読んだ漫画の適当感想ブログ。現在2011年1月以降発行タイトル対象。
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あれよ星屑 山田参助
2017年04月15日 (土) | 編集 |


敗戦から1年あまり、焼け野原の東京で、酒浸りの暮らしをする川島は、復員したばかりのかつての戦友クロだと再会する。戦後の混乱期のアンダーワールドを描くヒューマングラフィックストーリー。
闇市で店の主人をやっているが店は他者に任せ覇気のない男性と、復員したばかりで金をだまし取られ文無しとなった朴訥な熊系男性。彼らはかつての戦友であり、ひょんなトラブルから再会するところから物語は動く。
主人公二人を含め、彼らの知人・友人たちの現在までの経緯、現状などが坦々と描かれていく。だまされたり、わかれたり、難儀なことを経験し、ずっと筒居て現在に至るも生きている。主人公ふたりの性格の相違がいい案配でバディものの雰囲気を出しているように思う。昭和後期あたりまではこのテの題材を描いた話はテレビドラマとかサスペンス系の話でもけっこうあったので様々な場面でああ、こういうのあったなあと思い出したりした話だった。混乱期の油断ならない状況描写とかエロスシーンでの生々しさとか。ノスタルジーってやつじゃないけど・・なんていうんだ;
絵柄は写実系、劇画ほどくどくなく繊細で無駄のない線と作画の質が高い。闇市や進駐軍施設など戦後混乱期の日常をさらりと、でもリアリティを感じる構成が素晴らしい。2巻は主人公ふたりの過去話、戦場が舞台のよう。

<やまださんすけ>山田参助
ビームコミックス / エンターブレイン
ジャンル:青年・ドラマ / 好み度:★★★☆☆
女子大生の日常 津々巳あや
2017年04月15日 (土) | 編集 |


四国・徳島の国立教育大に通う「家庭教師サークル」に所属する女子大生3人を中心としたドタバタキャンパスライフコメディ。
舞台は徳島の国立教育大。実力ではなくお世辞なしに運だけで入学したフリーダムな女子大生は、家庭教師のバイトをすることを思いつくが、どうしていいものかわからず、学内に家庭教師サークルが存在することを知り行ってみる。
サークルのメンバーは同学年の女子で幼馴染みの二人、はいいのだが、その活動は妙ちきりんで・・・、というはじまり。とりま奇妙でも変則でも家庭教師(のバイト)を目指すのが主軸かと思ったらそうでもなかった。自由すぎる自由人の主人公、幼馴染みに執着を持つ表向き笑顔が絶えないお嬢様、幼馴染みに良いように情報を吹き込まれつつ素直に受け止める女子校ではお姉様と呼ばれそうなボーイッシュ系の常識人。癖が強すぎる。で、この3人だけではまわし切れないのかじわじわと脇キャラが増えていく仕様。
どこか抜けていたり突き抜けていたりするキャラ達によるゆるくもアグレッシブなキャンパスライフコメディといったところか。わざわざ地方の大学に舞台を置いた意味がいまいちよくわからないが、著者の経験を活かせる舞台なのか地方ならではの立地背景のネタをやりやすいからなのか。
テンポが良く気いい意味でグダグダ感満載。負いせずにゆるく読める内容。こういうのは大好き。幕間にある著者自身の家庭教師のバイト体験談が本編より楽しいのは内緒だ。

MFコミックスアライブシリーズ全4巻 / メディアファクトリー
ジャンル:青年・コメディ / 好み度:★★★★★
死役所 あずみきし
2017年04月15日 (土) | 編集 |


お客様は仏様です。現世とあの世の境目に存在し、死人が手続きをしどちらの先に行くかを手続きする「死役所」を舞台にしたヒューマンドラマ。
話の語り手のメインは役所の総合案内係を担う笑みが張り付いた眼鏡の男性。むろん他の所員も登場するのだが。ちなみに役所の職員になっている人たちはある基準があるようで、物語の終わりあたりか伏線とかで職員たちにも焦点が当てられていくのかな。
物語の主格は、死んで役所にやってくる人たち。事故死・自殺・他者をかばっての死、虐待死・・・様々な年齢・性別・経緯を持つ人たち。それまでの環境や生前の思いを含めた当人の人生と、死に至った経緯と、死んでからの自身のこと残した人たちへの感情と、死者当人以外の客観的な現世の状況とで構成されている。
物語の設定上、やるせない話が多いのだが読後感は悪くない。寂寥感はものすごいけど一話の量が適度だし、読みたくないとは感じなかったので、物語の構成が秀逸なんだろうなと感じる。死者自身の視点と他者の視点のずれとか相違とかも見所かなあ。
死者は死んだときの状態でやってくるので、リアル系な絵柄ではないものの凄惨な事故死の場合は絵面的にきつい人がいるかも。

あずみきし
バンチコミックス / 新潮社
ジャンル:青年・ドラマ / 好み度:★★★★☆