読んだ漫画の適当感想ブログ。現在2011年~2016年発行タイトル対象。
2010年以前発行分の感想は本舎の漫画感想に、2017年以降分は漫画感想2017~にあります。
トド彼 高嶋あがさ
2017年09月26日 (火) | 編集 |


トドの彼とヒトの彼女。同じ会社に勤める二人は、周囲に秘密で同棲中。そんな二人のゆるっとした日常4コマ+ストーリー。

ヒト以外の種族も二足歩行で知性・言語を持ち、現代一般社会に普通に存在するゆるファンタジー世界観。そのまんまトド、若干横柄で言いたいこというキャラだけど悪い人じゃない彼、メガネで真面目で地味目のヒトの彼女の同棲物語。
馴れ初めは、彼女が彼の会社に新入社員?で入ってきて、以後なんとなく彼氏彼女の関係になり、同棲に至る。
社内恋愛で部署も同じというのもあってか会社の面子には秘密だが、双方の身内には知らせているかんじ。彼氏がトドなのでその生態に絡んだネタもあるが、基本はごくごくありふれた同棲生活の一コマを描いたかんじ。生活すると出てくるちょっとした喧嘩、双方の身内との交流、二人の生活のあり方、結婚のこと。
4コマ形式が主体だが、ストーリー漫画もある。彼の甥っ子のキャラがいいなあ。彼氏側の父親の話は泣ける。この寂寥感というかジワッとくる感覚は妙に懐かしさを覚える。トドの彼は昭和のおっさんぽいなあ、いいとこも悪いとこも含めて。彼女側の心情が地味にリアルだ。
シンプルな絵柄に、伝えたいであろう主題が明瞭に描かれている。読みやすくじんわりと来る作風。

高嶋あがさ
ビッグコミックス / 小学館
ジャンル:青年・4コマ / 好み度:★★★☆☆
蒐集奇譚イット  座紀光倫
2017年09月26日 (火) | 編集 |


不可思議な事件に纏わる悩み事相談は、ある場所に住むマントの少年を訪ねるといい。蒐集家の少年が集めたいモノを代価に依頼を受けてくれるだろう。人成らざる少年と謎の女性百合が織りなす和風ホラーファンタジー。
妖怪や怨霊が素で存在する大正期の日本のような世界観。妖しげな少年の元には、不可思議な事件に纏わる相談事を依頼してくる客がやってくる。
1話目で、ざっとした世界観、少年が蒐集家で、少年の依頼の報酬、もしくは依頼事の大元が蒐集の対象になることもある、そして少年の傍らには百合と呼ばれる少女が存在していることもわかる。
ミステリアスな少年の元に依頼人がやってきて、少年が報酬の代わりに依頼人の望みを叶えるが、おおむね依頼人は破滅の道をたどる、と書くとわりと王道な構成なのだが、細かな展開やエピソードの味付けがけっこう独特。あとガンガン系によくある、シリアスホラーだけどキャラ描写にわりと砕けたノリを見せるタイプ。
少年漫画に見られる技名と演出はちと気恥ずかしくもあるがレーベル的には必須なのだろう。ひと味違うホラーアクションを堪能出来る作品。

座紀光倫
ガンガンコミックスONLINE全2巻 / スクウェアエニックス
ジャンル:少年・オカルト・ファンタジー / 好み度:★★★☆☆
弦月に哭く
2017年09月25日 (月) | 編集 |


石田三成の「西軍」と徳川家康の「東軍」とによる関ヶ原の戦いが勃発。天下分け目の大戦下の、伊達政宗の己の土地を取り戻すための動向を描く戦国絵巻。
スタイリッシュな絵柄だがざっくりと力強い筆致で紡ぎ出される伊達政宗像、そして関ヶ原の合戦における政宗の立ち位置と動向が描かれる。戦ものというより政治ものといったほうがいいのか、これ。骨太だけど無骨じゃない、著者の作風はとても惹かれる。
うーむ、やっぱり著者の描く政宗は好きだなあ。成実のほうが地味に目立ってる気がしないでもないが。
愛妻・めごや娘のいろはとのやりとりは殺伐とした展開の清涼剤のごとくほっこりするし、愛妾の猫御前の設定とキャラはくすっと笑える良さ。
掲載誌が休刊で続編は出ないのかなあ。一応キリのいいところでまとめられてはいるが。

角川コミックス1巻 / 角川書店
ジャンル:青年・歴史 / 好み度:★★★★☆
放課後さいころ倶楽部 中道裕大
2017年09月24日 (日) | 編集 |


人見知りで周囲の同年代の女子たちと同じ興味が持てない女子、好奇心旺盛で快活な転校生、真面目な委員長がひょんなことから接点が出来き、親しくなっていく。それはアナログボードゲームだった。
というはじまりのアナログボードゲームを軸にした女子たちの青春もの。題名通り放課後にさいころを振って遊ぶ部活もの、というかんじ(部活じゃないけども)冒頭の3人の女子たちが親しくなる経緯がけっこう長く描かれるが、以後はボードゲームプレイ中心の展開になっていく。3人以上のゲームもあるし徐々にメインキャラも増えてくのかな。
ゲームは、委員長女子がバイトをするボードゲームカフェで行われ、ゲームは実際にあるものが使われている。幕間にはゲームの紹介コラムもある。
ボードゲームといえば人狼ゲームが有名どころかな。デジタルゲーム主流の昨今だが、こうしたアナログゲームもブームになっているようで。作中のルール説明とプレイ描写はとてもわかりやすく、機会があればやってみたくなるようなところがミソ。現在進行形で新作ゲームが作られているという事実にはちょっと驚いた。
ゲームを主題とする漫画というと、ゲームで一番になるとかを目的としたハングリーというかストイックな話をよく見る。が、こちらは仲間と一緒に楽しくという交流のスタンスが主体。漫画としては盛り上がりに欠けるかもしれないが個人的にはこういう話のほうが好み。

中道裕大
ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル / 小学館
ジャンル:青年・青春・ゲーム /好み度:★★★★☆
とっかぶ 桑原太矩
2017年09月24日 (日) | 編集 |


学校内の問題児を集め地域の奉仕活動を通して更正を図る部活・特別課外活動部、略してとっかぶの面々による青春部活コメディドラマ。
奉仕活動を目的とした部、部員は問題を起こした生徒という背景。元々は喫煙した生徒をかばって教師などからにらまれた女子生徒を、ある教師がその経緯から彼女のための救済措置の目的に作られた部。
そこにスパイ系機械を駆使してテスト問題を売買していた男子と、問題を起こしていないが奉仕活動を主とした部ということから入部した女子が入る。
まず、アマチュアスパイを自称する飄々とした男子が強制加入、次に自主的に入る、悪をくじくのではなく困った人間を救うヒーローを目指す女子、そして部の設立の元である、とんがってるけど正義感のある女子の順で登場する。
萌えものでよく見られる変型部活もの、かと思ったがレーベル的にドラマとしてかなり良い仕上がりの物語。渋々入る者と自主的に入る者で更正されているため物語がスムーズに動くし、各々の現在の個性や考え方の方向性の理由もきっちりと描かれているため人物に移入しやすい。
狭い世界でのトラブル解決請負というライトミステリ要素とアクティブな青春ものと人情コメディの要素が旨く合わさっている秀作。

<くわばらたく>桑原太矩
アフタヌーンコミックス / 講談社
ジャンル:青年・ドラマ・青春 / 好み度:★★★★☆
おじょじょじょ クール教信者
2017年09月24日 (日) | 編集 |


高飛車お嬢様な態度を取ってしまう大財閥の娘と、周囲から変人認定されているクール男子のラブコメ4コマ。

ある大財閥のお嬢様が一般の学校に転校してくる。ヒロインは周囲を庶民扱いするステレオタイプなお嬢様発言をし、周囲は距離を取る中、ひとりだけあっけらかんと素直な反応をする男子がいた。
その男子は周囲から見ても変人らしいのだが、周囲から浮く存在としてふたりが馴染むのに時間がかからなかった、というはじまり。
庶民扱いし男子をパシらせるが、無口で感情表現が乏しい男子は茫洋と従う。男子は仕方なしにというより、まあいいかって感覚で、というところがミソのよう。ヒロインの言動に対する感想もどこかズレているところも。
ヒロインは根っからの高飛車でなく、大財閥の娘ということで周囲から距離を置かれていたことに気付いて以来自分から距離を取る行動に出ているという背景も出てきて、そんな自分をそのまま受け入れる男子に思い入れが出てくる展開かな。
いわゆるツンデレお嬢様コメディだが、後に登場する彼女を理解する女友達を、客観的立ち位置に据え、ヒロインと男子の絆を描いていく構成はちょっと珍しいかも。互いを依存するでなく、でもかけがえのない存在となっていく過程、登場人物のひょっとしたときに出る台詞がなにげに深い。じんわりと描かれる学園生活は読み応えがある。
クール教信者
バンブーコミックス4コマセレクション全4巻 / 竹書房
ジャンル:4コマ・ラブコメ / 好み度:★★★★☆
ピース*2 鳴海けい
2017年09月21日 (木) | 編集 |


潔癖な優等生タイプの男子は、おとなしい可憐系女子の呼び出しを受け期待しつつ会ってみると、彼女の目的は自作の官能小説のモデルになって欲しいという頼み事だった。脳内エロな女子と潔癖男子と周辺の愉快な(笑)仲間達による学園下ネタドタバタコメディ4コマ。
エロや下ネタや他の堕落を毛嫌いする主人公男子と、見た目は清楚可憐だが頭の中はおっさん並の官能まみれなヒロインの話。まあヒロインがエロまみれなのは職業柄致し方なしなのだが。
ヒロインは、スランプによるネタ探しで、生真面目で汚点一つない主人公で妄想すると捗るため、モデルになって欲しいという・・。そこはかとなくヒロインに好意を抱きかけていたのに嫌悪対象の属性を持つことがわかっててんやわんやの大騒ぎというかんじか。
下ネタが主軸のコメディだが、4コマ形式なので突っ込んだキャラ設定や展開はない分、ある種のほほえましさを持って読むことができる。絵もかわいいし。残念なヒロインに、嫌悪しつつも関わってしまう主人公の構図が萌える(笑)ヒロインも基本良い子なんだよね。下ネタ妄想すごいけど。つかエロをさっ引いても作家だとこれくらい妄想力がないと務まらないか~。
二人だけでは話が回りにくいのか、ヒロインのエロ脳の遠因であり自由奔放なヒロインの兄、ガチオタ、少女漫画系妄想女子などの漫研の面々などが登場し、彼らのボケツッコミ会話劇が主体となってくる。時にはオタ系の時には学園ものらしいイベントをベースにほんわかと楽しめる。この著者の作風は好きだなあ。

鳴海けい
ガンガンコミックス全3巻 / スクウェアエニックス
ジャンル:少年・4コマ・コメディ / 好み度:★★★★★
恋愛視角化現象 秋★枝
2017年09月20日 (水) | 編集 |


思春期に恋をすると角が生える世界を舞台にした恋愛人間ドラマオムニバス。
内容的にはよく見られる恋愛物語、なのだが一捻り加えた設定として、恋愛感情が角という形で視覚化されるという設定がついてくる。1組のカップルの話でなく、様々なカップルを描いたオムニバス形式。
本来見えない・隠したい気持ちが隠せない、逆に無いものを在ると見せられるという妙が活かされる設定が上手い。
自覚するほどにボーイフレンドに恋をしているのに角が出ない女子、クラスメイトに恋をしたが友人に先を越されてしまった話など。美男子と地味女子のすれ違いな恋愛模様の話が凝っていて、意地悪美人と、ちょい強面でモテにくいタイプだが客観的に他者を分析する男子が絡み、後味が悪いと見せかけてどんでん返しが待っている。どの話も見応えがあるし、人物の忌憚ない心情が印象に残る話ばかりだった。

秋★枝
ヤングジャンプコミックスウルトラ全2巻 / 集英社
ジャンル:青年・恋愛・ドラマ / 好み度:★★★★★