読んだ漫画の適当感想ブログ。現在2011年~2016年発行タイトル対象。
2010年以前発行分の感想は本舎の漫画感想に、2017年以降分は漫画感想2017~にあります。
プランダラ 水無月すう
2017年10月16日 (月) | 編集 |


ある大戦後のファンタジー世界を舞台にした物語。その世界では人間は何かしらのノルマと言っていいカウントを持ち、その数字が0になると異世界へ落ちるという設定。例えば歩数がカウントだったりする。現実で自分独自のノルマを設定して達成できないと自分独自の罰を想定したりするアレに似ている。こちらはもちろんシビアだが。
その世界設定を下敷きに、母親の遺言である人物を探す可憐で純朴な少女と、女好きだけど振られまくる青年が出会うところから物語ははじまる。著者の話なので既作品同様、Hとギャグとシビアなシリアスと突き抜けるバトルが次々と展開され、話のスケールも大きそう。個人的には、数字カウントが下敷きなだけにシビアさがより感じられるし、1巻目のラストで読む気概がなくなってしまった。続巻をまとめて読めば評価も変わるかもだが。絵は素晴らしくきれい。

水無月すう
角川コミックスエース / 角川書店
ジャンル:青年・ファンタジー / 好み度:★★☆☆☆
ひねくれ司書の未解決事件録 木梨るなむ
2017年10月11日 (水) | 編集 |


直筆の文字から書いた人間の見た情景を視ることができる私立図書館司書にして本の修復家の青年の話。
なじみの刑事が難事件の遺留品を司書に見せて事件の真相を追及する、という構図のサスペンスドラマもの。物から持ち主の意識を読み取る能力って名前ついてたよね。度忘れしたけど。1
話完結形式で推理ものとしては可もなく不可もなく。ミステリが好きだけど濃いのは苦手という人にはいい塩梅かと。
絵はうまいわけではないが線がはっきりしている分読みにくくはない。もやっとするオチの話もあったがその辺は好みの問題か。

木梨るなむ
マッグガーデンコミックスアヴァルスシリーズ全2巻 / マッグガーデン
ジャンル:少女・ミステリ / 好み度:★★★☆☆



變愛 -奇妙な恋人たち- 浅岡キョウジ
2017年10月10日 (火) | 編集 |


變愛・ヒメゴト・鞄の中・被虐始メ・埋葬・弓愛・紅い蛞蝓を収録したマイノリティな愛情と嗜好を描いたオムニバス。
變愛は、ちょっとレトロな時代の新婚夫婦の話。おぼこ(古語)な妻は夫の眼球をなめる愛情表現?に困惑する話。あーこどものころ眼にゴミが入ったらばっちゃにやられてたわ・・と懐かしんでいたら、妻の眼が赤く腫れてしまうエピソードがあって、やっぱ雑菌が入るか・・としみじみ。オチが絶妙だった。誤解と曲解と思い込みのオチ。素で笑ってしまった。夫婦に幸あれ。
ヒメゴトは、ボーイッシュで恋愛に奥手というか不慣れな女子高生と美少年小学生の話。一言でいうとおねショタ(笑)冒頭で薄々わかるが美少年の性格がいろんな意味で見事。モテ環境が育てた気質と言えよう。
鞄の中は、あるサラリーマンが出張の帰りの汽車で向かい合わせの席の女性に、彼女の鞄の中のものが何かを当てるゲームを持ちかけられる話。外れるごとにサラリーマンは女性に自分の持ち物を持って行かれるのだが・・。ちょっとブラックショートショートみたいな秀逸な構成。
被虐始メは、罵られ願望が強い(言葉責めが好きなM?)優等生は、転校生の毒舌美少女に魅了される話。ある意味直球なおとな向けラブコメ。
埋葬は、土に埋めたい欲求がある男子学生の話。ある事故から意識を失った女性教諭を埋めてしまった主人公は罪に苛まれ・・。といってもホラーじゃない。教諭の大人の余裕というか悪魔的な側面が肝の話。
弓愛は、弓に射貫かれたい情動を持つ女子を見つけた映研カメラ男子の話で、紅い蛞蝓は、蛞蝓が好きな女子の恋の話、かな。
どれも構成とオチが絶妙な短編ばかり。絵柄的にホラーっぽいと見せかけて実はコメディ色が強いという。面白かった。

リュウコミックス全1巻 / 徳間書店
ジャンル:青年・恋愛 / 好み度:★★★★☆
放課後さいころ倶楽部 中道裕大
2017年09月24日 (日) | 編集 |


人見知りで周囲の同年代の女子たちと同じ興味が持てない女子、好奇心旺盛で快活な転校生、真面目な委員長がひょんなことから接点が出来き、親しくなっていく。それはアナログボードゲームだった。
というはじまりのアナログボードゲームを軸にした女子たちの青春もの。題名通り放課後にさいころを振って遊ぶ部活もの、というかんじ(部活じゃないけども)冒頭の3人の女子たちが親しくなる経緯がけっこう長く描かれるが、以後はボードゲームプレイ中心の展開になっていく。3人以上のゲームもあるし徐々にメインキャラも増えてくのかな。
ゲームは、委員長女子がバイトをするボードゲームカフェで行われ、ゲームは実際にあるものが使われている。幕間にはゲームの紹介コラムもある。
ボードゲームといえば人狼ゲームが有名どころかな。デジタルゲーム主流の昨今だが、こうしたアナログゲームもブームになっているようで。作中のルール説明とプレイ描写はとてもわかりやすく、機会があればやってみたくなるようなところがミソ。現在進行形で新作ゲームが作られているという事実にはちょっと驚いた。
ゲームを主題とする漫画というと、ゲームで一番になるとかを目的としたハングリーというかストイックな話をよく見る。が、こちらは仲間と一緒に楽しくという交流のスタンスが主体。漫画としては盛り上がりに欠けるかもしれないが個人的にはこういう話のほうが好み。

中道裕大
ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル / 小学館
ジャンル:青年・青春・ゲーム /好み度:★★★★☆
忘却のサチコ 阿部潤
2017年09月11日 (月) | 編集 |


文芸誌編集者の女性は、おいしいものを食べた時だけ披露宴の最中に失跡した相手のことを忘却することができる。異色グルメコメディ。

ヒロインは生真面目な文芸誌編集者。ある出会いから結婚することになるが、相手は披露宴の最中に手紙を残し失跡してしまう。
そんな不測の事態にも一見動じなくきちんとした詫びの挨拶をするようなヒロイン。実直だが堅物、何事にも全力で進めるがそのベクトルがズレておりそのズレが有益に進むというキャラ。
披露宴後も仕事を淡々とこなす鉄の女っぷりだったが当人は自覚なくとも様子がおかしく、周囲は強制的に休みを取らせる。
そこで初めてヒロインは自身がショックだったことに気付く。
自覚すると相手のことが頭から離れなくなっているところに、それまで何の感慨もなかった食事をすることにより食の素晴らしさに目覚めその間は相手のことを忘れられていた。
一度食べた内容では忘却は起きないため、食の喜びを感じている間の忘却のためにグルメを探求するという内容。
変化球な前フリと動機のグルメ漫画。でもグルメものらしい食の感想は詳細で丁寧。
基軸となる食ネタのほかに、ヒロイン自身の仕事の話や件の男性の伏線など見所のある要素があるのも良い。
ヒロインの極端なキャラは当人は至って真面目だがその行動が滑稽に見えるという喜劇の基本のような印象。
ギャグのような演出が目立つがそこが面白いと感じる。難儀なことを忘れたいために食に走るって構図は
割れ鍋に綴じ蓋のような気がしないでもないが・・ドラマのほうもそれなりに落としてくれると期待している。

阿部潤
ビッグコミックス / 小学館
ジャンル:青年・グルメ / 好み度:★★★☆☆
春待つ僕ら あなしん
2017年09月06日 (水) | 編集 |


高校で脱ぼっちを目指すも、突如出会ったバスケ部の人気者4人組に関わられ振り回され前途多難なことに。イケメン4人とのドタバタ青春物語。
主人公は自分の気持ちを他者に伝えられず流されてしまうタイプの女子。高校では脱ぼっちを目指すも友人はできないまま。唯一の心のオアシスはバイト先の飲食店とそこから見えるバスケット場の思い出。なのだが、学内で有名なバスケ部男子4人がバイト先にやってきて内一人に勘違いで告白されたことから主人公は彼らと関わりを持つようになる。
意地が悪いのもいれば、気遣いのある男子もおり、その優しい男子は同じクラスで主人公は気になるって展開かな。1巻のおわりには、中学時代に仲の良かったバスケ女子が実は男子で、後々話に絡んで来るみたいな雰囲気を出して続く。
主人公に優しくない展開もあるが、それは主人公の成長の起爆剤の意味合いが強いように思うし、良くも悪くも登場人物のキャラ設定がはっきりしていてよく動いており、青春物語として面白さが増しているように感じる。

あなしん
KCデザート / 講談社
ジャンル:少女・青春・恋愛 / 好み度:★★★☆☆
Helck 七尾ナナキ
2017年08月21日 (月) | 編集 |


魔王が倒され人間界に平和が訪れた頃、魔界では次の魔王選出のための大会が行われていた。そしてその大会に人間の「勇者」が参加していた。彼の目的は何か、大会の行方は、魔界と人間界が向かう先は?人間と魔物を巡るファンタジー活劇。

魔王が勇者によって倒された三ヶ月後、魔界では次の魔王選出のための大会が行われていた。幹部の一人である少女の姿をした魔族・ヴァミリオは副責任者から大会のルールを確認していたところ、参加者の中に人間の勇者が混じっていることを知る。
大会参加者は種族問わずとはいえ当然ヴァミリオはツッコミ・・もとい激高し、身分を隠して大会の見守り勇者の真意を探ることに・・というはじまり。
魔族側の視点で描かれるヒロイックファンタジーものなのだろうか。冒頭の主人公と大会運営側とのやりとりはコミカルだし、大会の内容も魔王選出の大会もその舞台にそぐわぬスポーツマンシップに溢れた爽やかさが漂っていて、勇者を含め参加者同士のやりとりも殺伐として居らず至極おっとりとしたもの。大会の内容も変わり種の運動会みたいなプログラムになっているという。
この話の魔族の行動原理は欲だの破壊衝動だのではなく己の生存を基盤としているからこその緩さなのかもしれない。
また人間の勇者の気質がとても牧歌的な雰囲気。人間を滅ぼすと堂々と宣言してるけど。ちなみに勇者のフォルムは地獄のミサワのキャラみたい。性格に嫌味が全くなさそうだけど。とはいえ参加している「勇者」の不穏な経緯や魔界に来た動機が気になるところ。
大会自体はそんなゆるい展開だが、魔界の情勢は翼を持った兵士に蹂躙された場所があり、大会は進み決勝戦では、その場所の敵を殲滅したものが勝者となることに。勇者を含む決勝戦参加者と身分を隠し運営スタッフとして同行する主人公たちが向かう先には何が・・という展開に。
主人公を含め、有能だったり優秀だったりするけどちょっと間抜けなところがあったり会話やモノローグのコミカルなノリというか作風がツボだった。とはいえそれだけでなく端々に不穏でシリアスな要素を組み込み、続きが気になる構成になっている。魔族を襲った翼の兵士がなんなのかは2巻以降に大まかにわかり話の全容が見えてくる模様。地味にお勧めしたいタイトル。

七尾ナナキ
裏サンデーコミックス / 小学館
ジャンル:少年・ファンタジー / 好み度:★★★★☆
僕の彼女は女子が好き 門地かおり
2017年08月16日 (水) | 編集 |


社会人になって自分がレズだと自覚した女性の、純情と色欲の狭間にゆれるエキセントリックな言動を始めとして周辺の面々の様々な恋愛と人間模様を描く百合と下ネタと恋愛の入り乱れ狂想曲コメディ。
主人公は社会人バレー団?か何かに所属する女性。青春時代の彼氏との出来事から自分は潔癖症だと思っていたが、更衣室で同僚の可愛い女子とのひょんなやりとりから自分が女性が好きなレズだったと自覚する。そして吹っ切れた主人公は同性のうまみを利用し女子ウオッチャーとなる・・。そんな中、実業団選手のイケメン男性コーチがやってくる。コーチは主人公にアプローチをするが当然無視され主人公がレズだとわかってもなお・・・。
報われないのに主人公がレズでゲスとわかっていてもアプローチを続けるMっ気が目覚めたコーチ、コーチの清楚可憐な妹目当てになんのかのとコーチとつきあう主人公、主人公の最初の片恋の女性は彼氏持ちだがその彼氏女装子らしいし、ニューハーフ(単に女装子?)の子も登場し、わやわやな人間相関に。
主人公の心の雄叫びのテンションは半端ないしコーチの妹は清楚可憐ゆえに性関係の思考展開がズレて暴走してるしどの登場人物もなんかベクトル違うけどいろんな意味ですごい。百合恋愛じゃなくて下ネタギャグ漫画だろう、これ。
後半では男性コーチのEDの話になっていろいろ不憫。主人公にさえ出会わなければ・・・(涙)そして読み終わって誰もが思うだろう。お前の彼女ちゃうやん・・と・・。
BL作品でも百合恋愛でも著者のカラーはかわんないなあとしみじみ思う。唖然とする面白さがたまらなかった。

門地かおり
ウィングスコミックス全1巻 / 新書館
ジャンル:百合・恋愛・コメディ / 好み度:★★★☆☆