読んだ漫画の適当感想ブログ。現在2011年1月以降発行タイトル対象。
感想はブログにある記事以外にも、タイトル・作者順の目次のある本舎の漫画感想にも多数あります
ラブホの上野さん
2017年02月27日 (月) | 編集 |


ラブホテル・五反田キングダムのフロントを勤める上野さんが、恋愛関係で悩める男性・女性の傍らにさりげなく現れ、なし崩しに恋愛指南を展開していくお話。
女心がわからぬ男性への指摘、デートの誘い方、会話術、また彼氏が欲しい女性への助言など多岐に渡る。とはいえやはり男性に対してのアドバイス、というネタのほうが多めか。
言っていることは恋愛心理の初歩なのだろうし、某心理学ほどコアな内容ではないが、それなりにそれゆえにさらりと読めて適度な面白さがあり、気軽に読める内容だと感じる。
異性に対するテクニックがさっぱりわからない、という人には知識の一端として使えるのかなあ。本の通りにすれば思った結果が得られるかどうかはまた別の話だと思うが、説得力はあるかと。構成的にレクチャーぽい押しつけがありそうなのだが、キャラの性格付けが功を奏しているように思う。
なんでラブホのフロントが恋愛指南をするのか、というのは男女の恋愛関係がまとまればラブホ利用者も増えるから、ということなのか。まあ指南が一通り終わればきっちり自ホテルの宣伝をしているのでそういう設定なんだろうな。
無口で無愛想なホテル従業員とその彼氏のカップルはほんと理想だなあ。あと後々漫画やアニメのパロディがちょいちょい挟まってるのは原作・作画、どちらのご趣味か。

原案:上野 漫画:博士
MFコミックス1~ / メディアファクトリー
ジャンル:青年・コメディ / 好み度;★★★★★
ヒトはイカにして滅んだのか? 柴谷けん
2017年02月11日 (土) | 編集 |


人類が滅びイカが進化し文明を築いている世界。彼らの考古学研究チームが、人類滅亡の理由を解き明かす研究発表という体で展開される人間生活のある一幕を綴るコメディ。
直立した知性体のイカの種・イカリアンの考古学者たちが研究発表するという形で、タイムワープカメラというアイテムを使い21世紀の日本に住む人間の生活状況の映像を発表資料にして研究を発表するみたいなかんじ。
様々な人間を対象に彼らの人間関係や考え方などを焦点に研究発表されていくのだが、一話目の対象が、二話目では脇役として登場したりと、研究対象の人間たちはぼんやりと関係があるオムニパス構成となっている。こういうの大好き(笑)
研究発表の主題におけるポイントや各々のエピソードにはシニカルなオチがついていてなかなかに面白い。たとえば、地球の砂漠化は草食動物が草を食い散らかしたからで、つまりは「草食男子」も原因なのでは、とか。ある意味こじつけなはじまりと感じるものもあるが、研究発表という体で構成された起承転結は秀逸で、絶妙な作品だと感じる。
柴谷けん
アクションコミックス全1巻 / 双葉社
ジャンル:青年・コメディ / 好み度:★★★★★
ハクメイとミコチ
2017年02月08日 (水) | 編集 |


森の奥に住む背丈9㎝の女の子・ハクメイとミコチをはじめとした、彼女たちの暮らしを描いたファンタジー日常ストーリー。
身長9㎝の種族が暮らす世界のお話。詳しくは言及していないが大地の精霊、北海道のコロボックルとか北欧のノームみたいなかんじ。森の奥に居を構え同居している、大工仕事系が得意な子と調理・裁縫などが得意な子が主人公のよう。物を作り売ったり買い出ししたり自然に存在する動物たちを使って移動したり・・・彼女たちの素朴な暮らし向きが牧歌的かつ写実的な丁寧な作画で綴られている。
ファンタジー的な舞台背景だがその暮らしの様子は昔の田舎暮らしといった印象を受ける。風景描写や登場人物たちの暮らしのための営みの描写は、ほのぼのというか読んでいて癒やされる。描き込みが丁寧な絵本のよう。おすすめです。


<かしきたくと>樫木祐人
ビームコミックス / エンターブレイン
ジャンル:青年・ファンタジー / 好み度:★★★★★
魔法が万能だなんて言ったやつ誰だ!? 松崎豊
2017年01月25日 (水) | 編集 |


学校中の女生徒に常に追いかけられるほど人気の生徒会長を思う黒魔術魔女の女子高生のはた迷惑な恋のアタックとそれに振り回されるカラスの使い魔や白魔術魔女たちが繰り広げるハイテンションなマジカル学園コメディ。
主人公は黒魔術の魔女。学校内で人気者の生徒会長に恋心を抱くも多くの女子生徒に阻まれままならない。で、彼女は女子生徒を蹴散らすため地獄の悪魔を召喚したり危険度の高い魔術を使ったりとあさっての方向に邁進する。で、玉砕したり失敗したりが常。常識人?の使い魔のカラスがとばっちりだったり逆恨みでいじられる。また同じ学校に純朴な田舎娘のようなキャラの白魔術魔女に助力を仰ぐもはちゃめちゃな展開に、といったかんじでハイテンションなギャグが続く構成。
主人公とカラスと白魔女の会話ややりとりがとにかく小粋で軽快、キャラの台詞回しが秀逸すぎる。脇キャラが俺様な気質の主人公に振り回されるタイプの話は苦手なんだけど、この作品はいやな感じがしない。使い魔烏の、主人公の突き抜けた行動や自分への仕打ちへのツッコミの台詞が巧い、白魔女もいろいろと難儀な目にあっていても烏がフォローしているからなんかほっとするし、ってのがあるからだろうなあ。
絵は正直、あまりうまいとは言えないけどキャラの動かし方が巧い。メインキャラはいうに及ばず、召喚される悪魔すら愛すべきキャラクターという(笑)でもまあ作品を面白く感じさせるMVPキャラはやぱり使い魔の烏だろうなあ。おすすめです。

松崎豊
アクションコミックスコミックハイ! / 双葉社
ジャンル:青年・コメディ / 好み度:★★★★★
ダンジョン飯 九井諒子
2017年01月22日 (日) | 編集 |


ダンジョンの冒険中、ドラゴンに喰われた妹を助けるため再度ダンジョンに潜る戦士と、戦士につきあってくれる仲間たち。金子が心許なく携帯する食料代を節約するため狩ったモンスターを現場で調理して食べつつダンジョンに進む一行を描いたファンタジー探索グルメ?活劇。

大規模な階層ダンジョンがあり、様々な冒険者たちがダンジョンに潜り探索することが日常の世界。ダンジョンの深部でドラゴンに襲われ妹が喰われてしまった戦士の男性は、消化される前に妹を救うことを決める。しかしほうほうの体で逃げたため資金が乏しくパーティから脱退した者もいたが採算度外視でつきあってくれる仲間もおり、三人パーティで挑むことに。
で、戦士の男性は食料代を節約するため、探索途中で狩ったモンスターを食べることを提案する。モンスターを食べることに関して素人だけでは話が円滑に進みにくいためか、途中でモンスター料理を研究するドワーフが仲間に入り、モンスターを狩っては料理をする、というエピソードが主軸となっている。変則ファンタジーグルメというかサバイバルグルメというかゲテモノグルメというか。
架空のファンタジー世界観でモンスターが調理対象、なのだが某RPGのモンスターのように現実世界に似たモンスターが多く架空とはいえそれなりに既存の食材や調理による味覚に想像の余地があるところが素晴らしい。特に「動く鎧」の正体というか生態の設定は思わず巧い!とうなってしまうほど秀逸だった。
主人公の戦士は前々からモンスターを食べることに興味を抱いていたとか一歩間違えるとアレな設定もいい意味で生暖かい目で見れたり、未知の食材に拒否を示すごく当たり前の反応に思いっきり納得したり、ドワーフの研究熱心さと手際の良さに感嘆したりとどのエピソードもものすごく見応えがあった。
著者の話は前々から好きだったんだけど短編ばかりだったので長編はどうだろう・・とちょっと思っていたけど杞憂でしかなかったwめっちゃ面白い。墓まで持って行きたい傑作。

<くいりょうこ>九井諒子
ビームコミックスハルタ / エンターブレイン
ジャンル:青年・ファンタジー / 好み度:★★★★★
富士山さんは思春期 オジロマコト
2016年12月15日 (木) | 編集 |


180㎝代高身長のバレー女子と160㎝代のバレー男子、彼氏彼女となった幼なじみの二中学生の二人を中心に描かれる思春期ラブコメ。
中学生の高身長の女子と低身長男子が主人公。男子は悪友たちとバカをやったり仲間内の会話で周囲の女子の品定めをしてみたりといったよくあるタイプ。県大会にも出たバレー部のエースの女子に対し、男子もバレー部に所属するものの弱小部、という設定。
友人たちは無い、とうそぶく高身長のバレー女子に対し、男子は幼なじみでもある彼女にになんとはなしに惹かれているよう。そんな折り、ぺろっとつきあわないかと女子に言ってしまい自分の発言に慌てる男子に対し、女子はあっさりといいよ、と答える。
そんな始まりで彼氏彼女の間柄になった二人の青春まっただ中的な甘酸っぱい恋愛模様を描いた話。あまーい、のだがベタベタしていないというかなんというか。男子はこの年頃にありそうな羞恥から気持ちと相反する行動をするということがわりと少ないし、女子はあまり表情を変えずすぱっと感じたことを伝える言動が多いのが印象的。好きすぎてじたばたって感じもほほえましくていいけど、こういうふとしたふれあいやら出来事やらで起こる行動が可愛らしいというかほっこりするというか。
何気ない行動や場面をゆっくりとフォーカスしたような絵面がよりリアル感を醸し出している良作。

オジロマコト
アクションコミックス全8巻 / 双葉社
ジャンル:青年・ラブコメ / 好み度:★★★★★
ACCA13区監察課 オノ・ナツメ
2016年09月18日 (日) | 編集 |


地方自治制の王国。13区に分かれているが唯一の統一組織ACCAがあり、、各地区を視察する監察課に所属する青年・ジーン。彼を取り巻く面々による陰謀と画策が静かに展開されるハードボイルドドラマ。

西欧系の架空の国が舞台。王政で13の区に分かれており、地方自治制のため各々の区が区内を治めているのだが、唯一の統一組織ACCAが存在する。ACCA内にある、各地区を視察する監察課に所属する青年が主人公。
部署はのんびりした雰囲気の部署で主人公当人もお気楽そうな雰囲気。ただどこで手に入れるのか国内では貴重で高価なたばこを愛用することからの異名がつくほどに、食えないキャラとして認識されている。
いわゆる昼行灯だが無能ではなくむしろ切れ者で、冒頭ではその能力を視察先で発揮する展開に。そういう話なのかと思ったら主人公の周りで様々な面々による各々の思惑から彼を監視したり接触したりといった流れになっていく。その思惑とは、主人公が政治的な面での画策をしている疑念とか、現国王の退陣とか後継問題に絡むこととかいろいろあるようで。
1巻の段階では、主人公がなにか腹に持っているのかもしくは隠していることがあるのか、周囲が勘違いで盛り上がっているだけなのか、それとも主人公のあずかり知らぬところで重要な立ち位置になっているのか、いろいろ想像され、続きが読みたくなる構成。
主人公のモノローグはほとんどなく、あっても雲をつかむような描写ばかり。そのへんでも主人公のある種の未知による格好よさが演出されているように思う。

<おのなつめ>オノ・ナツメ
ビッグガンガンコミックススーパー / スクウェアエニックス
ジャンル:青年・サスペンス・ドラマ / 好み度:★★★★★
山賊ダイアリー 岡本健太郎
2016年09月18日 (日) | 編集 |


漫画家にして現役猟師の著者による狩猟エッセイ。
漫画家の著者は東京を離れ地元岡山で狩猟免許を取り猟師となる、という始まりのエッセイ。
銃所持の資格取得や所持の諸注意、銃選びと著者の持つ空気銃をはじめとした狩猟に使う銃の特性、実際の狩猟体験談や狩猟仲間との交流、戦利品の解体や調理など、エピソードは多岐に渡る。蘊蓄に偏らず演出にこらず淡々と描くシンプルな構成で退屈せず最後まで楽しく読める。むろん今までにない題材のエッセイというのもあるだろうが。
絵は正直あまり上手いとは言えないが、エッセイものとしてはこれがいい案配に馴染んでいるとも言える。個人的には料理エピソードでは絵面が簡素すぎて調理の詳細がちょっとわかりづらかったのが残念だなと感じたのだが、ほ乳類を裁く絵面がきついという人もいるだろうしその意味ではこれで正解なのだろう。
狩猟エピソードがメインになりそうなところを他の諸々もきちんと描くことで興味をそそり奥の深いものになっているように思う。ほんと面白いです。はい。
冒頭であった猟師は野蛮ていう女子との会話が現代、というか都会の人の認識なんだなあ・・。

<おかもとけんたろう>岡本健太郎
イブニングKC  / 講談社
ジャンル:青年・実録エッセイ / 好み度:★★★★★