読んだ漫画の適当感想ブログ。現在2011年1月以降発行タイトル対象。
感想はブログにある記事以外にも、タイトル・作者順の目次のある本舎の漫画感想にも多数あります
千年万年りんごの子 田中相
2017年07月16日 (日) | 編集 |


りんご農家に婿入りした青年は、熱を出した妻に行ったことは村の禁忌であり、青年は妻を失う運命が決まってしまう。だが青年はそれに立ち向かうことを決める。

青年は寺の前に捨てられた子だった主人公。養父母はよくしてくれたし大学も出してくれたが家を出たがっていた。そして婿を希望するりんご農家に入婿になる。相手の女性は朗らかで優しい気質、結婚もつつがなく行われた。自分を知らぬ土地で穏やかに暮らしていくと思っていた。
しかし妻が熱を出し、目にとまったりんごをすり下ろして与える。妻は回復したがそのりんごを食したことにより、神の妻になってしまう。つまるところ昔の風習であった不作の時のための神への生贄となったということ。それは形式的な儀式ではなく、神の妻は神がかり的な力で人間ではなくなるので、本当にほどなくして青年は妻と離ればなれになってしまうということがわかる。
現在では昔のように生贄は行わなくなったし青年は家に入ったばかりでその儀式のことを告げる前に(というか告げるつもりもなかっただろうが)、事が起こってしまったというわけ。
それまで何一つ自分のために追い求めることをしなかった主人公は妻を失わないために積極的に行動に出る、という展開。果たして神がかり的なことを回避出来るのかとか、徐々に変化していく妻との交流とかが主題になっていく模様。主人公が習わしの当事者であると同時に余所の人間でもあるというところがミソなのかもしれない。

田中相
ITANコミックス全3巻 / 講談社
ジャンル:少女・ドラマ・ファンタジー / 好み度:★★★★★
俺物語!
2017年07月05日 (水) | 編集 |


無骨すぎる容姿と心優しい性根を持つおっさん系男子と純朴な女子のカップルとその周辺を描いた恋愛コメディ。
男気があるので男子には人気があるごつい風貌の柔道部男子が主人公。恋愛方面も純情で好きな異性もできるがその相手はもれなくイケメンの幼馴染みが好きになる、というパターン。だが主人公は幼馴染みを嫉まず身を引くというタイプだった。
そんな中、痴漢を捕まえた縁から主人公が好きな女子が現れる。少女漫画らしく勘違いとすれ違いと遠慮しいで主人公はヒロインが幼馴染みのイケメンが好きなのだと誤解するという展開になるがなんのかんのと両思いになる。
初心で真面目でまっすぐなカップルのやりとりはいうまでもなく、幼馴染みのイケメンも、実は・・な姉御肌の幼馴染みの姉貴もいい人ばかりでほっこりとするし真面目さ故のいい意味での暴走が笑いを誘う内容となっている。
障害やら茶々入れやらがあっても揺らぎはするけどブレない。心が安らぐなあ。

原作:河原和音 作画:アルコ
マーガレットコミックス全13巻 / 集英社
ジャンル:少女・恋愛 / 好み度:★★★★★
父とヒゲゴリラと私 小池定路
2017年06月30日 (金) | 編集 |


妻を亡くしやもめの兄と兄の幼稚園児の娘とクマ系弟の同居生活を中心に描いた家族日常コメディ。
地味で線の細いちょっと虚弱な兄は、妻を亡くし元気な幼稚園児の娘と二人暮らしなのだが、家事が追いつかず生活に支障が出るようになったので在宅稼業で家事能力がある弟が同居することになる、というはじまりの、兄と弟と兄の娘の家族コメディ。題名のヒゲゴリラは容姿がクマ系の弟のこと。
三人の同居生活は衝突はあってもなきがごとし、幼稚園児の娘に合わせられる器の大きい弟、温和な気質の兄、ぐずることが少ない天真爛漫であっけらかんとした娘の気質もあいまって、家族間のやりとりはあっさりというか気負いがないというかで、言いたいこと言うけど深刻な喧嘩にならなくて見ていてほっこりする。
また娘の通う幼稚園の保育士さんとか兄の会社の同僚や部下たち、妻の両親登場し、各々物語においての立ち位置がきちんとして無駄がない。ほんわかとした雰囲気だが、娘の何でも無い行動や仕草や成長に折に触れ、兄の亡き妻の思い出や妻への思いがしんみりと描かれるエピソードも挟んである。妻の思い出の中にはかなりアグレッシブでコメディなエピソードもあるんだけどね。その気質はきっちり娘へ受け継がれている模様。それ以外でも登場人物たち各々の様々な感情や思いが描かれており物語の奥行が広がっている。力一杯おすすめする作品。

小池定路
バンブーコミックス4コマセレクション / 竹書房
ジャンル:4コマ・家族ドラマコメディ / 好み度:★★★★★
孔明のヨメ。 杜康潤
2017年06月29日 (木) | 編集 |


三国志において賢夫人とされる孔明の妻・月英を主人公にした歴史4コマコメディ。

題名通り孔明のヨメ・月英を主格とした4コマ歴史コメディ。三国志演義に登場する女性は絶世の美人が多い中、容姿は今ひとつだが孔明も認める才能ある賢夫人というイメージの月英のキャラを、いわゆる不細工ではなく確かに美人ではないが子供に見えるほど幼く可愛らしい風貌としているところ、また聡明という面では、農機具や罠など工作技術が卓越しているいわゆる理系タイプで、孔明の研究の助けとなるという設定などとにかく随所に光る構成が秀逸。
さすがに三国志フリークだけあってフィクションだけどとても説得力があるというかありえそうと思わせるほどに緻密に組まれているところが素晴らしい。孔明の嫁取り云々の噂の真相?はほんと巧くできてる。
孔明と月英を始めとした周辺のキャラがほんわかと和むかわいいキャラだし、かといってゆるゆるな話ばかりでもなくきっちり史実に則したシビアなエピソードもあったりドラマチックな展開もあったりとバランス良く楽しめる。
個人的には、孔明夫妻の初々しいやりとりと月英さんの工具案の素晴らしさに妙に胸が躍った。三国志の知識がなくとも楽しめる内容だと思う。おすすめ。

杜康潤
まんがタイムコミックス1~ / 芳文社
ジャンル:4コマ・歴史・コメディ / 好み度:★★★★★
ラブホの上野さん
2017年02月27日 (月) | 編集 |


ラブホテル・五反田キングダムのフロントを勤める上野さんが、恋愛関係で悩める男性・女性の傍らにさりげなく現れ、なし崩しに恋愛指南を展開していくお話。
女心がわからぬ男性への指摘、デートの誘い方、会話術、また彼氏が欲しい女性への助言など多岐に渡る。とはいえやはり男性に対してのアドバイス、というネタのほうが多めか。
言っていることは恋愛心理の初歩なのだろうし、某心理学ほどコアな内容ではないが、それなりにそれゆえにさらりと読めて適度な面白さがあり、気軽に読める内容だと感じる。
異性に対するテクニックがさっぱりわからない、という人には知識の一端として使えるのかなあ。本の通りにすれば思った結果が得られるかどうかはまた別の話だと思うが、説得力はあるかと。構成的にレクチャーぽい押しつけがありそうなのだが、キャラの性格付けが功を奏しているように思う。
なんでラブホのフロントが恋愛指南をするのか、というのは男女の恋愛関係がまとまればラブホ利用者も増えるから、ということなのか。まあ指南が一通り終わればきっちり自ホテルの宣伝をしているのでそういう設定なんだろうな。
無口で無愛想なホテル従業員とその彼氏のカップルはほんと理想だなあ。あと後々漫画やアニメのパロディがちょいちょい挟まってるのは原作・作画、どちらのご趣味か。

原案:上野 漫画:博士
MFコミックス1~ / メディアファクトリー
ジャンル:青年・コメディ / 好み度;★★★★★
ヒトはイカにして滅んだのか? 柴谷けん
2017年02月11日 (土) | 編集 |


人類が滅びイカが進化し文明を築いている世界。彼らの考古学研究チームが、人類滅亡の理由を解き明かす研究発表という体で展開される人間生活のある一幕を綴るコメディ。
直立した知性体のイカの種・イカリアンの考古学者たちが研究発表するという形で、タイムワープカメラというアイテムを使い21世紀の日本に住む人間の生活状況の映像を発表資料にして研究を発表するみたいなかんじ。
様々な人間を対象に彼らの人間関係や考え方などを焦点に研究発表されていくのだが、一話目の対象が、二話目では脇役として登場したりと、研究対象の人間たちはぼんやりと関係があるオムニパス構成となっている。こういうの大好き(笑)
研究発表の主題におけるポイントや各々のエピソードにはシニカルなオチがついていてなかなかに面白い。たとえば、地球の砂漠化は草食動物が草を食い散らかしたからで、つまりは「草食男子」も原因なのでは、とか。ある意味こじつけなはじまりと感じるものもあるが、研究発表という体で構成された起承転結は秀逸で、絶妙な作品だと感じる。
柴谷けん
アクションコミックス全1巻 / 双葉社
ジャンル:青年・コメディ / 好み度:★★★★★
ハクメイとミコチ
2017年02月08日 (水) | 編集 |


森の奥に住む背丈9㎝の女の子・ハクメイとミコチをはじめとした、彼女たちの暮らしを描いたファンタジー日常ストーリー。
身長9㎝の種族が暮らす世界のお話。詳しくは言及していないが大地の精霊、北海道のコロボックルとか北欧のノームみたいなかんじ。森の奥に居を構え同居している、大工仕事系が得意な子と調理・裁縫などが得意な子が主人公のよう。物を作り売ったり買い出ししたり自然に存在する動物たちを使って移動したり・・・彼女たちの素朴な暮らし向きが牧歌的かつ写実的な丁寧な作画で綴られている。
ファンタジー的な舞台背景だがその暮らしの様子は昔の田舎暮らしといった印象を受ける。風景描写や登場人物たちの暮らしのための営みの描写は、ほのぼのというか読んでいて癒やされる。描き込みが丁寧な絵本のよう。おすすめです。


<かしきたくと>樫木祐人
ビームコミックス / エンターブレイン
ジャンル:青年・ファンタジー / 好み度:★★★★★
魔法が万能だなんて言ったやつ誰だ!? 松崎豊
2017年01月25日 (水) | 編集 |


学校中の女生徒に常に追いかけられるほど人気の生徒会長を思う黒魔術魔女の女子高生のはた迷惑な恋のアタックとそれに振り回されるカラスの使い魔や白魔術魔女たちが繰り広げるハイテンションなマジカル学園コメディ。
主人公は黒魔術の魔女。学校内で人気者の生徒会長に恋心を抱くも多くの女子生徒に阻まれままならない。で、彼女は女子生徒を蹴散らすため地獄の悪魔を召喚したり危険度の高い魔術を使ったりとあさっての方向に邁進する。で、玉砕したり失敗したりが常。常識人?の使い魔のカラスがとばっちりだったり逆恨みでいじられる。また同じ学校に純朴な田舎娘のようなキャラの白魔術魔女に助力を仰ぐもはちゃめちゃな展開に、といったかんじでハイテンションなギャグが続く構成。
主人公とカラスと白魔女の会話ややりとりがとにかく小粋で軽快、キャラの台詞回しが秀逸すぎる。脇キャラが俺様な気質の主人公に振り回されるタイプの話は苦手なんだけど、この作品はいやな感じがしない。使い魔烏の、主人公の突き抜けた行動や自分への仕打ちへのツッコミの台詞が巧い、白魔女もいろいろと難儀な目にあっていても烏がフォローしているからなんかほっとするし、ってのがあるからだろうなあ。
絵は正直、あまりうまいとは言えないけどキャラの動かし方が巧い。メインキャラはいうに及ばず、召喚される悪魔すら愛すべきキャラクターという(笑)でもまあ作品を面白く感じさせるMVPキャラはやぱり使い魔の烏だろうなあ。おすすめです。

松崎豊
アクションコミックスコミックハイ! / 双葉社
ジャンル:青年・コメディ / 好み度:★★★★★