読んだ漫画の適当感想ブログ。現在2011年~2016年発行タイトル対象。
2010年以前発行分の感想は本舎の漫画感想に、2017年以降分は漫画感想2017~にあります。
プニちゃん テクノサマタ
2017年08月12日 (土) | 編集 |


一人っ子の鍵っ子の小学生男子のところにふしぎな生きたクッションプニちゃんがやってきた。ゆうくんとプニちゃんのほわほわな日常を描いた4コマ漫画。

引っ越し・両親共稼ぎにより、ひとりっこの小学生男子・ゆうくんは鍵っ子になり新しいお友達もまだ出来ずじまい。家に帰ってもだれもおらず遊ぶ友達もいないちょっと寂しい主人公。そんな折、家のクッションが可愛い鳴き声を出す不思議な生き物になりゆうくんの前に現れる。
とにかくどこまでも可愛くほわっとした気持ちになる絵と内容。ファンタジーな生き物が寂しいこどもの前に現れ癒やされるというパターンはあるが無機物が生き物に変化という設定は新しいかも。
ちなみにおとうさんもおかあさんも子煩悩で息子の言動すべてが愛しく心根も優しい。両親と主人公のプ二ちゃんのやりとりはほんと微笑ましい。そしてプ二ちゃんの存在がきっかけて勝気でませてるけど良い子なツインテール女子や面倒見のよい男子などおともだちも増えてくる。
ただただ可愛いだけでなく、ちょっとしたドラマっぽいというかハラハラする展開もあり。でもゆるふわ。このハラハラ感は、こどものはじめてのおつかいを見守る大人の心情にさも似たり。
繊細な筆致とファンタジックな絵柄で主題によく合っている。疲れたときとかゆったりした気持ちになりたいときに読みたい作品。あとがき漫画もなんか印象に残る。

テクノサマタ
ウィングスコミックス2巻 /新書館
ジャンル:4コマ・ファンタジー / 好み度:★★★☆☆
住職系女子 竹内七生
2017年08月12日 (土) | 編集 |


家を出た父の代わりに実家の寺の副住職を務める女性僧侶をはじめとし他の寺院の僧侶、彼女の家族、檀家の人たちなどの人間模様を描いた寺と仏と人生に纏わるご近所+家族ドラマ。
主人公は女性僧侶。家庭を持つ身の僧侶にも関わらず女を作り家を出た父親の代わりに実家の寺を継ぐべく副住職とつとめる女性。母は既に死亡、家族は住職の祖父、父とその浮気相手との間に生まれた少年、つまり半分血の繋がった弟の二人。あと寺関係の親戚もわりと親しい間柄。弟の実母は弟を置いてほとんど連絡なし、父も行方知れずという状況。
複雑な家庭内のエピソード、檀家の故人と残った家族の話とか堕胎した女子高生の話とか。人生や生命、生と死など、ありふれた、でも生きる上の命題みたいなテーマが、ある時は一般人の視点で、また僧侶というか仏の道の視点で丁寧に描かれていく。
等身大の人間ドラマ、世知辛さやままならなさ、優しさやいたわりなど様々な人間の感情も行いも関係性も、等身大というか押しつけがましくなくさらりと描かれているところに好感が持てる。お盆やお地蔵様の由来、仏陀の教えのエピソードなど仏教関連の知識も無理なく入れていて勉強になる。
人間描写というかドラマ展開はわりと優しめ。衝突や行き違いはあるけどわりとあっさり落ち着いた決着がつくので読みやすかった。1巻で印象的だったのは虐待を受けていたにも関わらず母の味方である弟の心理。あるあるだよなあ・・。
えらく仏教関連の描写が自然体だなと思ったら著者の実家がお寺だそうで。なるほど。

竹内七生
BE LOVE KC全6巻 / 講談社
ジャンル:女性・ドラマ / 好み度:★★★☆☆
兄が妹で妹が兄で。 車谷晴子
2017年08月12日 (土) | 編集 |


血の繋がらない双子の兄妹が、事故により精神が入れ替わってしまった。兄は妹を妹としか見ていなかったが妹は兄を異性としてみており、入れ替わったことをきっかけに自分の姿の兄に迫るのだが。入れ替わり義兄妹ラブコメ。

甲斐甲斐しく双子の妹の面倒を見るブラコン男子。二人の誕生日を家族で祝っている際に、双子の妹が実は血が繋がっていないことを家族の中で自分だけが知らなかったことにショックを受ける。その直後、兄はあくまで妹として自分が好きなのだと知り、家を飛び出した後二人は車にはねられる。命は助かったものの兄と妹は中身が入れ替わってしまっていた。
これをきっかけに妹は兄に恋人関係を迫るようになる。
いわゆる入れ替わりコメディだが義兄妹というパターンなのと、引っ込み思案でおとなしいと思われた妹の気質は180度違っていて、兄の肉体の利点を活かし自分の身体の兄に迫るという構図が目新しい。見た目と中身の逆転の要素の使い方が上手い。
また事故の際の医師や二人共通の友人の男子や女子などなかなかに奇天烈・・・もとい個性的なキャラがそろい踏み、脇を固めている。ドタバタラブコメの様式美だけでなく兄と妹のモノローグや心情の変化の描写も印象深く、読ませる内容だと感じた。

<くるまたにはるこ>車谷晴子
ARIAコミックス / 講談社
ジャンル:少女・ラブコメ / 好み度:★★★☆☆
王国の子 びっけ
2017年08月12日 (土) | 編集 |


ある王国を舞台にした王位継承者とその影武者を巡る人間ドラマ。
ある王国の王室には、王位継承者には影武者を持つしきたりがある。影武者がいかなる者かというのは、冒頭の、遠征の際の父王の負傷に伴い影武者が先陣に立ち事なきを得たというエピソードで伝える。
王は戦の傷から先が長くないことを知り、王子の誕生とともに王位継承権を剥奪した2人の王女の剥奪していた王位継承権を復活させたことに伴い、王子を含め3人の影武者が作られることになる。
第二王女の影武者は、彼女が親しかった青年が探すことになり、彼は芝居小屋の役者をしていた少年を見つける。少年は気が進まないが飴と鞭で断れる状況ではなく影武者を勤めることになる。元役者ということもあり語学も堪能で影武者としてはそつなくこなす。王の没後まだ少年の王子が王を継ぐことになるが、様々な策謀も始まっていた。
先王と過去の王妃達と王の影武者、第二王女と世話役と影武者の青年、王妃、第一王女、王子とその影武者と代々王に仕えるもう一つの存在など。登場人物は多いがその立ち位置と相関がきちんと組まれているし、どの登場人物の描写にも手を抜いていないおかげで、混乱することなく物語に没頭できる。少女漫画というとこういう舞台でも恋愛方面に行くパターンが多いがこちらは王位継承を巡る人間ドラマに重きを置いているのかかなり骨太な構成になっている。
あと影武者の役割を終えた者の待遇の事実は、主人公がちらりと懸念したことそのままであるがこのことも物語の大事な鍵の1つなのだろう。憎悪、復讐、罠、欲望、決意・・・様々な思いが交錯する秀逸な人間ドラマを予感させる。

びっけ
KCx(ITANコミックス) / 講談社
ジャンル:少女・ドラマ / 好み度:★★★★☆
ヴァーチャル・レッド シギサワカヤ
2017年08月12日 (土) | 編集 |


仕事漬けのプログラマーの青年は、入ったばかりのアルバイトの青年にとある木造住宅に住む来る者を拒まない女性の話を聞かされる。彼はその帰り道に件の家を見つける。
主人公の青年は(多分)プログラマーかSE。明らかな過労働状態だが本人の疲労は無自覚。そんな彼に新米バイトの青年が出入り口をすべて開放した木造家屋に住む来る者を拒まない女性の話をする。バイトの青年の口調は悪意があるというか含みがあるというか不快な印象で、主人公は興味を持たなかったが、帰り際にバイトの言った家屋を見つける。
仕事を離れて疲労を感じたところに家屋があってふらりと入ってしまう。弱っているときなどにひょっこりとった選択で何かしらの深みにはまるという展開は、詐欺のひっかかりにちょっと似ている気がする。
その家屋には話に聞いていたとおりの虚ろな女性がおり、主人公はなんのかんのと関わりを持ちゆっくりと堕ちていく。そして彼は彼女の家に住むことを決めるのだが・・。
やじろべえのようにゆらゆらと揺れるような不安定さとか生々しい悪意とかがじっくりと描写されている。不明瞭さと不穏な雰囲気を十二分に堪能出来る著者の作風にはいろんな意味で衝撃を受ける。
こちらも同人誌発祥作品で続きを商業誌で発表したタイトルだそうだ。1巻目はほぼ同人誌で発表されたもので以後商業雑誌掲載分が収録されるそう。紙本の表紙装丁は主題と題名によく似合っている。

シギサワカヤ
楽園コミックス / 白泉社
ジャンル:女性・ドラマ / 好み度:★★★☆☆