読んだ漫画の適当感想ブログ。現在2011年~2016年発行タイトル対象。
2010年以前発行分の感想は本舎の漫画感想に、2017年以降分は漫画感想2017~にあります。
放課後さいころ倶楽部 中道裕大
2017年09月24日 (日) | 編集 |


人見知りで周囲の同年代の女子たちと同じ興味が持てない女子、好奇心旺盛で快活な転校生、真面目な委員長がひょんなことから接点が出来き、親しくなっていく。それはアナログボードゲームだった。
というはじまりのアナログボードゲームを軸にした女子たちの青春もの。題名通り放課後にさいころを振って遊ぶ部活もの、というかんじ(部活じゃないけども)冒頭の3人の女子たちが親しくなる経緯がけっこう長く描かれるが、以後はボードゲームプレイ中心の展開になっていく。3人以上のゲームもあるし徐々にメインキャラも増えてくのかな。
ゲームは、委員長女子がバイトをするボードゲームカフェで行われ、ゲームは実際にあるものが使われている。幕間にはゲームの紹介コラムもある。
ボードゲームといえば人狼ゲームが有名どころかな。デジタルゲーム主流の昨今だが、こうしたアナログゲームもブームになっているようで。作中のルール説明とプレイ描写はとてもわかりやすく、機会があればやってみたくなるようなところがミソ。現在進行形で新作ゲームが作られているという事実にはちょっと驚いた。
ゲームを主題とする漫画というと、ゲームで一番になるとかを目的としたハングリーというかストイックな話をよく見る。が、こちらは仲間と一緒に楽しくという交流のスタンスが主体。漫画としては盛り上がりに欠けるかもしれないが個人的にはこういう話のほうが好み。

中道裕大
ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル / 小学館
ジャンル:青年・青春・ゲーム /好み度:★★★★☆
忘却のサチコ 阿部潤
2017年09月11日 (月) | 編集 |


文芸誌編集者の女性は、おいしいものを食べた時だけ披露宴の最中に失跡した相手のことを忘却することができる。異色グルメコメディ。

ヒロインは生真面目な文芸誌編集者。ある出会いから結婚することになるが、相手は披露宴の最中に手紙を残し失跡してしまう。
そんな不測の事態にも一見動じなくきちんとした詫びの挨拶をするようなヒロイン。実直だが堅物、何事にも全力で進めるがそのベクトルがズレておりそのズレが有益に進むというキャラ。
披露宴後も仕事を淡々とこなす鉄の女っぷりだったが当人は自覚なくとも様子がおかしく、周囲は強制的に休みを取らせる。
そこで初めてヒロインは自身がショックだったことに気付く。
自覚すると相手のことが頭から離れなくなっているところに、それまで何の感慨もなかった食事をすることにより食の素晴らしさに目覚めその間は相手のことを忘れられていた。
一度食べた内容では忘却は起きないため、食の喜びを感じている間の忘却のためにグルメを探求するという内容。
変化球な前フリと動機のグルメ漫画。でもグルメものらしい食の感想は詳細で丁寧。
基軸となる食ネタのほかに、ヒロイン自身の仕事の話や件の男性の伏線など見所のある要素があるのも良い。
ヒロインの極端なキャラは当人は至って真面目だがその行動が滑稽に見えるという喜劇の基本のような印象。
ギャグのような演出が目立つがそこが面白いと感じる。難儀なことを忘れたいために食に走るって構図は
割れ鍋に綴じ蓋のような気がしないでもないが・・ドラマのほうもそれなりに落としてくれると期待している。

阿部潤
ビッグコミックス / 小学館
ジャンル:青年・グルメ / 好み度:★★★☆☆
春待つ僕ら あなしん
2017年09月06日 (水) | 編集 |


高校で脱ぼっちを目指すも、突如出会ったバスケ部の人気者4人組に関わられ振り回され前途多難なことに。イケメン4人とのドタバタ青春物語。
主人公は自分の気持ちを他者に伝えられず流されてしまうタイプの女子。高校では脱ぼっちを目指すも友人はできないまま。唯一の心のオアシスはバイト先の飲食店とそこから見えるバスケット場の思い出。なのだが、学内で有名なバスケ部男子4人がバイト先にやってきて内一人に勘違いで告白されたことから主人公は彼らと関わりを持つようになる。
意地が悪いのもいれば、気遣いのある男子もおり、その優しい男子は同じクラスで主人公は気になるって展開かな。1巻のおわりには、中学時代に仲の良かったバスケ女子が実は男子で、後々話に絡んで来るみたいな雰囲気を出して続く。
主人公に優しくない展開もあるが、それは主人公の成長の起爆剤の意味合いが強いように思うし、良くも悪くも登場人物のキャラ設定がはっきりしていてよく動いており、青春物語として面白さが増しているように感じる。

あなしん
KCデザート / 講談社
ジャンル:少女・青春・恋愛 / 好み度:★★★☆☆
Helck 七尾ナナキ
2017年08月21日 (月) | 編集 |


魔王が倒され人間界に平和が訪れた頃、魔界では次の魔王選出のための大会が行われていた。そしてその大会に人間の「勇者」が参加していた。彼の目的は何か、大会の行方は、魔界と人間界が向かう先は?人間と魔物を巡るファンタジー活劇。

魔王が勇者によって倒された三ヶ月後、魔界では次の魔王選出のための大会が行われていた。幹部の一人である少女の姿をした魔族・ヴァミリオは副責任者から大会のルールを確認していたところ、参加者の中に人間の勇者が混じっていることを知る。
大会参加者は種族問わずとはいえ当然ヴァミリオはツッコミ・・もとい激高し、身分を隠して大会の見守り勇者の真意を探ることに・・というはじまり。
魔族側の視点で描かれるヒロイックファンタジーものなのだろうか。冒頭の主人公と大会運営側とのやりとりはコミカルだし、大会の内容も魔王選出の大会もその舞台にそぐわぬスポーツマンシップに溢れた爽やかさが漂っていて、勇者を含め参加者同士のやりとりも殺伐として居らず至極おっとりとしたもの。大会の内容も変わり種の運動会みたいなプログラムになっているという。
この話の魔族の行動原理は欲だの破壊衝動だのではなく己の生存を基盤としているからこその緩さなのかもしれない。
また人間の勇者の気質がとても牧歌的な雰囲気。人間を滅ぼすと堂々と宣言してるけど。ちなみに勇者のフォルムは地獄のミサワのキャラみたい。性格に嫌味が全くなさそうだけど。とはいえ参加している「勇者」の不穏な経緯や魔界に来た動機が気になるところ。
大会自体はそんなゆるい展開だが、魔界の情勢は翼を持った兵士に蹂躙された場所があり、大会は進み決勝戦では、その場所の敵を殲滅したものが勝者となることに。勇者を含む決勝戦参加者と身分を隠し運営スタッフとして同行する主人公たちが向かう先には何が・・という展開に。
主人公を含め、有能だったり優秀だったりするけどちょっと間抜けなところがあったり会話やモノローグのコミカルなノリというか作風がツボだった。とはいえそれだけでなく端々に不穏でシリアスな要素を組み込み、続きが気になる構成になっている。魔族を襲った翼の兵士がなんなのかは2巻以降に大まかにわかり話の全容が見えてくる模様。地味にお勧めしたいタイトル。

七尾ナナキ
裏サンデーコミックス / 小学館
ジャンル:少年・ファンタジー / 好み度:★★★★☆
僕の彼女は女子が好き 門地かおり
2017年08月16日 (水) | 編集 |


社会人になって自分がレズだと自覚した女性の、純情と色欲の狭間にゆれるエキセントリックな言動を始めとして周辺の面々の様々な恋愛と人間模様を描く百合と下ネタと恋愛の入り乱れ狂想曲コメディ。
主人公は社会人バレー団?か何かに所属する女性。青春時代の彼氏との出来事から自分は潔癖症だと思っていたが、更衣室で同僚の可愛い女子とのひょんなやりとりから自分が女性が好きなレズだったと自覚する。そして吹っ切れた主人公は同性のうまみを利用し女子ウオッチャーとなる・・。そんな中、実業団選手のイケメン男性コーチがやってくる。コーチは主人公にアプローチをするが当然無視され主人公がレズだとわかってもなお・・・。
報われないのに主人公がレズでゲスとわかっていてもアプローチを続けるMっ気が目覚めたコーチ、コーチの清楚可憐な妹目当てになんのかのとコーチとつきあう主人公、主人公の最初の片恋の女性は彼氏持ちだがその彼氏女装子らしいし、ニューハーフ(単に女装子?)の子も登場し、わやわやな人間相関に。
主人公の心の雄叫びのテンションは半端ないしコーチの妹は清楚可憐ゆえに性関係の思考展開がズレて暴走してるしどの登場人物もなんかベクトル違うけどいろんな意味ですごい。百合恋愛じゃなくて下ネタギャグ漫画だろう、これ。
後半では男性コーチのEDの話になっていろいろ不憫。主人公にさえ出会わなければ・・・(涙)そして読み終わって誰もが思うだろう。お前の彼女ちゃうやん・・と・・。
BL作品でも百合恋愛でも著者のカラーはかわんないなあとしみじみ思う。唖然とする面白さがたまらなかった。

門地かおり
ウィングスコミックス全1巻 / 新書館
ジャンル:百合・恋愛・コメディ / 好み度:★★★☆☆
プニちゃん テクノサマタ
2017年08月12日 (土) | 編集 |


一人っ子の鍵っ子の小学生男子のところにふしぎな生きたクッションプニちゃんがやってきた。ゆうくんとプニちゃんのほわほわな日常を描いた4コマ漫画。

引っ越し・両親共稼ぎにより、ひとりっこの小学生男子・ゆうくんは鍵っ子になり新しいお友達もまだ出来ずじまい。家に帰ってもだれもおらず遊ぶ友達もいないちょっと寂しい主人公。そんな折、家のクッションが可愛い鳴き声を出す不思議な生き物になりゆうくんの前に現れる。
とにかくどこまでも可愛くほわっとした気持ちになる絵と内容。ファンタジーな生き物が寂しいこどもの前に現れ癒やされるというパターンはあるが無機物が生き物に変化という設定は新しいかも。
ちなみにおとうさんもおかあさんも子煩悩で息子の言動すべてが愛しく心根も優しい。両親と主人公のプ二ちゃんのやりとりはほんと微笑ましい。そしてプ二ちゃんの存在がきっかけて勝気でませてるけど良い子なツインテール女子や面倒見のよい男子などおともだちも増えてくる。
ただただ可愛いだけでなく、ちょっとしたドラマっぽいというかハラハラする展開もあり。でもゆるふわ。このハラハラ感は、こどものはじめてのおつかいを見守る大人の心情にさも似たり。
繊細な筆致とファンタジックな絵柄で主題によく合っている。疲れたときとかゆったりした気持ちになりたいときに読みたい作品。あとがき漫画もなんか印象に残る。

テクノサマタ
ウィングスコミックス2巻 /新書館
ジャンル:4コマ・ファンタジー / 好み度:★★★☆☆
パラダイスパイレーツ 山口美由紀
2017年08月08日 (火) | 編集 |


あるなりゆきでメイドのパールが乗った船は、魔法使いが製造した海上の楽園と呼ばれる船だった。マリンファンタジーコメディドラマ。

主人公の女性は結婚式直前に逃亡し気が付けば船の上にいた。その船は海上の楽園という名前。魔法使いが製造し海に縁のある訳ありの人間が乗れる船だという。実は主人公はある屋敷のメイドで、お世話するお嬢様が結婚式を拒否したので代役をかってでたという。その経緯が納得できるような、明るく人当たりのよく世話焼きで働き者という快活な気質の主人公。船の中でもくるくると働き、船の中の紅一点として馴染んでいく。
船の中の様々な冒険や生活のエピソードを展開しつつ、話の要の1つであろう、主人公が兄を探すという目的も出てくる。明るいコメディ+じんとくる前向きなドラマ。著者の話は久々に読むがのやはり秀逸だなと感じた。

山口美由紀
花とゆめコミックス / 白泉社
ジャンル:女性・ドラマ /好み度:★★★★☆
仏像のまち 蒼木雅彦
2017年07月19日 (水) | 編集 |


天才的な仏師だった亡き父の影響で仏像の中の魂と会話できる男子高校生の元には、様々な仏像たちが頻繁にやってくるのだった。
主人公の男子高校生は、今は亡き仏師の父が掘った仏像たちに囲まれていたせいか、仏像としゃべることができる、という設定。正確には仏像の中の魂というか意識というか。父親も仏像と意思疎通ができていてあらゆる仏像たちと懇意だったのだが亡くなってさみしいので主人公のもとにやってきた、というはじまりの4コマコメディ。
仏そのものではなく、人が仏の姿を模して掘った像に宿った魂だからなのか、仏像たちのキャラはフリーダムというか俗物というか・・なかんじ。モデルの仏の特性は持ち合わせているようで、その特性を突き抜けた個性に変えているといえばいいのかな。
そんなぶっちゃけ騒々しい仏像様たちに囲まれ振り回される主人公。主人公は父の仕事ぷりが反面教師?になり堅実な道に進むため勉強に勤しみたいのだが仏像たちの茶茶入れで集中できないという構図が出来ている。
仏像になじみがある人には常識だけどなじみがない人のための仏像(というか仏様の種類というか分類というか)の蘊蓄がちゃんとあるところが個人的に良。
4コマ形式にすると若干ごちゃついた画面なのが気になるが(仏像の造形ってわりと細かいしね・・)読みにくくはない。テンションが高く一見無法地帯のようだが物語としての起承転結もきっちりされており質が高いと感じた。
他作品を引き合いに出すのはアレだが聖おにいさんが好きな人には楽しめるかと。

蒼木雅彦
コミックジーン全4巻 / メディアファクトリー
ジャンル:4コマ・コメディ / 好み度:★★★★☆