読んだ漫画の適当感想ブログ。現在2011年~2016年発行タイトル対象。
2010年以前発行分の感想は本舎の漫画感想に、2017年以降分は漫画感想2017~にあります。
エジプトの三角 青色イリコ
2017年08月17日 (木) | 編集 |


紀元前2500年のエジプトではファラオの一存によりある大規模な建築作業が進められていた。サボり常習と真面目なツッコミ役の労働者、パン職人や時の旅人だったおっさん、ファラオなどなどが織りなす、ピラミッド建設現場周辺を舞台にした古代エジプトの面白おかしい日常を描いたコメディ。

ピラミッド建築時期の古代エジプトが舞台。ある営業の口車に乗りファラオは巨大な自分の墓の建設に乗り出す、というはじまり。古代エジプトの印象とかなり乖離した斜め視点のノリのナンセンス展開のギャグに面食らう。建築現場の末端労働者の勤務態度はダラダラで自分たちが何を作っているのかも知らされていない、なんなんだろうと疑問に思ったところで未来へ行って帰ってきたと言うおっさんがいろいろ語る、という展開とかもある。
ほんとにエジプトが舞台なだけで縛りなく思いつきで話を作っているかのような錯覚に陥るくだらなさがとても面白い。なんのかのと整合性はあるというか古代エジプトの要素をうまいこと取り込んでるんだけど。
ノリで生きててチャラくてチョロいファラオ、ピラミッドのセールスをする宇宙人、同僚の白い目にもめげずおっぱい型パンの制作に情熱を掛けるパン職人・・どのキャラも突き抜けた設定でバカ発言をくそまじめに語るキャラなのが良い。個人的にはタイムトラベラーのおっさんのエピソードが一番好き。
余談だが昔の見解ではピラミッド建設の労働は過酷というものだったが、実は過酷でも何でも無い普通の労働状況(もしかしたらこの話の状況に近いかも)だったってのが思いだされる。この話を聞いたとき王家の紋章・・と思ってしまったなあ。

青色イリコ
アクションコミックス / 双葉社
ジャンル:青年・コメディ / 好み度:★★★★☆
山響呼 カム
2017年08月17日 (木) | 編集 |


王様と魔女・逃亡前夜・夜のおばけ・山響呼・夜店を収録した叙情ファンタジーストーリー作品集。
王様と魔女は、鳥の姿の王様と少女の魔女の話。中世ファンタジー系世界観。魔女は代々脈々と記憶と知識を受け継いでいるという設定。主人公の少女の魔女は退位間近の王様に呼ばれ、先代の魔女が王様にかけた魔法を解いて欲しいと言われる。自由に跳びたくて鳥になったのに王座に残る王様と先代の魔女から記憶を受け継いでいない魔女。双方の視点と思いを綴る話、かな。
逃亡前夜は吸血鬼の姫の話。敵であるハンターの青年を伴侶にした姫に激高する同族の少女。変わらない心、変わる心、変わりたくない心。過去自分が言ったことを時を経て他者に言われる妙。協力者の地位の高い男性の役どころと血を座れたハンター眠りっぱなしだったのが印象的だった。なんかテンプレとズレてて面白かったというか。
夜のおばけは、良い子にしないとおばけが来るという祖父の言葉に囚われていた少年の話、かな。こどもの成長ってか一皮剥ける話というべきか。
山響呼は、長く長く生きる山響呼という存在と少女の話。生と死とそれに立ち会う人間の思いの話、かな。
どの話も登場人物の内面描写とか独白とか思考を叙情的に深く掘り下げて描く構成に加えエピソードなど見せ場の手数が多く、読み応えがある。のだが奥が深く読み解くのがものすごく難しい作品集でもあった。なので素っ頓狂な感想というか紹介ばかりだと思う。すみません;鋭い感性のもと静謐に語られる文学というかんじ。

カム
ITANコミックス全1巻 / 講談社
ジャンル:少女・ドラマ /好み度:★★★★☆