読んだ漫画の適当感想ブログ。現在2011年~2016年発行タイトル対象。
2010年以前発行分の感想は本舎の漫画感想に、2017年以降分は漫画感想2017~にあります。
やわらかい。課長 起田総司 カレー沢薫
2018年01月20日 (土) | 編集 |


容姿端麗で出世頭だが恋人に振られED気味になったリーマンの奮戦記・・でいいのか?
主人公は10年付き合った彼女の浮気が原因で別れることに。プライベートは今一つだが主人公は課長に昇進し、容姿・気質も相まって正直女性にモテるのだが、元カノの別れ際のディスっぷりが原因かED気味になってしまう。
そんな中、姉からしゃべる猫を引き取り、猫の的確なダメ出し・・もといアドバイスのもと、女性に対する接し方とED治療に赴くのだが、という下ネタコメディ。人語を解する動物が登場し客観的な発言を担う役割を充てられるのは著者の作品の共通点。
EDが主題なのでまあ下ネタや男女間の下世話なネタもあるけど男女間の性差というか、良かれと思ったことは実は逆効果なパターンをはじめとする男女関係の在り方の含蓄もけっこうある。
猫の的確すぎる発言には相変わらず目から鱗。女性にモテてアプローチをかけられるもおっきしない苦悩のコメディがなんともいえない。主人公に近しいヒロインたちのキャラもうまくつくられており、それに対するツッコミの演出と台詞もインパクトがある。
ナンセンスな設定をちりばめてもなおナンセンスだけによらない作り方は秀逸。枠外の著者のコメントとかそのまま掲載されていてこれも面白い。

カレー沢薫
モーニングコミックス全3巻 / 講談社
ジャンル:青年・コメディ / 好み度:★★★★★
いぬにほん印刷製版部 瀬野反人
2018年01月20日 (土) | 編集 |


小さな印刷会社に就職した女性を主人公にしたお仕事4コマ漫画。
印刷会社に就職した主人公の女性は入社早々、希望したDTP部署ではなく製版部に配属になる。体を壊して退社した人の代わり、ということだが早速初日から会社に泊まり込むことに。
いわゆるブラック企業並の職場環境だが、当人はのほほんというかあっけらかんとしているというか前向きというかなキャラで仕事自体は楽しんでやっているというかんじなのと、仕事は多忙だが人間関係がせちがらくなくて、シビアな状況にも関わらずなんとなくまったりと読める内容。
部署内に同僚がほぼいなくて人間関係のめんどくささがないからか。まあそれだとネタ切れなのか他部署の人との絡みも出てくるけど。
主人公を平凡に、周囲の個性を強めに、というのはいい塩梅。印刷業独自の様々なネタも面白い。
それにしても営業が無茶な契約とってきて総スカンってのはやっぱあるあるなんだね・・。
読んだ当時は電子書籍に寄り気味だったけどこのタイトルだけは敬意をこめて(?)紙本で購入しました。

瀬野反人
まんがタイムコミックス全2巻 / 芳文社
ジャンル:4コマ・お仕事 / 好み度:★★★★★
ナギと嵐 もんでんあきこ
2018年01月20日 (土) | 編集 |


祖母を火事で亡くし彷徨っていた少女は、ヤクザの兄貴分とその舎弟と出会う。兄貴分はその少女に目をつけ舎弟が止めようとしたところ、兄貴分の青年は別人となる。
少女は霊関係の筋というか家系で、力が薄まった血筋の人間に霊を憑依させ力を復活させる試みがあり、少女はそういう状態。一方兄貴分の豹変は天使の人格が憑依というか乗っ取った形。これらを設定からいわゆるオカルト系要素を含んだハードボイルド人間ドラマといった内容のよう。
少女の守護を祖母から受けた天使が兄貴分に憑依しているため、人格は天使の兄貴分と少女と舎弟が行動を共にしていく展開。舎弟は愚直でヤクザの舎弟をやっているが心根の優しい人物のよう。地味にこの舎弟が物語のカギも担っているのかも。
少女の取り巻く状況も展開も不穏な要素が多分にあるものの穏やかな要素もきちんと入れていて、ハラハラする展開も読みごたえのある内容になっている。
著者の話は手放しのハッピーエンドは少ないと思うがそれなりに救いがあり読後感がいい話が多いと思う。

もんでんあきこ
マーガレットコミックス全3巻 / 集英社
ジャンル:少女・ドラマ / 好み度:★★★★★
死んで生き返りましたれぽ 村上竹尾
2018年01月20日 (土) | 編集 |
死んで生き返りましたれぽ
村上竹尾
2014-11



心肺停止から日常生活に戻るまで回復する著者の視点から描いたエッセイ漫画。
先行きの不安から仕事を詰め結果体調を崩し重篤な状況になった著者。体を厭わないというより厭えない状況に近いので過労死直前の人の状況に近いのかな。
心肺停止から意識が戻ったことや闘病生活を主観な視点で描く。患者の視点からの世界の見え方というか、口や文章で説明されてもピンとこないことがクリアにわかるというかな内容だった。
認識や心情の描写がダイレクトに伝わるというか、追体験を得られるというかな稀有なエッセイだと思う。
なんにせよ回復されてよかったです。

村上竹尾 / 双葉社全1巻
ジャンル:エッセイ / 好み度:★★★☆☆
あげくの果てのカノン 米代恭
2017年12月31日 (日) | 編集 |


高校時代から偏執的に思いを寄せる先輩とバイト先の喫茶店で再会を果たす女性・カノン。世界の英雄で既婚者の先輩との交流に、背徳を感じつつも感極まるカノンは・・。
ヒロインは高校時代からストーカー的に片想いを続けている先輩がいる。相手のすべての情報を記録蒐集し相手の写真や姿を見ては感極まるタイプのストーカー気質というかメンヘラが入っているというか。とはいえ昔ならちょい行き過ぎた建物の影でじっと見つめる内気な少女、もしくは熱狂的な追っかけ的なイメージ。
そんな彼女も卒業後は先輩と会うこともなく、といいつつ先輩がよく通る場所の近くの喫茶店にバイトで入っている。そんな中、ヒロインのバイト先の店にひょっこりと件の先輩がやってくる、というはじまり。
片想いの先輩が実は既婚者であったり、ヒロイン達の暮らす世界は実は異形の生命体に脅かされている状況で先輩はそれを退治する英雄という設定が徐々に明らかになっていく。ト書きの説明でなく、状況描写で読み手に知らしめる構成は実に巧い。
ディストピア?的世界設定なのでSF、相手が既婚者なので不倫ものということだが、不倫ものっぽくは見えない。状況的にはそうなんだけども、一線越えてるわけじゃないからかなあ。
先輩(その同僚もだが)は戦うたびに身体の損傷を受けるが修繕という名の治療で身体は再生するのだがあらゆる嗜好性格が変貌するという弊害があり、どうも先輩がヒロインに接してくる理由は自分の以前と違うか変わらないかの確認みたいなものなのかな?と感じ取れる。一方ヒロインはだめだと思いつつ先輩の思いが止まらない。このヒロインの心情描写がリアルつーか1つ1つ噛みしめるような描写が印象深い。つかヒロインを含め人間描写がいちいち印象に残る描き方なんだよなあ。秀逸。
不協和音というかちぐはぐな印象を受ける展開は興味深く、どう話が続いていくのか気になって仕方がないという。あといい意味で衝撃を受けたり予想を裏切るような展開も多い。そしてじわじわと浸食してくるような印象を受ける話だった。
人間模様も中々にねっとりとして展開もダークでヘビー。だが目が離せない。

<よねしろきょう>米代恭
ビッグコミックス / 小学館
ジャンル:青年・SF・ドラマ / 好み度:★★★★☆