読んだ漫画の適当感想ブログ。現在2011年~2016年発行タイトル対象。
2010年以前発行分の感想は本舎の漫画感想に、2017年以降分は漫画感想2017~にあります。
おはよう、いばら姫  森野萌
2017年10月10日 (火) | 編集 |


あるお屋敷に家政夫バイトに入る男子高校生は、屋敷で隠匿されているお嬢様と出会う。屋敷の人たちに秘密の交流を続けるうちに、男子は彼女の持つ特異体質を知る。

ある理由から貯金に執心し、卒業後は就職を希望する男子高校生。父親は進学を薦めるため親子喧嘩になり、父親の経営する家政婦業務で卒業まで勤めあげれば就職を許すということになった。
で家政夫バイトとして派遣されたのは大きなお屋敷。仕事をこなす中、屋敷内の離れに住む、その家のお嬢様と遭遇する。浮世離れした雰囲気と会うたびに印象が変わるお嬢様と、屋敷の面々に秘密で交流を重ねるうちに、彼女の特異な体質を知ることとなる。
ネタバレになるが多重人格症かと思われたが実は別の要因で、1巻終わりにそれが判明する。そして彼女の母親は主人公にお金を渡し娘の専属家政夫となるよう依頼する流れ。
お嬢様に好意を持っているが彼女と交流する理由は綺麗な理由ばかりでもない、また彼女の体質は主人公にとって苦手分野である。そして主人公がお金に執心する理由も明らかになる。
センシティブさとリアリティの配分が絶妙。男子側の視点で描かれるゆえある種の新鮮さはある。登場人物は少ないがキャラは多いし各々のキャラの物語における役割分担と造形が深く読み応えがあるし続きが気になる展開。柔らかくもせつなげな人物のモノローグや表情の描写が印象的。

森野萌
デザートコミックス全6巻 / 講談社
ジャンル:女性・ドラマ・恋愛 / 好み度:★★★★☆
あなたの世界で終わりたい あおのなち
2017年10月10日 (火) | 編集 |


表題作ほかGoodbye my god・僕等の破片・Mr.wonderland・貴女の世界で終わりたいを収録したセンシティブファンタジー作品集。
Goodbye my godは、不登校のクラスメイトは堕ちた天使でした、という話。どこか諦観も持つ学級委員の女子と天使の男子のやりとりが描かれている。詰まっちゃってあがいてる透明な叫びみたいな印象を受ける。
僕等の破片は、マイノリティの兄はかわいい妹の恋愛相談を受けている中、自分のしょっぱい恋愛遍歴を回想する。オチが効いている。
Mr.wonderlandは愛猫を失った少女のある視点で描かれる話。題名通り、と言おうか不思議の国のアリス的な内容。ストーリーは正直くみ取れないのだが絵面はなんか好き。
貴女の世界で終わりたいは表題作なだけに収録作の中で一番の長編。とある女子高に通う死にたい願望があるヒロインと、吸血の鬼の青年の話。どこか似た空虚なふたりの茫洋としたやりとりで話は進む。ヒロインのモノローグ、青年の廃頽した生活環境、まずくて飲みたくないのに飲まないと生きていけないジレンマの描写が印象的だった。

IDコミックス全1巻 / 一迅社
ジャンル:少女・ドラマ・ファンタジー / 好み度:★★★☆☆
VANILLA FICTION 大須賀めぐみ
2017年10月10日 (火) | 編集 |


いかなる出来事に対してバッドエンドしか想像できないゆえにバッドエンドの物語しか書けない作家の青年は、世界の命運を担うという少女と出会ったことから絶体絶命の修羅場を潜ることになる。
それまでの経験から諦観な少女と悲観的展開しか想像できない作家の逃避行、というかんじ。
少女の謎と、卓越した洞察力に加え自身の悲観的想像を逆手にとって危機を脱する作家の描写が興味深い。サスペンスにオカルト要素も加わっていて、カオス理論に基づく?ピタゴラス的な要素もありそうなかんじ。良くも悪くも人間描写がエグくて秀逸。殺伐とした話は苦手なのだが単なるクライムサスペンスでない要素もあるし先が気になるという点で引き込まれる作品。

大須賀めぐみ
ゲッサン少年サンデーコミックス全8巻 / 小学館
ジャンル:少年・アクション・サスペンス / 好み度:★★★☆☆
強くてカッコイイ女子は好きですか? 川村一真
2017年10月10日 (火) | 編集 |


女子プロレス練習生4コマ。強くてカッコイイ女子を目指す主人公をはじめとして、悪役レスラー志望の女子、外見幼女の先輩、空手出身の打撃系でシャイな女子と個性的な面々と、どこかベクトルがずれてる眼鏡コーチが織りなすコメディ。
勢いのある軽快なノリときっちりとした個性を付けたキャラたちのやりとりは面白い。プロレスは身体を強靭に作ることが必須なのでトレーニングメニューネタがわりとためになる。あと女子プロの現状ネタもちらほら。正直興味のない分野が舞台なので期待していなかったが思ったより面白かった、というのが正直な感想。

川村一真
星海社コミックス / 星海社
ジャンル:4コマ・スポーツ・コメディ / 好み度:★★★☆☆
ヴェネツィアひよわ紀行 橘紫夕
2017年10月10日 (火) | 編集 |


著者とご友人によるイタリアのヴェネツィア旅行記。著者の作品ひよわーるどのキャラ絵がご本人たちになっている。
著者が虚弱体質からこの題名らしい。ゆるくもほんわかとする著者の作風でもって描かれるエッセイは楽しく読める。
現地での体験や注意点もきちんとあり、ツアーでない個人旅行、格安で観光とグルメを堪能する手段の1つとしても参考になると思う。背景はさっぴいているあたり著者だ(笑)
周到な準備と詰め込まない行程、一辺倒でない視点と行動は見事。 ご友人と著者の息ぴったりのノリも良い。

バンブーコミックス全1巻 / 竹書房
ジャンル:エッセイ・旅行記 / 好み度:★★★★☆
變愛 -奇妙な恋人たち- 浅岡キョウジ
2017年10月10日 (火) | 編集 |


變愛・ヒメゴト・鞄の中・被虐始メ・埋葬・弓愛・紅い蛞蝓を収録したマイノリティな愛情と嗜好を描いたオムニバス。
變愛は、ちょっとレトロな時代の新婚夫婦の話。おぼこ(古語)な妻は夫の眼球をなめる愛情表現?に困惑する話。あーこどものころ眼にゴミが入ったらばっちゃにやられてたわ・・と懐かしんでいたら、妻の眼が赤く腫れてしまうエピソードがあって、やっぱ雑菌が入るか・・としみじみ。オチが絶妙だった。誤解と曲解と思い込みのオチ。素で笑ってしまった。夫婦に幸あれ。
ヒメゴトは、ボーイッシュで恋愛に奥手というか不慣れな女子高生と美少年小学生の話。一言でいうとおねショタ(笑)冒頭で薄々わかるが美少年の性格がいろんな意味で見事。モテ環境が育てた気質と言えよう。
鞄の中は、あるサラリーマンが出張の帰りの汽車で向かい合わせの席の女性に、彼女の鞄の中のものが何かを当てるゲームを持ちかけられる話。外れるごとにサラリーマンは女性に自分の持ち物を持って行かれるのだが・・。ちょっとブラックショートショートみたいな秀逸な構成。
被虐始メは、罵られ願望が強い(言葉責めが好きなM?)優等生は、転校生の毒舌美少女に魅了される話。ある意味直球なおとな向けラブコメ。
埋葬は、土に埋めたい欲求がある男子学生の話。ある事故から意識を失った女性教諭を埋めてしまった主人公は罪に苛まれ・・。といってもホラーじゃない。教諭の大人の余裕というか悪魔的な側面が肝の話。
弓愛は、弓に射貫かれたい情動を持つ女子を見つけた映研カメラ男子の話で、紅い蛞蝓は、蛞蝓が好きな女子の恋の話、かな。
どれも構成とオチが絶妙な短編ばかり。絵柄的にホラーっぽいと見せかけて実はコメディ色が強いという。面白かった。

リュウコミックス全1巻 / 徳間書店
ジャンル:青年・恋愛 / 好み度:★★★★☆