読んだ漫画の適当感想ブログ。現在2011年1月以降発行タイトル対象。
感想はブログにある記事以外にも、タイトル・作者順の目次のある本舎の漫画感想にも多数あります
女子大生の日常 津々巳あや
2017年04月15日 (土) | 編集 |


四国・徳島の国立教育大に通う「家庭教師サークル」に所属する女子大生3人を中心としたドタバタキャンパスライフコメディ。
舞台は徳島の国立教育大。実力ではなくお世辞なしに運だけで入学したフリーダムな女子大生は、家庭教師のバイトをすることを思いつくが、どうしていいものかわからず、学内に家庭教師サークルが存在することを知り行ってみる。
サークルのメンバーは同学年の女子で幼馴染みの二人、はいいのだが、その活動は妙ちきりんで・・・、というはじまり。とりま奇妙でも変則でも家庭教師(のバイト)を目指すのが主軸かと思ったらそうでもなかった。自由すぎる自由人の主人公、幼馴染みに執着を持つ表向き笑顔が絶えないお嬢様、幼馴染みに良いように情報を吹き込まれつつ素直に受け止める女子校ではお姉様と呼ばれそうなボーイッシュ系の常識人。癖が強すぎる。で、この3人だけではまわし切れないのかじわじわと脇キャラが増えていく仕様。
どこか抜けていたり突き抜けていたりするキャラ達によるゆるくもアグレッシブなキャンパスライフコメディといったところか。わざわざ地方の大学に舞台を置いた意味がいまいちよくわからないが、著者の経験を活かせる舞台なのか地方ならではの立地背景のネタをやりやすいからなのか。
テンポが良く気いい意味でグダグダ感満載。負いせずにゆるく読める内容。こういうのは大好き。幕間にある著者自身の家庭教師のバイト体験談が本編より楽しいのは内緒だ。

MFコミックスアライブシリーズ全4巻 / メディアファクトリー
ジャンル:青年・コメディ / 好み度:★★★★★
死役所 あずみきし
2017年04月15日 (土) | 編集 |


お客様は仏様です。現世とあの世の境目に存在し、死人が手続きをしどちらの先に行くかを手続きする「死役所」を舞台にしたヒューマンドラマ。
話の語り手のメインは役所の総合案内係を担う笑みが張り付いた眼鏡の男性。むろん他の所員も登場するのだが。ちなみに役所の職員になっている人たちはある基準があるようで、物語の終わりあたりか伏線とかで職員たちにも焦点が当てられていくのかな。
物語の主格は、死んで役所にやってくる人たち。事故死・自殺・他者をかばっての死、虐待死・・・様々な年齢・性別・経緯を持つ人たち。それまでの環境や生前の思いを含めた当人の人生と、死に至った経緯と、死んでからの自身のこと残した人たちへの感情と、死者当人以外の客観的な現世の状況とで構成されている。
物語の設定上、やるせない話が多いのだが読後感は悪くない。寂寥感はものすごいけど一話の量が適度だし、読みたくないとは感じなかったので、物語の構成が秀逸なんだろうなと感じる。死者自身の視点と他者の視点のずれとか相違とかも見所かなあ。
死者は死んだときの状態でやってくるので、リアル系な絵柄ではないものの凄惨な事故死の場合は絵面的にきつい人がいるかも。

あずみきし
バンチコミックス / 新潮社
ジャンル:青年・ドラマ / 好み度:★★★★☆
セキセイインコ 和久井健
2017年04月13日 (木) | 編集 |


一人の少女が謎の死を遂げる。他殺らしい。彼女の第一発見者たる少年は記憶をなくしていた。が、少年には少年自身の記憶の化身とつぶやく「メモリー」が寄り添っていた。彼の記憶に絡む事件と人物たちが次々と現れるのだが・・。

教室で教師がクラスに所属していた少女の死を告げる。他殺だという。主人公であろう少年がはその少女の第一発見者らしいのだが、記憶喪失となっていた。そして主人公には他者には見えない三日月をモチーフにしたような幻覚が見える。幻覚は少年に語りかけ、少年自身の記憶の化身のようなもので、自分のことはメモリーと呼べば良いと告げる。
記憶喪失、なのだが主人公は幻覚の存在もあってか記憶がないことへの焦りのようなものは一見見受けられない印象。どうも自身の記憶を探っていき幻覚の鍵穴に指す鍵を得ると記憶が取り戻せるらしい。少年の友人達、死んだ少女の知人?の少女、後見人らしき胡散臭い大人の男性、少年を監視する?謎の人物。調べていくうちに罪を犯し刑務所に入っているはずの父親はそこにはおらず・・など徐々に謎が出てくる過程で、超能力的な要素も入ってきて、少年の記憶は世界の存亡に関わるということが暗に匂ってくる。
文章で書くと大仰だが作品自体の雰囲気は坦々としている。情景描写が落ち着いているし少年の幻覚のフォルムがシュールだからだろうか。面白そうに見えるがそれを前面に出さずぼんやりとしたフィルターを通して見せているような印象を受ける不思議な作風。

<わくいけん>和久井健
ヤングマガジンコミックススペシャル全5巻 / 講談社
ジャンル:青年・SF / 好み度:★★★☆☆
地獄恋LOVE in the HELL 鈴丸れいじ
2017年04月02日 (日) | 編集 |


酔っ払って死亡した青年の魂は地獄へ。そして彼の担当の獄卒はドジっ娘気質の女子だったのだが。獄卒女子と助平男性の地獄ライフを描いたドタバタHコメディ。
酔っ払ってうっかり死んでしまい、まあ天国に行くかと当人は思っていたが気がついたら裸で地獄に送られていた、というはじまり。自分の上京を説明する獄卒の少女にいたずらする青年。そら地獄にもおちるわ(笑)
この話での地獄に送られた咎人は、地獄内での町で現世のように暮らす。衣食住に必要な物資はとある通貨と交換されるのだが、その通貨は咎人自身の苦行の量に見合った額が支払われる仕組み。地獄の苦しみでもって罪を購うのとセットで、担当の獄卒が咎人に苦しみを与える役割、ということらしい。苦しめば苦しむほど対価が支払われ罪も贖われていくのだが、主人公の担当であるヒロインはあまり有能なほうではなく、それゆえに主人公は逆に幸福な気持ちになることさえあり・・。
某撲殺天使みたいな展開とか、主人公が調子に乗って助平行動を起こしてえらいことになったりと、バカ系Hコメディと地獄世界のスプラッタコメディを足したかんじの内容。
しっかり作られている世界観で見せたい主題をブレさせずコメディ展開に徹しているところは好みだった。こんなバカシチュエーションよく思いつくなあと感心する(褒めてます)。
主人公が己の愚行であかん方向に行く展開はあまり好みではないがこちらは素直に面白かった。

鈴丸れいじ
アクションコミックス全3巻 / 双葉社
ジャンル:青年・コメディ / 好み度:★★★☆☆
重版出来! 松田奈緒子
2017年04月02日 (日) | 編集 |


出版社の漫画編集に入った新入社員の女性を主人公とした漫画出版業界物語。
いわゆるお仕事漫画、でいいのか。出版業界、の中の漫画編集部が舞台なので漫画読みにとっても興味津々の題材。ほぼ何も知らない新入社員の主人公の視点から描かれるので業界の、というか漫画が原稿から本になる流れが興味深かった。
主人公の経歴も体育会系というところがいろんな意味でミソなのだろう。力持ちなので書店で役に立つ、性格も良く漫画も好きな彼女が周囲に与える影響の描写が好ましい。
清々しい面もやるせない面もきちんと描いた社会人の話であり、かといって落ち込むばかりの話でもないバランスのとれた良作だと感じる。
余談だけど私もこの作品の題名で正しい読み方を知ったクチです。

松田奈緒子
ビッグコミックス / 小学館
ジャンル:青年・業界 / 好み度:★★★☆☆
事件記者トトコ! 丸山薫
2017年03月17日 (金) | 編集 |


仕事環境も仕事道具も良好なのにまともなスクープがとれない食いしん坊で天性の残念気質の女性記者トトコが織りなすレトロドタバタコメディ。
ちょっとレトロな時代が舞台。主人公の眼鏡の女性は新米新聞記者。スクープを目指して同僚の男性とともに事件現場に意気揚々と向かうが天性の残念ぷりにより失敗、というパターンが多いドタバタもの。
主人公の失敗談が基軸のスラップスティックコメディなのだが、当の本人は失敗に対しても、自身の風貌や行動を他者に残念がられても、さほどダメージはなく、あっけらかんとしている。食いしん坊で細かいことは気にしない、だが活力はあるという古き良き少年漫画の主人公みたいな気質。主人公の失敗により、自社だけが損をしている美人編集長は主人公に甘いし、わりを喰っている同僚の男性記者の関係も険悪でもないというゆるさもある。主人公の周囲も言うに及ばず、世間を騒がす怪盗とその部下もどこか間が抜けている部分があり、全般的にゆるいというか世知辛くない作風なのでのんびりとした気持ちで読める内容。
レトロ活劇の雰囲気も舞台設定もきっちりある世界観でのお気楽コメディというかんじ。本格レトロ活劇を望む人や、主人公の気質があわないといまひとつかもしれないが、個人的にはかなり楽しめたお話。きっちりとした線だが丸みのある可愛い絵柄、太めのペンタッチはレトロな世界観によく合っていると思う。

丸山薫
ビームコミックス全4巻 / エンターブレイン
ジャンル:青年・コメディ / 好み度:★★★★★
ざんねん!番長ちゃん 林雄一
2017年02月17日 (金) | 編集 |


中身はただのオタク少女だが名前と間の悪さで不良の怖い人だと思い込まれている女子高生の学園生活を描いた4コマコメディ。
「番長」という名字と、高い身長、間の悪い言動が重なり、周囲から不良の怖い人だと誤解され続けている女子高生が主人公。本来の気質と周囲の評価の乖離の激しさをネタにした4コマもの。登場人物は可愛い女子がほとんどだが絵柄のせいか萌え系というよりそのまま女子高生たちの学園生活ものという印象を受ける。
ギャップネタや誤解されやすいこと自体がオチになっている場合が多いが全体のノリはゆるっとしているし、ヒロインはオタクで若干の中二病要素ありの設定なのでオタクネタもけっこう挟まれている。オタク仲間の女子など理解者もそれなりにおり、さほど厳しい環境ではない模様。キャラ設定は良い意味で凡庸、ひまつぶし・箸休め的に読むには最適の作品かと。

林雄一
MFコミックスアライブシリーズ全2巻 / メディアファクトリー
ジャンル:4コマ・学園・コメディ / 好み度:★★★☆☆
双星の陰陽師 助野嘉昭
2017年02月17日 (金) | 編集 |


人に仇なす異世界の化け物とそれらを狩る陰陽師が存在する世界。幼少時に体験した事件から少年ろくろは陰陽師になることを拒んでいたが、陰陽師の姫たる少女との出会いから運命が動き始める。
異空間より現世に現れ人に仇なす化け物が存在し、それを屠るのが陰陽師という背景がある話。主人公の中学生男子は、陰陽師の血筋であり幼少時は強い陰陽師になると血気盛んだったが、ある事件により陰陽師にならないとかたくなに拒否している。そんな中、化け物に遭遇し、業界でサラブレット的立ち位置にある少女との出会う。そして、陰陽師の長の啓示により件の少女と結婚し二人が成した子が最強の陰陽師になると啓示を受けたことにより、紆余曲折の末陰陽師の道に戻るってな展開に。
主人公が一度拒否した道に戻る、ヒロインとの許嫁的な立場となり戦闘においての相棒的立場にもなる、敵側の力であり味方側には忌むべき力を主人公が持っている、おそらくは敵の大物がかつて味方側だった・・などなどこのレーベルにおけるオカルト系熱血バトルアクションものの王道の要素がてんこ盛り。だが、王道たればこそきっちり描けば間違いなく面白いものになる、と感じざるを得ない作品。個人的には絵が好みだし、コメディ要素が、シリアスな本筋から浮かない程度にコミカルで、シリアスに疲れてきたところで絶妙にはさんでくるところが良い。陰陽師の長のキャラは砕けすぎな感がなきにしもあらずだが(笑)

助野嘉昭
ジャンプコミックスSQ / 集英社
ジャンル:少年・アクション / 好み度:★★★★☆