読んだ漫画の適当感想ブログ。現在2011年~2016年発行タイトル対象。
2010年以前発行分の感想は本舎の漫画感想に、2017年以降分は漫画感想2017~にあります。
むきだしの恋 カキネ
2017年05月28日 (日) | 編集 |


あるニュースを見て12年ぶりに故郷へ帰ったリーマンは、卒業間際のある出来事から避けていた地元住みの片恋の相手と再会するのだが。都会に出たリーマンと地元で暮らす花火職人のせつな系幼馴染みBL。
退職を考えていたリーマンは、干ばつから12年前にダムに沈んだ母校が現れたニュースを見、気がつけば地元に帰っていた。そして花火職人となった片恋の幼馴染みと再会する、というはじまり。
主人公は、学生時代に幼馴染みへの情欲を自覚したころ学校がダムに沈む直前に幼馴染みへのある行動を起こしたことにより、ほぼ逃げるように都会に出たという経緯がある。その感情は羞恥というか気持ちはあふれるけど禁忌と感じる制止が強いみたいなかんじかな。主人公当人は自分の感情の置き所を葛藤しまくりだったのに相手は明るくも率直に主人公に気持ちをぶつけてくるみたいな展開に。
互いに相思相愛であふれるほどの恋情があるけども、二人の関係を周囲にばれたら・・ということについての双方の考え方が主題の1つのよう。シリアス傾向が強いかなと思ったけど攻側のキャラがあかるいというかまっすぐで、さりげにコメディ色もありさほどシリアスシリアスしていない印象。公衆の面前でいちゃいちゃする場面はBLではよくあるけど、そういうのは萎える人間なのでこの主題はいろいろ趣深い。
しっとりとした雰囲気、でもけっして昏くもない絶妙な作風が良いですね。うだうだ考える主人公をひっぱっていく花火師の描写が萌えた。

カキネ
ドラコミックス全1巻 / コアマガジン
ジャンル:ボーイズラブ・ドラマ / 好み度:★★★☆☆
ももも怪レストラン ヤマダ
2017年04月12日 (水) | 編集 |


他の人間には見えない妖怪が見えることからバイトが長続きしない男子高校生は、ひょんなことから妖怪による妖怪のためのレストランで働くことになるのだが。妖怪ファンタジーレストランコメディ。
主人公の男子高校生は、幼少から妖怪、人外が見える体質であり、そのため学費を稼がねばならない苦学生なのにバイトが続かないという悩みを抱えていた。そんな中、彼の前に現れたのは明らかに人間ではない男性だった。
連れてこられたのは妖怪が経営する、妖怪の客を招くレストランだった。海外ならぬ界外旅行で人間界にやってきた妖怪たちの口にあう料理を提供するというコンセプトのレストランそこで人型の給仕が必要なのだが人型は貴重ゆえ妖怪が素で見える主人公に目をつけた、ということらしい。一度は断ろうとするも、従業員たちのもふもふ(体毛)に魅了され、なし崩しにバイトに入ることになる、という展開。
大体短いページで1エピソードを落とすタイプの構成のよう。エピソードは登場する妖怪の能力や個性を使ったネタで回している。ので周囲のキャラに巻き込まれ主人公が苦労するタイプの話かな~と思ったけど、さほどストレスはたまらないお気楽なノリだった。快活かつさくさくとした作風と絵柄ゆえのんきに楽しめる仕様のお話だと感じた。

ヤマダ
Gファンタジーコミックス / スクウェアエニックス
ジャンル:少年・コメディ / 好み度:★★★☆☆
星空のカラス モリエサトシ
2017年02月06日 (月) | 編集 |


幼少時に祖父から手ほどきをうけたことから囲碁に魅了され囲碁の道に進みたいと願う少女の物語。
主人公は、年齢の割に長身で、偽名と年齢詐称でアマチュア囲碁会に通い詰めている女子中学生。彼女が囲碁に傾倒しているのは幼少時の祖父の影響なのだが、母親は家庭を顧みなかった棋士の祖父を嫌い娘である主人公にも囲碁を堅く禁止していたという背景がある。しかしプロ棋士を目の当たりにしたことから刺激を受け、大会に本名で参加することを決める。
囲碁漫画は過去数あれど、どの話を読んでもルールすらよくわからず囲碁自体に興味を持てなかったのだが、こちらは本当の素人でもわかるルールの丁寧な解説があったり囲碁の面白さがそれなりに伝わる構成になっている。プロの監修つきというのもあるだろうが。
むろんそれだけでなく、勝負師・ヤマ師?に感じる、後ろに下がれない緊張感の描写の鮮烈さが印象深い。大仰な演出だけど自然というか共感を覚えやすい構成というか。
1巻では、母親が娘の望みを絶つために刺客(といっていいよね)を送っててしょっぱなから高いハードルを越えねばならぬ展開がとても熱い。久しく感じなかった心の高揚を堪能できる作品だった。

モリエサトシ
花とゆめコミックス / 白泉社
ジャンル:少女・ドラマ / 好み度:★★★★☆
Mein Ritter~私の騎士~ 片山愁
2017年02月05日 (日) | 編集 |


19世紀の欧州。妖精が見える少年、幻想小説家だがリアリストの貧乏貴族の青年、青年の友人の新聞記者、青年の高スペックな執事、青年の幼なじみで幻想的事象にあこがれを持つ可憐な貴族の娘などが関わる、幽霊や妖精たちが起こす事件を巡るファンタジーストーリー。
天涯孤独の平民らしき少年は、妖精など不可思議なものを見聞きでき、一人の妖精も彼の近くにいる模様。彼は母親らしき人物からの手紙を受け取ったのだがそれは見知らぬさっぱり読めない文字で描かれており、困った末に文字の解読のため幻想文学作家の貴族の屋敷の扉をたたく。幻想文学作家ならあるいは、と思っていたのだが、その作家の青年は幻想文学作家なのに、妖精などファンタジーな存在は見えない、信じない、認めない超リアリストだった。
紆余曲折の末に少年は作家の屋敷に居候することを決め、主要人物たちが出会う、不思議な存在や妖精や精霊や幽霊などが絡む事件を経験していく流れ。
舞台は19世紀の欧州という現実社会だがファンタジーな生き物はほとんどの人間には認識できないものの普通に存在している世界観。幻想世界の存在が関わる事件に対し、見える人間、見えない人間、信じる人間、あこがれを抱く人間と取りそろえているところは秀逸。どのキャラも個性がきっちりと別れて組まれているので読みやすい。現在人ぽい軽いノリのキャラが多いのも特徴かな。話の流れは、漫画らしい段階を踏んでというかんじじゃなく、ある意味リアリティのある煩雑さを感じる。その点で今では珍しい作風だなという印象を受けた。
美麗で可愛らしい絵柄による中世社会の描写や幻想世界のキャラクターたちは見応えがあった。1つ1つのエピソードは一見関連がないみたいだけど後々繋がるのかな・・?

片山愁
ゼロサムコミックス全3巻 / 一迅社
ジャンル:少女・ファンタジー / 好み度:★★★★★
マガツクニ風土記
2016年11月10日 (木) | 編集 |


その国では人々は村落に住み農業を営み神事にて選ばれた者は神防人として神都に年貢免除の奉公に駆り出される。神防人に選ばれ村の外に出た青年カズチは、世界のしくみを知る。
冒頭は、古代の日本のような印象を受ける農業村落の人々の生活が描かれ、神事から神防人が選ばれることが決まり事であり主人公の青年がそれに選ばれる。和風ファンタジー系の話かな?と思ったら(いやある意味そうなのではあるが)外の世界は現代社会っぽくなっているところであれ?となる。主人公をはじめとした選ばれた人々が道中で触れるものは現代では当たり前にあるものなのに主人公たちには見たことがない、という演出がうまい。そして主人公たちは、高圧的というか胡散臭そうな案内人に神防人の役割を知らされる。
つまるところ防人というその名の通り主人公たちは得たいのしれぬ化け物を封じた結界を守るということのようで、ディストピアにおける軍事戦闘絵巻でいいのかな。独特の世界観の作り込みは深く、物語の規模の大きさをゆっくりと読み手に知らせる構成は見事。実際1巻はプロローグでしかないが続きが読みたくなると思う。

作:あまやゆうき  画: 吉田史朗
ビッグコミックス / 小学館
ジャンル:青年・ドラマ / 好み度:★★★☆☆
モコと歪んだ殺人鬼ども 反転邪郎
2016年11月08日 (火) | 編集 |


警視庁内の一室に住みハイギフテッドの能力をフル活用し事件の真相を突き止める天然系見た目少女の成人女性と彼女の世話役に就任した新人刑事のコンビが挑む異常犯罪ミステリー。

新人刑事の青年が望まずほぼ押しつけられた形で勤めることになった仕事は、警視庁内の一室に住む少女の世話役。見た目は少女の彼女は、ハイギフテッド・様々な方面において常人を凌駕する能力値を持つ22歳の女性。彼女はその能力で難解な犯罪をあっさり解決できる警視庁の虎の子というかな立場のようだが、天才故の浮き世離れさからなのかフォローする人物が必要、ということらしい。異常犯罪を解決するのは浮き世離れした探偵という構図のよう。わりとエグい犯罪動機によるエグい殺人事件とヒロインの屈託のないキャラの対比も見所の1つなのだろう。
安楽椅子探偵ではないが、ほぼあっさりヒロインが謎を解決するので1巻の段階ではミステリとしては少々物足りなさを感じる場合もあるだろうが個人的にはサクサク進む構成は良かった。
ヒロインの住まいなどの現状を見るに大人の世知辛い事情がありそうで、後々ヒロインの背景に迫っていくんだろうなと想像できる。

<はんてんしゃろう>反転邪郎
MFコミックスフラッパーシリーズ全5巻 / メディアファクトリー
ジャンル:青年・ミステリ / 好み度:★★★★☆
漫画家探偵ひよこ 反転邪郎
2016年11月08日 (火) | 編集 |


新人女性漫画家が、編集部や漫画界隈で発生する事件解決を、読み切り掲載を報酬に担当編集の青年に依頼されるコミカルミステリ。
主人公は新人女性漫画家。お嬢様漫画家を夢見るも現実は鳴かず飛ばずで連載もまだの底辺漫画家。そんな彼女の担当編集であり冷徹な眼鏡青年は、彼女にある依頼をする。主人公は本業はいまいちだが推理力は長けており、編集部内や漫画家界隈で発生する事件を、読み切り掲載を報酬に解決するという流れが主軸。冷静で冷徹な編集者と天然漫画家による事件ミステリ。
編集者は初代社長の孫であり諸々の力を行使し、主人公への強引な依頼も主人公の能力開花のため、のようで、ただただ主人公がいいように使われているというのではないところが良い。
面白いのだが前作に比べるとネタに詰まりそうな内容かなとも感じたり。ミ変わらずステリ構成は上手いと思うのだけれど。関係ないけど1巻の表紙絵は物語の内容は伝わる図柄だけどちょっと損してるなあと思わなくもない。

<はんてんしゃろう>反転邪郎
Mfコミックス フラッパーシリーズ 全2巻 / メディアファクトリー
ジャンル:青年・ミステリ / 好み度:★★★★☆
魔法使いの弟子が笑う時。 金井千咲貴
2016年08月18日 (木) | 編集 |


感情のほとんどが欠け、他者が自分に与える害意にも好意にもなにも感じない少年は、生きる実感が得るため魔法使いの弟子になっている。彼が唯一感情を動かすのは大切と思った人間を失うとき。「魔法使い」を巡るダークストーリー。
主人公は魔法使いの弟子であり師匠とともに暮らすアパートの隣に訳ありっぽい少女が越してくるところから話ははじまる。ボーイミーツガールのせつない青春ものっぽい展開になるのだが・・。冒頭で不穏な雰囲気の場面を提示しておりダーク風味かなあと思ったらけっこうガチなダークファンタジーだった。
主人公が魔法使いの弟子となる理由、微妙な師弟関係、主人公が感情を得る瞬間。2つめのエピソードでその魔法使いの生業に心が耐えられなかった忍者の抜け忍のように逃げる青年の視点で物騒な魔法使いの生業が明らかになる。
主人公格の少年が感情を手に入れることが話の核、なんだろう、多分。せつなくも残酷な物語。シーンごと、見せ場の描写は秀逸だが話の構成は若干とっつきにくかった。

<かないちさき>金井千咲貴
ガンガンコミックス全3巻 / スクウェアエニックス
ジャンル:少年・ドラマ・ダークファンタジー / 好み度:★★★☆☆