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Helck 七尾ナナキ
2017年08月21日 (月) | 編集 |


魔王が倒され人間界に平和が訪れた頃、魔界では次の魔王選出のための大会が行われていた。そしてその大会に人間の「勇者」が参加していた。彼の目的は何か、大会の行方は、魔界と人間界が向かう先は?人間と魔物を巡るファンタジー活劇。

魔王が勇者によって倒された三ヶ月後、魔界では次の魔王選出のための大会が行われていた。幹部の一人である少女の姿をした魔族・ヴァミリオは副責任者から大会のルールを確認していたところ、参加者の中に人間の勇者が混じっていることを知る。
大会参加者は種族問わずとはいえ当然ヴァミリオはツッコミ・・もとい激高し、身分を隠して大会の見守り勇者の真意を探ることに・・というはじまり。
魔族側の視点で描かれるヒロイックファンタジーものなのだろうか。冒頭の主人公と大会運営側とのやりとりはコミカルだし、大会の内容も魔王選出の大会もその舞台にそぐわぬスポーツマンシップに溢れた爽やかさが漂っていて、勇者を含め参加者同士のやりとりも殺伐として居らず至極おっとりとしたもの。大会の内容も変わり種の運動会みたいなプログラムになっているという。
この話の魔族の行動原理は欲だの破壊衝動だのではなく己の生存を基盤としているからこその緩さなのかもしれない。
また人間の勇者の気質がとても牧歌的な雰囲気。人間を滅ぼすと堂々と宣言してるけど。ちなみに勇者のフォルムは地獄のミサワのキャラみたい。性格に嫌味が全くなさそうだけど。とはいえ参加している「勇者」の不穏な経緯や魔界に来た動機が気になるところ。
大会自体はそんなゆるい展開だが、魔界の情勢は翼を持った兵士に蹂躙された場所があり、大会は進み決勝戦では、その場所の敵を殲滅したものが勝者となることに。勇者を含む決勝戦参加者と身分を隠し運営スタッフとして同行する主人公たちが向かう先には何が・・という展開に。
主人公を含め、有能だったり優秀だったりするけどちょっと間抜けなところがあったり会話やモノローグのコミカルなノリというか作風がツボだった。とはいえそれだけでなく端々に不穏でシリアスな要素を組み込み、続きが気になる構成になっている。魔族を襲った翼の兵士がなんなのかは2巻以降に大まかにわかり話の全容が見えてくる模様。地味にお勧めしたいタイトル。

七尾ナナキ
裏サンデーコミックス / 小学館
ジャンル:少年・ファンタジー / 好み度:★★★★☆
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