読んだ漫画の適当感想ブログ。現在2011年~2016年発行タイトル対象。
2010年以前発行分の感想は本舎の漫画感想に、2017年以降分は漫画感想2017~にあります。
ぼくらのフンカ祭 真造圭伍
2017年07月17日 (月) | 編集 |


近くの山が噴火したことにより変貌をとげ温泉町となった田舎町。そこに住む少年の視点から描かれる日常と青春の物語。

噴火の火山灰で閑散とし、温泉が出て浸水するという打撃の後、温泉と噴火を目玉とした賑わいを見せるようになる。そんな町に住む男子学生の主人公は温泉が出た直後、大人たちは呆然とするも温泉に浸かってみる人間だが同年代にはクールでモテるタイプらしい。観光地の賑いを見せる現在より昔の静かな環境のほうが好ましかったのでちょっと複雑な心情のよう。
自分の案が採用され周囲がよりよい方向に向かうも元々やる気満々というわけでないし素直に喜べもしない、茫洋としたというかもやもやしたものを抱えてるという、ちょっとめんどくさいキャラでもあったのだが、自分たちの祭りを行うことでわーっと弾けるような活発な心情に劇的に変わる展開。
クールというかちょっと一歩引いて環境を見る性格の主人公に対し、友人は少年らしいというか欲に忠実で直球な性格。たとえばモテる主人公の側に居れば女子と近づける機会もあるんじゃ、と思ったりするタイプ。この二人の気質の対比は視点の対比でもあり物語の深みを増す要素となっているかんじ。
絵柄がアートっぽい独特さも味があって良いし、当初は読みにくそうかなと思ったけど全く杞憂だった。

真造圭伍
ビッグコミックススペシャル全1巻 / 小学館
ジャンル:青年・青春 / 好み度:★★★☆☆
日々蝶々 森下suu
2017年07月16日 (日) | 編集 |


すれ違うだけで周囲が振り返る美少女・すいれん。その一挙手一投足が男女ともに注目を集める環境ゆえか無口・無表情が多くなってしまった彼女は、高校生になり、あるひとりの男子が気になり始める。
周囲の人間に注目されてしまう美少女の主人公。高校でついたあだ名は高嶺の花から高嶺ちゃん。とにかく穏やかに過ごしたいと願う彼女なのだが、入学時に見かけた男子が気になってくる。それは恋心の始まりなのだろうが当の本人は自覚なし。主人公には家族ぐるみでつきあいのある親友の女子と、高校で新たに出来た友人の女子がいるのだが、その二人が、主人公がその男子に恋をしていると感じ後押しをする、また男子に猛アタックするリア充系女子も現れる、という展開かな。
動かぬ華と蜜を求め飛ぶ蝶、の対比の比喩が題名になっている模様。1巻は主人公と男子が、ふとした接点があったときやちょっとした会話があったときのふたりの所作というか少女漫画らしい淡い恋のはじまりみたいな雰囲気が印象的。
トントンと話を進めるでなく、会話が頻繁でななく透明感のある状況描写、主人公のモノローグがうるさくないのが特徴か。感情の起伏の乏しい主人公がゆっくりと感情を育てていくみたいなかんじ。相手の男子も見た目けっこう美男子だけど初々しい気質のようだし、どう展開していくのか楽しみを感じる作品だった。
恋愛一本でもなく女子の友情みたいなものも描かれていきそう?それにしても主人公の幼馴染みの女子はええ娘や・・と思うのだが立ち位置に変化がないといいな。

森下suu
マーガレットコミックス / 集英社
ジャンル:少女・青春 / 好み度:★★★☆☆
ひなたま 岩城そよご
2017年07月14日 (金) | 編集 |


九州の片田舎。己の現在の平凡ぶりを痛感する地元男子と都会から転校してきたおっとり男子。性反対の気質を持つ男子二人を中心に描かれる田舎暮らしのほのぼのスクールコメディ。
九州の田舎が舞台。幼少期は地域の子供らのリーダー的存在だったが今では身の程を知るというか平凡な一般人の自分を痛感している主人公男子。そんな中、都会から男子が一人転校してくる。見るからにイケメン、容姿は派手で、主人公は自分との違いを見せつけられるも、実は超天然のおっとりさん、弟と妹の面倒でいっぱいいっぱいというところを見せられ、次第に仲良くなっていく、というはじまり。
生意気盛りの下の子らや性格の違う男子二人のやりとりなど微笑ましく、また思春期の淡い恋愛模様も用意されており、バランスのとれたエピソード選択だなと感じる。外見だけでは内面はわからない、視点は多彩で個人によって見方も変わるという人間関係においてのあるあるが主題なのかなあ。ただ漫然とスローライフを描くのではなく人間描写がさりげなく丁寧に描かれているところは好印象。

岩城そよご
アクションコミックス乙女ハイ! / 双葉社
ジャンル:青年・ドラマ / 好み度:★★★☆☆
不機嫌なモノノケ庵 ワザワキリ
2017年07月09日 (日) | 編集 |


人間の世界に迷い込んだ妖怪を元の世界へ返す物怪庵と関わることになった少年と庵の主の物語。
妖怪に取り憑かれた主人公の少年は、学校で妖怪払いスタッフ募集のチラシを見つけ藁をもつかむ思いで連絡する。四畳半の茶室には同じ学校の男子生徒がおり、彼が妖怪払いをするというのだが・・。
主人公の連絡先は茶室で、そこは人間の世界と妖怪の世界をつなぐ扉が作られる物怪庵という。庵の主人は同じ学校の男子で、主人公に憑いた妖怪の件が解決するとその報酬として庵の仕事の手伝いをすることになる、という展開。
主人公は元々霊の類が視える体質で仕事に使えるということらしい。また庵の主人は元々妖怪だが、人間の男子が行っているということか一日に扉を開けられる回数は限られているという設定。このあたりは後々のドラマの伏線だろう。
いわゆる退魔ものかと思ったが滅するのではなく迷い子を元の場所に戻すというかんじなので人間と妖怪のせつなかったりじんわりとくるようなドラマが展開されていく模様。
主人公は共存を望むタイプというか穏やかな性格というかで、より優しい道への解決を模索していくタイプに対し、庵の主人のほうはその立場上もあるがちょっと厳しめの気質という相対性も興味深い。困難を解決して優しい結末へというパターンが多く読後感は良い。

ワザワキリ
ガンガンコミックスオンライン / スクウェアエニックス
ジャンル:少年・ファンタジー / 好み度:★★★☆☆
不死の猟犬 八十八良
2017年07月09日 (日) | 編集 |


不死の人間が生きる現代社会。その不死が崩される病を巡るガンアクション罹患させ人から不死を奪う組織の一員の女性は、警察内部に職員として入り任務をこなす。生と死を巡るSFハードガンアクションストーリー。

舞台は現代社会。なのだがその世界では人間は、肉体を損壊され殺されても数秒後には肉体は修復し生き返る。元からではなく、かつて死ぬ生き物だったのだが現在は不死ということらしい。
物語の登場人物たちは犯罪者を追う刑事達。死んでも生き返るので銃を撃ちまくり一度殺して捕まえるというパターンらしく敵も味方もスプラッタな現場。一度死んでもケロリと生き返り軽口をたたくシーンはシュール。
だがそんな世界で、ある病に罹患した者は死んだら生き返らず、死ぬ人間となってしまうという異変が起こっており、メインキャラの無骨な男性刑事の妹がその病で死亡、同僚の年老いた刑事とチャラ系刑事と共に病をばらまく人物を捕まえようとする。
そして警察内には地味で無口で有能な女性職員がおり、彼女が物語の主人公でありヒロイン。病をばらまく組織に属し、警察内で情報を収集、捕まえようとする刑事たちの裏をかいて戦闘、犯人を逃がす役割を担っている。
そして彼女は組織の長から、事件を追う刑事を殺せと命令されるのだが・・という展開に。病の罹患ルートは、死なない人間が死ぬ人間を愛すること、という設定が興味深い。
現代社会が舞台設定なのに妙にSFな設定に違和感を覚えるが、後々どういうことかわかってくる。絵面は設定上なかなかにハード。「不死」の設定と謎と伏線は見事だしアクションもドラマも様々な演出も絶妙で目が離せない。作画もクオリティが高く、しっかりした線画と安定したデッサン力で見応えがある。グロ表現が苦手でなければおすすめ。

八十八良
ビームコミックスハルタ / エンターブレイン
ジャンル:青年・アクション・SF・ドラマ / 好み度:★★★★★
春山町サーバンツ 朝倉世界一
2017年06月18日 (日) | 編集 |


渋谷区春山町を舞台に区役所出張所の公務員になった女性を中心に描かれる町の人々の暮らしと悲喜こもごもをシュールに描いた物語。

舞台である東京都渋谷区春山町は渋谷の端ののどかな町。生まれたときから町で育ち、町内の区役所出張所の公務員として社会に出ることになった女性が主人公。
主人公は意気揚々と職場に赴くが彼女に割り当てられた仕事は、主張所が発行する町の情報誌の編集長だった。素人同然の主人公は新聞作成のために四苦八苦しながら町を巡る過程で、町の様子や住人の暮らしなどが綴られていく。主人公も地元の人間なので顔見知りは多くまた初対面でもなにかしら縁があるかんじで主人公と他者との衝突みたいなものは少なく穏やかに読める。
小説などの挿絵に合いそうなざっくりした絵柄に、牧歌的なようでシュールかつ世知辛くも切ない要素が多分に含まれた不思議な世界観。なんというか主人公を含め妥協とあきらめをそれなりにかみ砕いて生きてるみたいなキャラが多いような気がする。
主人公から見る住人の描写やその気質や状況にフォーカスする一方で主人公自身の状況も見えてくる。どうも主人公の父はそれなりに名の売れた小説家で三部作の最終シリーズが未発行のままになっているという設定が物語の大きな伏線となっている模様。
独特の作風、茫洋と展開させているようできっちりとした構成。知らず引き込まれる内容だった。

朝倉世界一
ビームコミックス / エンターブレイン
ジャンル:青年・ドラマ / 好み度:★★★★☆
ボールルームへようこそ 竹内友
2017年05月28日 (日) | 編集 |


自分の進む道が定まらない男子は、ひょんなことからダンスの世界を知り魅了されていく。
主人公の男子は高校受験を前に自分の進む道が定まらず自分に何が出来るのかわからず茫洋とした日々を過ごしていた。カツアゲされそうになったところを男性に助けられなし崩しに男性が経営する社交ダンススクールに誘われる。そこでダンスに魅了され・・という展開。スクールには同校の美人女子がおり、彼女は実力者だった、彼女にはぴったり息のあった天才ダンサーがいる、などが同世代の人間模様のよう。
知識も経験もない主人公が勝負の世界にはいるという話としては王道、かつ入りやすい導入だと感じる。素人ゆえの繰り返しの訓練、動体視力・・ではないが見て覚えることに特化した主人公の能力、という設定は上手い。はまるものが見つかったときの主人公の熱量、ライバルやヒロインたちのダンスに対する熱量がひしひしと伝わる。そして踊りの描写はとにかく熱い。
少年漫画らしいジェットコースター的な無茶展開もままあるがついて行けないほどではない。1巻の引きの展開はええっと思ったが。久方ぶりにスポーツもので続きが読みたくなる作品だった。

竹内友
月刊マガジン KC/ 講談社
ジャンル:少年・スポーツ・ドラマ / 好み度:★★★★☆
春の呪い 小西明日翔
2017年05月28日 (日) | 編集 |


妹が若くして病で死亡、その後姉は妹の婚約者だった男性とつきあう事になる。
両親の離婚、その後父の再婚と複雑だった家庭環境の姉妹。姉妹は前妻の子で、父と継母と腹違いの弟と生活していた。そんな環境で姉妹は寄り添って生きてきた。そんな中、父の血筋が財閥系でその血筋目当てに妹に見合い話がくる。妹は相手に惚れ、つきあい出すのだが直後妹は病に冒され若くして亡くなる。
姉にとって妹は肉親以上の唯一無二の存在であると同時に自分の感情に嫌悪と空しさを感じていた。そんな妹を失い残された姉は後追いしそうな精神状態になっていたが、妹の婚約者が姉にある提案をし、姉は条件付きで彼とつきあうことになる。
妹の婚約者は妹が生きていた頃から姉の方に心惹かれており、かといって妹との婚約は拒絶するでもなくだった。婚約者もしかれたレールに乗る人生でそれに疑問もなく生きてきた、どこか空虚な部分がある模様。妹は生前に二人の感情を察知しており、妹のいまわの際の言葉は自分の死後のふたりのことを鑑みてのことなのだろうと想像できる。
姉の家族、男性の家族などとの人間模様、姉と男性と妹の各々の感情、他者に関する感情の描写。どうにもならない状況の絶望、様々な感情がないまぜになる描写。舞台設定はドラマチックなのだが、物語自体はどこまでもリアリティがある、と感じた。
この手の恋愛ストーリーだとやたら長くなるきらいがあるが、わりときっちり細部まで落とす部分も曖昧に流し主題を明確にして比較的短くまとめているのも好印象。長編だと飽きることがままあるもんで・・・。ストーリー構成はほんとうに見事だと思った。
ただ、本当に細かいところなんだけど、シリアスな人物同士のやりとりの場面で漫符の汗をキャラにつけるのはちょっと興ざめに感じて気になった。

<こにしあすか>小西明日翔
ゼロサムコミックス全2巻 / 一迅社
ジャンル:少女・ドラマ / 好み度:★★★★★