行動も心理も、嫌悪は全くないが汲み取れないことばかりで多分読み進めても共感は覚えられないだろう。だが読みたくない類ではなく、未知の世界を知りたい欲求という意味で興味深い作品だった。

緑のルーペ
アクションコミックス / 双葉社
ジャンル:青年・恋愛ドラマ / 好み度:★★★☆☆
住職系女子 竹内七生
2017年08月12日 (土) | 編集 |


家を出た父の代わりに実家の寺の副住職を務める女性僧侶をはじめとし他の寺院の僧侶、彼女の家族、檀家の人たちなどの人間模様を描いた寺と仏と人生に纏わるご近所+家族ドラマ。
主人公は女性僧侶。家庭を持つ身の僧侶にも関わらず女を作り家を出た父親の代わりに実家の寺を継ぐべく副住職とつとめる女性。母は既に死亡、家族は住職の祖父、父とその浮気相手との間に生まれた少年、つまり半分血の繋がった弟の二人。あと寺関係の親戚もわりと親しい間柄。弟の実母は弟を置いてほとんど連絡なし、父も行方知れずという状況。
複雑な家庭内のエピソード、檀家の故人と残った家族の話とか堕胎した女子高生の話とか。人生や生命、生と死など、ありふれた、でも生きる上の命題みたいなテーマが、ある時は一般人の視点で、また僧侶というか仏の道の視点で丁寧に描かれていく。
等身大の人間ドラマ、世知辛さやままならなさ、優しさやいたわりなど様々な人間の感情も行いも関係性も、等身大というか押しつけがましくなくさらりと描かれているところに好感が持てる。お盆やお地蔵様の由来、仏陀の教えのエピソードなど仏教関連の知識も無理なく入れていて勉強になる。
人間描写というかドラマ展開はわりと優しめ。衝突や行き違いはあるけどわりとあっさり落ち着いた決着がつくので読みやすかった。1巻で印象的だったのは虐待を受けていたにも関わらず母の味方である弟の心理。あるあるだよなあ・・。
えらく仏教関連の描写が自然体だなと思ったら著者の実家がお寺だそうで。なるほど。

竹内七生
BE LOVE KC全6巻 / 講談社
ジャンル:女性・ドラマ / 好み度:★★★☆☆