読んだ漫画の適当感想ブログ。現在2011年1月以降発行タイトル対象。
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春山町サーバンツ 朝倉世界一
2017年06月18日 (日) | 編集 |


渋谷区春山町を舞台に区役所出張所の公務員になった女性を中心に描かれる町の人々の暮らしと悲喜こもごもをシュールに描いた物語。

舞台である東京都渋谷区春山町は渋谷の端ののどかな町。生まれたときから町で育ち、町内の区役所出張所の公務員として社会に出ることになった女性が主人公。
主人公は意気揚々と職場に赴くが彼女に割り当てられた仕事は、主張所が発行する町の情報誌の編集長だった。素人同然の主人公は新聞作成のために四苦八苦しながら町を巡る過程で、町の様子や住人の暮らしなどが綴られていく。主人公も地元の人間なので顔見知りは多くまた初対面でもなにかしら縁があるかんじで主人公と他者との衝突みたいなものは少なく穏やかに読める。
小説などの挿絵に合いそうなざっくりした絵柄に、牧歌的なようでシュールかつ世知辛くも切ない要素が多分に含まれた不思議な世界観。なんというか主人公を含め妥協とあきらめをそれなりにかみ砕いて生きてるみたいなキャラが多いような気がする。
主人公から見る住人の描写やその気質や状況にフォーカスする一方で主人公自身の状況も見えてくる。どうも主人公の父はそれなりに名の売れた小説家で三部作の最終シリーズが未発行のままになっているという設定が物語の大きな伏線となっている模様。
独特の作風、茫洋と展開させているようできっちりとした構成。知らず引き込まれる内容だった。

朝倉世界一
ビームコミックス / エンターブレイン
ジャンル:青年・ドラマ / 好み度:★★★★☆
ボールルームへようこそ 竹内友
2017年05月28日 (日) | 編集 |


自分の進む道が定まらない男子は、ひょんなことからダンスの世界を知り魅了されていく。
主人公の男子は高校受験を前に自分の進む道が定まらず自分に何が出来るのかわからず茫洋とした日々を過ごしていた。カツアゲされそうになったところを男性に助けられなし崩しに男性が経営する社交ダンススクールに誘われる。そこでダンスに魅了され・・という展開。スクールには同校の美人女子がおり、彼女は実力者だった、彼女にはぴったり息のあった天才ダンサーがいる、などが同世代の人間模様のよう。
知識も経験もない主人公が勝負の世界にはいるという話としては王道、かつ入りやすい導入だと感じる。素人ゆえの繰り返しの訓練、動体視力・・ではないが見て覚えることに特化した主人公の能力、という設定は上手い。はまるものが見つかったときの主人公の熱量、ライバルやヒロインたちのダンスに対する熱量がひしひしと伝わる。そして踊りの描写はとにかく熱い。
少年漫画らしいジェットコースター的な無茶展開もままあるがついて行けないほどではない。1巻の引きの展開はええっと思ったが。久方ぶりにスポーツもので続きが読みたくなる作品だった。

竹内友
月刊マガジン KC/ 講談社
ジャンル:少年・スポーツ・ドラマ / 好み度:★★★★☆
春の呪い 小西明日翔
2017年05月28日 (日) | 編集 |


妹が若くして病で死亡、その後姉は妹の婚約者だった男性とつきあう事になる。
両親の離婚、その後父の再婚と複雑だった家庭環境の姉妹。姉妹は前妻の子で、父と継母と腹違いの弟と生活していた。そんな環境で姉妹は寄り添って生きてきた。そんな中、父の血筋が財閥系でその血筋目当てに妹に見合い話がくる。妹は相手に惚れ、つきあい出すのだが直後妹は病に冒され若くして亡くなる。
姉にとって妹は肉親以上の唯一無二の存在であると同時に自分の感情に嫌悪と空しさを感じていた。そんな妹を失い残された姉は後追いしそうな精神状態になっていたが、妹の婚約者が姉にある提案をし、姉は条件付きで彼とつきあうことになる。
妹の婚約者は妹が生きていた頃から姉の方に心惹かれており、かといって妹との婚約は拒絶するでもなくだった。婚約者もしかれたレールに乗る人生でそれに疑問もなく生きてきた、どこか空虚な部分がある模様。妹は生前に二人の感情を察知しており、妹のいまわの際の言葉は自分の死後のふたりのことを鑑みてのことなのだろうと想像できる。
姉の家族、男性の家族などとの人間模様、姉と男性と妹の各々の感情、他者に関する感情の描写。どうにもならない状況の絶望、様々な感情がないまぜになる描写。舞台設定はドラマチックなのだが、物語自体はどこまでもリアリティがある、と感じた。
この手の恋愛ストーリーだとやたら長くなるきらいがあるが、わりときっちり細部まで落とす部分も曖昧に流し主題を明確にして比較的短くまとめているのも好印象。長編だと飽きることがままあるもんで・・・。ストーリー構成はほんとうに見事だと思った。
ただ、本当に細かいところなんだけど、シリアスな人物同士のやりとりの場面で漫符の汗をキャラにつけるのはちょっと興ざめに感じて気になった。

<こにしあすか>小西明日翔
ゼロサムコミックス全2巻 / 一迅社
ジャンル:少女・ドラマ / 好み度:★★★★★
姫さま狸の恋算用 水瀬マユ
2017年04月14日 (金) | 編集 |


徳島を舞台にした狸と人間のラブコメ。
舞台は徳島のとある街。藍染め稼業の長男である主人公は、県外の学校に進学したいのだが、跡取り息子のため両親からは反対されている。そして秘かに恋心を抱いている幼馴染みの少女の希望する京都の学校に行きたいとも思っていた。
そんな希望がままならない中、主人公は時期が来たと両親から、婚約者として狸の少女を紹介され・・。
狸と人の関係が近しい土地、狸の種が様々な理由で途絶えようとしているため主人公と狸の姫の婚儀が進められている模様。元々片恋の幼馴染みとの関係、狸の姫との運命の関係などを絡めたファンタジー要素込みの三角関係ラブコメといったところか。当然主人公は反発するのだが、両親や狸一族の押せ押せテンション、狸ゆえに人の形に化けることが出来る姫は可愛らしく純朴で一途で・・というかんじで。あと幼馴染みの言動もそこはかとなく印象的でどう話が転ぶのか続きが見たくなる。
狸の一族の絡みと主軸のラブコメを巧みに組み込んだ構成、絵もデッサンがしっかりしたタイプで見応えがある。可愛いというかラブコメの基本をきっちり抑えているというか、万人にあうタイプの話だと感じた。

水瀬マユ
アクションコミックス / 双葉社
ジャンル:青年・コメディ / 好み度:★★★☆☆
白暮のクロニクル ゆうきまさみ
2017年04月12日 (水) | 編集 |


不老不死の人間・オキナガが存在する世界。厚生労働省に就職した新米公務員の女性は、研修の保健所で出会った事件がもとでオキナガを管理する部署に配属される。そして上司とともにオキナガ怪死事件を追うことになり、見た目は少年だが実際は88歳老人の殺人事件マニアの魁とタッグを組まされることになるのだが。
不老不死の人間・オキナガが存在する世界。とはいえオキナガたちは特殊な使節に隔離とか実験材料とかといったことはなく、国による住処や暮らしぶりなど動向の管理、定期的な健康診断の義務などはあるものの一般社会で暮らしている、という設定。ちなみにオキナガは不老不死、とされているが死なないわけではなく、またオキナガに対する偏見というか社会においての生きづらさはも多少なりともある模様。
主人公の女性は新米公務員で、保健所の仕事でオキナガに初遭遇する。だたし死体で、というはじまり。その後、オキナガを管理する部署に配属になり、オキナガ殺人事件を調べることになる。そして物語のもう一人の主人公、見た目は少年だが実際は80を越える老人の白髪の男性とのバディものな展開に。
オキナガの殺人事件とは別に、12年周期で殺人事件が起きている事実があり、オキナガの少年は過去の因縁からその周期のほうの事件の犯人を追っている、ということらしい。一般社会におけるオキナガの立ち位置、殺人事件とは別のオキナガたちが絡む事件、少年の追う殺人者の件、などいろいろ盛りだくさんで展開していく。
各々の事件に関わる登場人物が多くそれゆえに、架空の設定なのにかなりリアリティのある骨太な内容に仕上がっている。個人的にはバーディよりも世界観がつかみやすく読みやすい内容。続きが気になる作品。

ビッグコミックスピリッツ  / 小学館
ジャンル:青年・ドラマ・ファンタジー / 好み度:★★★★☆
ベアゲルター 沙村広明
2017年04月12日 (水) | 編集 |


ある売春宿で標的を殺した暗殺者の女性、暴力団の金をかすめ取ってとんずらしようとして失敗した女性、ある目的で日本にやってきた中国人女性・・。ドイツでのある遺伝子を研究する実験、売春が主要産業となった島、暴力団のある幹部の思惑が絡む情欲と暴力と背徳のブラック活劇。
複数の軸をうまく絡ませ展開していくので次々と違う場面とかエピソードが出てくるので冒頭では少々取っつきにくいかもしれないが、すぐに慣れておおよその概要が見えてくる構成。このあたりはさすが著者だなと思う。ここでは逐一説明するのは野暮とも思えるので割愛するが(単にまとめる能力がないだけともいう)面白い、と思う。ただえげつない展開だったり場面だったりが続くので読み手は選ぶかも?
主要登場人物がベクトルは違えど大なり小なり壊れてるとこがあるように感じる。そこが魅力であり彼女らが織りなす関係やらやりとりやらが奥深い。著者の話は掬いようのない重いのから壊れたコメディまであるが、こちらは超重い背景とある種の狂った展開、なのだがどこか砕けた部分も多分にあるタイプのよう。大人によるおとなのための娯楽活劇もの、といったところか。
昭和時代のノリというか雰囲気というか時代背景を模倣したような舞台も印象的。ズべ公って、遙か昔に聞いた意味はわからんが昭和の暗部をイメージする言葉だったなあ。

<さむらひろあき>沙村広明
シリウスコミックス / 講談社
ジャンル:青年・アクション / 好み度:★★★★☆
バトラビッツ 雨市
2017年04月11日 (火) | 編集 |


幼いころ、何者かに父親を殺された男子高校生は、バスの中で地球を護る月の民「バトラビッツ」だという少女と出会う。彼女は輝夜を不法滞在者として連行しようとするが、その最中、父の仇によく似た異形に襲われる。

幼少期に父親を殺した相手を探していた男子高校生は、バスの中でフードをかぶった奇妙な少女に襲われる。彼女は地球を護る月の住人バトラビッツであり、主人公は不法滞在者と見なしているよう。その最中に、自分に絡んでいた不良男子が異質なモノに憑かれ、襲ってきた、というはじまり。地球守護の月の住人の名称が題名となっていて、月の民=兎→バトラー+ラビッツでバトラビッツ。なるほど。
主人公は特別な力を持つバトラビッツだったことがわかり、敵は主人公の力を欲して襲ってくるらしい。主人公は自分の親の仇が敵ということもあり関わることになる展開かな。前作よりは主人公の立ち位置とか敵の目的とかがわかりやすく、また画面構成も整頓されて読みやすくなっている印象。絵面的に見所なのはやはりうさ耳な美麗キャラによる戦闘アクションかなと思う。
雨宮由樹と市原ゆき乃という二人の共著だがこの作品から作家名は省略した別のペンネームになっている模様。

雨市
ゼロサムコミックス / 一迅社
ジャンル:少女・SFアクション / 好み度:★★★☆☆
宝石色の恋 西UKO
2017年03月17日 (金) | 編集 |


ルーレット・topaze・baby youなど17編の百合系スタイリッシュショートストーリー作品集。
ルーレット・mio post・パルファン・p.v・マネキン・777・baby you・demande・Au・topaze・二十分の無限・灯の情算・.925・恋女・アップ&ダウン・helter-skelter・the OL cafeを収録。
ある百合カップルのふれあいの話とか、名前も知らないけれど気になる相手とのやりとりとかとか、ある日のある場面を切り取った内容だったり、これから物語が始まる的な内容の数ページのショートストーリーがほとんど。その中に、ストーリー性の高い話とか、巻末にはお遊びで行われるOLカフェの企画の吟味といった毛色の変わったお話もあり。
一番の長編?はノーマル女子が百合女子に告白されてわりと強めにアプローチされる話。かな果たしてそれは恋に発展するのか、みたいなノーマル女子側の検証の話が興味深かった。あと百合属性の独り身女性と、他界した姉の娘を引き取って育てている女性の話が一番良かったかな。ある意味定番だけどほんわかとした初々しい二人が良い。
長身・痩身・美形揃いの登場人物と情景描写が特徴のスタイリッシュな作風。都会のイケてるお姉さんというのはかくあるという印象。

西UKO
楽園コミックス全1巻 / 白泉社
ジャンル:百合・ドラマ / 好み度:★★★☆☆