読んだ漫画の適当感想ブログ。現在2011年~2016年発行タイトル対象。
2010年以前発行分の感想は本舎の漫画感想に、2017年以降分は漫画感想2017~にあります。
アキタランド・ゴシック 器械
2017年08月06日 (日) | 編集 |


そこは日照時間の少なさと対照的に変わった県民が生活する北国のとある県。角の生えた女子アキタとその友人2人を中心に可愛くもかしましく、すこしふしぎな日常を描くゴシックコメディ4コマ。
とある北国の県が舞台、とあるがその風景は魔境に近い。確かに日照時間が少ないし(冬は)寒いけども。
そして主人公の一人の女子は悪魔のような角を持つ。全体的なデザインはゴシックホラーっぽいのだがその作風はほのぼのほんわか。最初の話はその角が虫食い・・虫歯の角版のような病気になり苦しむ主人公の話から始まるほどで。
屈託なく無邪気、子供の理屈っぽさと思いついたら行動・・というアクティブな少女らしいやりとりが展開される。たまに読み手からするとちょっとブラックなオチもあったりするけども(笑)
ファンタジーな設定だがあまりそれに触れず少女特有の愛らしさと活気を前面に出した出来事描きつづけたまにダークを匂わせることもあるオチもあるという絶妙さ。著者は業界ではわりと有名っぽい。確かに世界観のさりげないオリジナリティはすごいし、読ませる構成は見事。あとちょこちょこと退屈させない仕掛けがあるのも良い。なんか地味に推したい漫画というかんじだった。

器械
まんがタイムKRコミックス全2巻 / 芳文社
ジャンル:4コマ・ファンタジー / 好み度:★★★★★
きみの家族 サメマチオ
2017年08月06日 (日) | 編集 |


どこにでも在る両親と姉と弟の4人家族と周辺の歳時記を綴るオムニバス。
父・母・姉・弟で構成されるごく普通の4人家族の、各々の行事や出来事や思い出のエピソードを1編ずつ語る形式。
物語の現在は、姉の結婚が決まりその準備がそれなりに進んでいる模様。題名はおそらく姉の婚約者の視点なのだろう。
結婚して相手の家に入ったときのカルチャーショック?事項の1つ、お雑煮の具の話からはじまる。地域の違いはいうに及ばず同地域でも出身が違うと変わるんだよなあ・・あるあるある。
娘の婚約に際し、両親夫婦の思い出というかエピソードがあったり、弟の受験と進路の話だったり、旦那になる人の家庭のファーストコンタクトの出来事だったりと、人生の節目のイベントがほんわかとゆっくりと描かれていく。
結婚という目出度いイベントを控えた幸せな雰囲気が微笑ましい。しかし姉は美人だけどちょっとおばちゃん入ってません?そこが愛おしいんだけど。あと旦那側の遺伝子ネタはとっても笑えました。話としてはお母さんの回想話が好き。

サメマチオ
芳文社コミックス全1巻 / 芳文社
ジャンル:青年・ドラマ / 好み度:★★★★★
歌うたいの黒うさぎ 石井まゆみ
2017年08月06日 (日) | 編集 |


人見知りで無愛想な職探し中の女性はバイト先のメイドカフェの客の男性に2日だけのバイトに誘われる。変化を求めバイト先に行ってみるとそこは、病弱な幼い御曹司の誕生パーティーを行う大きな屋敷だった。

人見知りで無愛想、客商売には向いておらず年齢も20代も半ばでトウが立っているが、求職中のため黒ウサギのメイドとしてメイドカフェで働く女性。そんな彼女にカフェの客の男性が2日だけのバイトに誘う。就活もままならず今までの住処も移動しなければならないカツカツの状況だが何かしらの変化を求めて、件のバイト先に向かう。
そこは大きな屋敷で、病弱な幼い御曹司のためにサプライズパーティーを始めようとしていたところだった。にぎやかし?で呼ばれたようだが会場以外の場所でひょっこりその御曹司と出会い気に入られた主人公。なんのかのとあって話の流れ的に屋敷のメイドになるのかなあと思ったが、そうはいかず、主人公はスーパーの職を得て働き始める。でも御曹司は主人公が気に入っており度々主人公に会いに行く・・というかんじ。
メイドたちには疎まれフェードアウト的に御曹司から離れてくれと言われたりと厳しい対応もされたり、御曹司の父やお守り役の青年もわりと言いたいことやりたいことやるけど双方ビジネスライクっぽいノリで嫌悪が沸かないとこがいいんだよね。前作でも著者の作風って厳しい場面でもするっと読めてどう状況が転ぶのかが気になるところが好きだ。
恋愛でもなくドラマチックでもない淡々と描かれる物語。主題は・・よくわからないが、なんとなく疑似友情家族ものに近いような、広い意味での人間交流ってかんじがする。主人公の自分捜し・・というか居場所探しっぽい要素もありそうな。

石井まゆみ
マーガレットコミックス / 集英社
ジャンル:女性・ドラマ / 好み度:★★★★☆





三等星のスピカ イシノアヤ
2017年08月06日 (日) | 編集 |


のっぽの天然キャッチャーとチビの頭脳派ピッチャーのふたりの野球少年・マネージャー・カメラ女子・おばあちゃん・・海沿いののどかな街を舞台に描かれる青春群像劇。
野球少年が主人公、なのだがスポーツものとも言えず恋愛重視とも言えず、野球少年を軸にのどかな情景と登場人物の描写が連なっていく。各々のキャラに焦点を当てた後に繋がりをつけていく構成かな。ちょっとザワさんを思い出す雰囲気。こちらはそれにドラマ性を加味した内容というかんじ。
女性漫画特有の情緒があるカメラワークというか間というかが絶妙。高校生の学校生活や日常風景、その中にある彼らの心情描写は秀逸。野球部の活動がなんとなく軸になっているので散文的な構成でもとっちらかった印象はない。
うーんこのタイプの物語は感想が書きにくいね;読んでみて感じてくれというしか能がないっす;

イシノアヤ
KissコミックスDX全3巻 / 講談社
ジャンル:女性・青春 / 好み度:★★★★☆
よこしまゼミナール 松田円
2017年08月06日 (日) | 編集 |


いろんな意味で個性的な講師たちがいる予備校を舞台にした4コマコメディ。
名前が下ネタっぽいが単なる名前をひらがなにしただけ。経営側、というか講師たちと事務担当側が主体。
白衣がトレードマークのお色気担当(?)の女性講師、成人だが童顔の制服マニアの男性講師、未成年だが飛び級で講師が出来る実力があるボディガード付のお嬢様講師。あとツッコミ役の事務女性と受難タイプのバイト男子と、本店(本社)から来る非常勤の生真面目だがめんどくさい男性講師もいるか。
著者の作るキャラクター設定はあいかわらず上手い。特にメインたる女性講師と男性講師の作り込みが特に。良くも悪くもエゴが強く己の利益のために狡猾に立ち回るタイプだが、わりとWINWINでオチるってとこがミソ。童顔の男性講師は、童顔をコンプレックスにせず趣味と実益を兼ねて利用する、女性講師もわりとしかり。一見ゲスいようでなんか憎めないキャラの動かし方が絶妙。
他のキャラも設定した要素を余すところなく4コマエピソードの軸にしている。
またネタが尽きてメインの舞台設定から逸脱することなく、コンスタントに予備校ならではのエピソードが続いていくところも良い。

<まつだまどか>松田円
バンブーコミックス4コマセレクション全2巻 / 竹書房
ジャンル:4コマ・コメディ / 好み度:★★★★★
すみれファンファーレ 松島直子
2017年08月06日 (日) | 編集 |


母子家庭で育つ優しく思いやりのある少女すみれの日常。
主人公は母子家庭の小学4年生の少女。両親は離婚しており、父に会うために一人で新幹線に乗り広島へ向かっている。久々に父に会う機会があるも、父が仕事で抜けられず、父の再婚相手の女性が迎えにくる・・というはじまり。
ドラマというより、主人公の家庭環境の紹介を兼ねたエピソードから主人公の気質・周囲の状況を描きつつ、主人公の日常を描く構成のよう。
主人公はいわゆるよく出来た娘で、家計を支える母や友人、父や父の再婚相手に至るまで、相手にとってよりよい方へ行くよう努めるタイプ。作風というか話の雰囲気は、ほっこりとゆるやか、健気に頑張る主人公に温かな気持ちがわき上がる。
日常の描写や人物の配置など、設定やちょっとした所作などの作り込みが秀逸で、描く内容というか主題がシンプルなだけに映えている印象。設定の割に主人公の視点が広く、読み応えもあるように思う。絵柄もシンプルで牧歌的な雰囲気なのも良い。

松島直子
イッキコミックス / 小学館
ジャンル:青年・ドラマ / 好み度:★★★☆☆
ガンナーズ 天王寺キツネ
2017年08月06日 (日) | 編集 |


謎の侵略軍プロゥブからの侵略から半世紀を経て戦況は膠着状態。自衛官育成と人間型兵器・メルカバの操縦士・整備技術者育成を担う高等専攻学校に通う男子の物語。
謎の軍による侵略を受けている仮想日本が舞台。日本側はレイバーの軍用機みたいな人間型兵器で対抗している状況らしい。主人公の男子は自衛官や人間型兵器の操縦者や整備士を育成する軍事学校に通う学生。在学中に戦況が悪化し、学校内にある兵器で戦う展開になる。
リアリティのある架空世界でのミリタリーものなのだろうが、主人公の死亡した妹に神様が憑依して共に戦うみたいなファンタジー設定もある。主人公巻き込まれ型に近いが、置かれた環境に加え来て欲しくないけど来たみたいな状況だから混乱が存外少ないとこが読みやすかった。設定や要素が盛りだくさんだが各々の要素には物語においてきちんと役割があるようなので把握しやすくはある。
余談だが題名から銃ものかと思ってた。うぽってが柔なら剛の話なのかなと。まあ当たらずとも遠からずかもしれないが。

天王寺キツネ
角川コミックスエース / 角川書店
ジャンル:少年・ミリタリー・ドラマ / 好み度:★★☆☆☆
さらば、やさしいゆうづる 有永イネ
2017年08月06日 (日) | 編集 |


ひとつめは木曜になく・さらば、やさしいゆうづる・なき顔の君へ・はたらくおばけを収録した著者初の短編集。
ひとつめは木曜になくは、毎週木曜日に人の苦悩などマイナス感情が一つ目の化け物として見えてしまう男子二人の話。他者の苦悩の原因を取り除こうと行動を起こす子と、起こさない子。物語の主格は起こさない子のほうで、ある日その子は化け物が見えなくなり、友人の方は変わらず見えたままという状況になる。見えたままの友人に対して、化け物が憑いた人間に対して、いろんな感情がないまぜになる心情描写が見所。
さらば、やさしいゆうづるは、母を早くに亡くしたため、食事の時のタブーとか下着の付け方といった社会通念というか一般常識みたいなことを知らずに成長した女子の話。彼氏に指摘されコンプレックスに苛まれる一方、昔から何かと面倒を見てくれた年上の幼馴染みの青年という身近な人間もいる。その青年に自分が一番欲しいものが出てくる箱を渡される。話の最後に青年の主人公に対する感情というか思いというかが暗喩されているところは絶妙。
なき顔の君へは、ある理由から双子の兄弟を厭い顔がなくなればいいと願った女子は、弟の顔がのっぺらぼうに見えてしまう。他者には普通なので自分だけという状況に戸惑うが・・。端から見たらやつ当たりのなにものでもないし指摘されても止まらない気持ちもわかる。一方で嫌われているとわかっていても姉に優しくしたい弟にもやるせない気持ちがわく。
はたらくおばけは、死後幽霊となった男子は、幽霊は会社員のごとく生者に対し働きかけをするものだと知る。ある種の人間ドラマであり、主人公と確執があったリアリストな父親との話がメインのよう。主人公の死因、主人公の幽霊会社員としての上司?の女性の過去とか切なすぎるだろう・・。
どの話も、世界が主人公にあまり優しくなく、劇的に変われるものでもない状況で各々がそれなりの解決とか折り合いとかをつける話なのかなあと。上手く言葉にできないけど::主題の肝だと思われる、良くも悪くも飾らない心情の吐露の描写が秀逸。

有永イネ
KCx(ITANコミックス)全1巻 / 講談社
ジャンル:少女・ドラマ / 好み度:★★★☆☆