読んだ漫画の適当感想ブログ。現在2011年~2016年発行タイトル対象。
2010年以前発行分の感想は本舎の漫画感想に、2017年以降分は漫画感想2017~にあります。
山響呼 カム
2017年08月17日 (木) | 編集 |


王様と魔女・逃亡前夜・夜のおばけ・山響呼・夜店を収録した叙情ファンタジーストーリー作品集。
王様と魔女は、鳥の姿の王様と少女の魔女の話。中世ファンタジー系世界観。魔女は代々脈々と記憶と知識を受け継いでいるという設定。主人公の少女の魔女は退位間近の王様に呼ばれ、先代の魔女が王様にかけた魔法を解いて欲しいと言われる。自由に跳びたくて鳥になったのに王座に残る王様と先代の魔女から記憶を受け継いでいない魔女。双方の視点と思いを綴る話、かな。
逃亡前夜は吸血鬼の姫の話。敵であるハンターの青年を伴侶にした姫に激高する同族の少女。変わらない心、変わる心、変わりたくない心。過去自分が言ったことを時を経て他者に言われる妙。協力者の地位の高い男性の役どころと血を座れたハンター眠りっぱなしだったのが印象的だった。なんかテンプレとズレてて面白かったというか。
夜のおばけは、良い子にしないとおばけが来るという祖父の言葉に囚われていた少年の話、かな。こどもの成長ってか一皮剥ける話というべきか。
山響呼は、長く長く生きる山響呼という存在と少女の話。生と死とそれに立ち会う人間の思いの話、かな。
どの話も登場人物の内面描写とか独白とか思考を叙情的に深く掘り下げて描く構成に加えエピソードなど見せ場の手数が多く、読み応えがある。のだが奥が深く読み解くのがものすごく難しい作品集でもあった。なので素っ頓狂な感想というか紹介ばかりだと思う。すみません;鋭い感性のもと静謐に語られる文学というかんじ。

カム
ITANコミックス全1巻 / 講談社
ジャンル:少女・ドラマ /好み度:★★★★☆
夢喰い王子の憂鬱 阿仁谷ユイジ
2017年06月25日 (日) | 編集 |


もてあまして手放したい、欲しいけど得られず苦しい、夢や望みを抱える女性の前に現れるのは、そんな夢を食べてくれる王子様、の姿をした何か。
10年鳴かず飛ばずの漫画家の卵、子育てに疲れ気味のシングルマザー、高慢だがひとりぼっちの小学生・・。夢や望みはあるけどままならない女性に焦点をあて、その女性の前に現れる童話の国王子様のような青年。彼はもてあます彼女らの夢を喰らう。
食いしん坊だけど胃弱ってなんぞ(笑) 
いわゆる痛い女子の赤裸々な独白と容赦のない現実に共感を覚えつつ、そういう女子に対する著者のいとおしさが如実に出てるなあと感じる内容かと。一話完結形式のオムニバス、かと思ったら各々のヒロインは人間関係が地味に繋がっている模様。
小学生はそれまでの女性と違うオチがついていてレギュラー化しているのだが、王子様の正体も含めて実はでっかい伏線なかんじ。
女性達の表情の豊かさが印象的。特に描写の生々しさに思わずえっろってつぶやきたくなるよ。獏の王子様もどこかベクトルがズレてる部分もあり、シリアスな話なのにちょっと笑ってしまうところも。
なんにせよ既作品も構成が秀逸なだけに最後はあっという結末が待っているような気がする。


阿仁谷ユイジ
Fxコミックス全2巻 / 太田出版
ジャンル:青年・ドラマ / 好み度:★★★★★
ヤマノススメ しろ
2017年06月18日 (日) | 編集 |


社交性の乏しい女子は、幼馴染みの女子とクラスメイトになる。強引な幼馴染みにひっぱられ山登りの魅力を知ることになる。山ガールストーリー。
高校に入学した主人公。いわゆるコミュ障気味で人とつきあうのがいまひとつだがひとりで楽しめることもできる女子。放課後、ひとりでの予定を考えていたところ、クラスメイトの女子に騒がしく話しかけられる。主人公はすっかり忘れていたが、小学校時代の友人でありある約束を交わしていた相手だった。
その約束は「いっしょに山に登ること」、登山をそれなりに知る友人と素人の主人公による山ガールもの。主人公の都合を考慮しないゴーイングマイウェイタイプの女子に主人公は辟易しつつも、彼女の熱い山の魅力の語りと強引な行動力に影響され、徐々に山登りの魅力に惹かれていく展開。
絵柄とレーベルから、キャラ重視のゆるめの話かなと思ったら存外しっかりした登山もののようだった。主人公が初心者なので登山に興味のある読み手にも蘊蓄がわかりやすいと思う。個人的には登山への興味は薄いがサバイバル的な商品の知識が入るのが良かった。
悪気なく自分の希望のみを貫くタイプがいると苦手なのだがこの作品ではあまり気にならなかった。主人公も一見流されタイプのようでなかなかにいい性格・・もといいい意味で負けん気が強いタイプだからかな。そして存外口が悪い(笑)
巻が進めば徐々に登山仲間も増えていくのだろう。このジャンルでは読みやすい話だと思う。

アーススターコミックス / アース・スター
ジャンル:青年・コメディ・スポーツ / 好み度:★★★☆☆
より道カフェ通り 犬上すくね
2016年12月29日 (木) | 編集 |


メイドカフェバイトの奥さん、同じメニューを頼むお客が気になるウェイトレス、喫茶店のマスターとウェイトレスの年の差カップルなど、カフェをテーマにした恋愛オムニパス9編+2編。
メイドカフェのバイトをする奥さんの話は、旦那さんにバイトがばれたときの奥さんの理由が可愛すぎる。お客に淡い恋心を抱いていたウェイトレスの話はちょっぴりビター、マスターとウェイトレスの恋はなしは、同年代で珈琲豆の選別の話とか、年の差が主題の話とか。後半2編は、自宅の猫を気にするキャリアウーマンの話と、美容師とお客の百合系なお話。
どの話も、とある男性と女性のふれあい・やりとり、両思いに至る話やカップルのとある日常などなど、著者らしいほんわかさと甘酢ぱさとちょっとしたせつなさを内包した作品群はいいですね。

<いぬがみすくね>犬上すくね
バンブーコミックスMOMOセレクション全1巻 / 竹書房
ジャンル:青年・恋愛 / 好み度:★★★☆☆
百合子のひとりめし 
2016年08月26日 (金) | 編集 |
百合子のひとりめし
久住昌之 原作 ナカタニD. 作画
2014-10-22



孤独のグルメ原作者の原作によるバツイチ女性のひとりめしエピソードを描いたグルメもの。
複刊ドットコムの発行なので初出は10年くらい前みたいです。作画は最近の作品、と見ても違和感がないですね。
主人公の女性は、離婚したばかり。独り身になって大好きな象の写真を撮りに大阪へ来た、という場面から始まる。その後、象を撮りに行った先々で経験するひとりめしの様子を描いた内容を一話1エピソード構成。大阪でどて焼きや串カツ、横浜中華街、群馬のサファリパーク内レストランなどなど。
提供されるメニュー以外の観点での店選びとか他の客の視線とか食事中の粗相?とか、食事内容以外の懸念材料が多いなあ。初出当時は女性のひとりめしってあまり見られなかったの?と思うほどに外聞をものすごく気にしているような・・・いや孤独のグルメでも店選びに時間がかかってたか。
主人公のキャラはまあ原作者のカラーなんだけど、男性の著者(原作者)の女性の一人飯や一人酒ものって傾向が似てるなあと思うのは気のせいかの・・。

原作:久住昌之 / 作画:ナカタニD.
複刊ドットコム全1巻
ジャンル:ドラマ・グルメ / 好み度:★★★☆☆
40センチの初恋 / しまだ
2015年08月07日 (金) | 編集 |


過去の出来事から心が欠けてしまった人気漫画家の青年と、青年の漫画の登場人物をこよなく愛する純真無垢な少女のハートフルストーリー。
アニメにもなっている少女系魔女っ子ものの作者は、大衆に受ける話を淡々と描き、編集担当にも必要最低限の連絡しかしない青年。一方、その魔女っ子作品に夢中で、赤面症のきらいがあり自信がもてない自分と違う作中のキャラに憧れをもつ少女。コスプレの服なども作るがそれが原因で、周囲に冷やかされてしまう少女。面識のない二人がひょんなことから出会うことから始まる物語。ボーイミーツガール的な話かな。年がかなり離れているけどね。大人的萌え要素がほとんどないハートフルな作風。
わりと似た境遇を持つ二人が出会い交流するうちにゆっくりと心を通わせていく展開は、ある意味定番ではあるがそれゆえにこころに響く。漫画家が漫画に対して情熱を持っていたころのある出来事から作品を生み出すだけの存在となる過程とか、少女が漫画家と出会ったのちにできた友人とのやりとりとか、エピソードの描写の1つ1つが丁寧だなと感じた。少女のまっすぐな発言や表情と、徐々に変化する漫画家の心情描写が特に印象的だった。

角川コミックスエース全1巻 / 角川書店
ジャンル:少年・ドラマ / 好み度:★★★☆☆
40代女性マンガ家が訪問介護ヘルパーになったら / 吉田美紀子
2015年07月05日 (日) | 編集 |


4コマ漫画家の著者が40代に入り、親の老いと本業が頭打ちになったことを機にセカンドキャリアとして訪問介護ヘルパーの仕事につくというエッセイ4コマ漫画。
20年間マンガ家一筋で外で働くということに関してはほとんど初心者だった著者による、就職活動・介護ヘルパーの資格取得の過程・訪問介護の仕事模様などが描かれています。1ページ4コマ一列とストマン形式の混合構成。
ほんわかした絵柄と作風なので、正直辛い話も淡々と読めました。ページ数の割に情報量は少な目かなあ。その分読みやすくはありますが。題材が題材なだけにくわしくするわけにもいかないか。家族介護ならまた話は別なんだろうけど。というか大丈夫なんだろうか。許可は取っているとは思うけど・・。個人的にあまり知らんかった介護職に関する知識ネタはそれなりに有用でした。
著書の冒頭にある縮小する人生という言葉がしみじみと重い。縮小していないと思いますが、停滞のままでなく進むことは大事ですね。自分も改めよう・・。現在の著者はマンガ家業と介護職と保育士ヘルパーの三足わらじのようです。

<よしだみきこ>吉田美紀子 / 双葉社全1巻
ジャンル:エッセイ / 好み度:★★★☆☆
月(ユエ)とにほんご / 井上純一
2015年07月05日 (日) | 編集 |
月とにほんご 中国嫁日本語学校日記
井上純一 矢澤真人
発売日:2013-02-22



中国嫁日記の著者による、奥さんの日本語学校に通ったときの出来事と、日本語と中国語の一口知識的なものも描かれたエッセイもの。言語のほうは筑波大教授の監修つき。中国嫁日記の番外編的な本かな。
日本語学校に通うことを決めたところから話ははじまります。嫁日記でも登場したセレブ中国人妻、おなじくセレブ韓国青年、中国人留学生。あたりまえだけど学校内では様々な国籍の人がおり、知り合ったクラスの面々との様々なエピソードを綴らrており、その中で言語のエピソードも織り交ぜている構成。
エッセイというよりエッセイと語学ネタレクチャー本が融合したかんじなので著者のエッセイのみを期待するとちょっとお堅い内容かもしれません。異文化コミュニケーションというかいろいろとへえ~と思うことが盛りだくさんで興味深い内容となっています。

井上純一 / アスキーメディアワークス全1巻
ジャンル:エッセイ・レクチャー / 好み度:★★★☆☆